2023年5月25日 (木)

山歩き:南沢山・横川(湯舟沢)山・富士見台高原

山歩き:南沢山・横川(湯舟沢)山・富士見台高原

南沢山から横川(湯舟沢)山を経て富士見台高原まで縦走し、往復する。
距離は約18km、標高差は約700mほどだが累積すると約1200mほど。
展望の尾根歩きだが朝は天候に恵まれず、雲の切れた時の喜びや良し。

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【山行日】2023年5月21日(日)    
【山 域】南信州:南沢高原・富士見台高原、阿智村
【天 候】濃霧と強風、曇りのち晴れ
【形 態】往復 単族 軽装
【コース】ふるさと村自然園せいなの森キャンプ場登山者用駐車場、起点
P7:58--8:08登山口--9:37南沢山--10:05横川山--11:18富士見台11:46--
--12:58横川山--13:21南沢山--14:34登山口--14:40P

絶好の展望スポットとして人気の富士見台高原だが、ずっと敬遠していた。
昨秋に初めて訪れ、いくら観光客が多くても避けては勿体ないと知る。
ツツジ祭り(アカヤシオ・シロヤシオなど)の賑わいも過ぎた今日この頃。
初夏、新緑に最適で、とっておきの山域として再訪する。

宵っ張りの朝寝坊爺が早く床についても習慣は急には変えられない。
ほとんど眠れないまま夜明けを迎え、車を走らす。
晴天予報なのに暗い雲り空で時折雨がぱらつく、どうなっとると。

今日の山の登山口駐車場は余裕があるので高速ではなく地道で行く。
するとそこは国道153号線、いつも通り、心労を積み重ねてくれる。
早朝から我が道を行くたらたら車、そして女子ゴルフ大会だった。
方々に「ギャラリー駐車場」の案内がある。
意味が分からなかったが、ギャラリーになる人々の駐車場ということね。
以前、イ・ボミの絶好期はギャラリーが1万人を超えていて大渋滞だった。

天気はずっとさえず、濃霧注意報も出て、前の車はゆっくりさん。
平谷を過ぎ治部坂峠では思わず大川入山に変更しようと思った。
となると、まったく今まで通りの代わり映えのしない生活、それはダメ。

ぐったりうんざり、3時間かけて「ふるさと村自然園キャンプ場」に来る。
登山者専用駐車場があり、第1Pはほぼ満車でぎりぎりセーフ。
準備してすぐ近くの受付で入山届、駐車代金、整備費用を払う。

きれいに整ったキャンプ場の中の道を登山口まで歩いていく。
バンガローや別荘のような建物、そしてトイレがある。
登山口にも広い駐車場があり、これはキャンプ場利用客のもの。

案内と注意書きを読み、入山する。
道は普通以上によく整備されていて下草もない。
このところの雨で湿っぽいが、充分地面に浸透している。
よく考慮された勾配で、歩きやすい優しい道と感じる。
尾根に乗るとなだらかになり、古木倒木の姿形が楽しい。

ガスガスなので視界のないままクマザサに囲まれた広いところ。
南沢山1564mの山頂はそんな感じ。
先客2人が話し込んでいたが、各々進む、帰るの別行動へ。
「阿智7頂上」用に自撮りを試みるも無残、先へ進む。

ゆったり下っていくがすぐに山道らしい急な上りになる。
えっちらおっちらで次の山、横川山(湯舟沢山)1620mに着く。
長野県側では横川山、岐阜県側では湯舟沢山と。
県境に位置する山なので歴史や生活環境を踏まえた呼称。

ここも開けたところらしいのだが、分からないので先へ。
 帰りにここから富士見台方面を見たのが最初の写真。
 雄大な稜線の向かう先に目的地という感動的構図。
とにかく前方は白い世界で、冷たい横風がビュンビュン。

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少し樹林帯に入り右往左往するが、すぐに下りになる。
そしてこの下りは結構なもので、どんどん下る。
で、再び上り返しでちょっとしたピークにこの標示がある。

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ここは・1578mで、もちろんこれは誤った山頂標示板。
誤った情報でこれを付けた人は、よかれと思ってやったんだろうな。
横川山(湯舟沢山)の山頂標示下の注意書きは文字が多いから。

ガスだけでなく雨もパラパラ、でも前へ。
沢音がよく聞こえる、鞍部らしいところへ。
左下を見ると苔の緑も鮮やかな沢。

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横川川の源流で、流れ着いて天竜川に至る。
その先の湧水を横切るところには大きな苔岩。

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 これは帰りに思わず撮ったもの。
 同じく帰りに、鞍部から来た道を振り返る。

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 源流部周囲の樹林帯、そしてクマザサ。

ガスの中でも源流部の樹林帯はふつうの世界。
少し洗われたような気分で先へ上がっていく。
道はしっかりざれていたが、仕方ないことだろう。

クマザサの高原を上がっていくと、池塘を発見。
山の上や稜線で池を見ると気分は上がりますね。
当然のように道はぬかるんでいるので、ずぶっに注意。

石がゴロゴロと崩落している箇所もある。

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ここに傘を忘れた、もとい突き刺した人に何があったのだろう。
そんなことを思いつつ上がっていくと、空が明るくなってくる。
前方、上の方から声が聞こえる、ってことは富士見台?

開けた山頂に上がると同時にガスが切れる。
どうした自分、俺って持ってるのか。
そんな馬鹿な、偶然にも程がある。

ただそこは別世界。
360度の展望を期待しているたくさんの人がいた。
ずっとここまで数人の人にしか会わなかったのに。
またそこで見る人々は、スタイルが全然違っていた。
衣服はカラフルで折り目が付いているし、ザックも綺麗。
皆さん、アウターを羽織り、少しの風にふるえている。
もちろん靴や裾には泥もついていない。

そうだよな。
ここでもガスガスなら、富士見台高原に来た意味がないかも。
ガスの中で見える景色って、どこで見ても同じだもんな。
そんなことを今日はずっと思いつつ、ようやくここまで来たのだから。
標高差はそれほどではないが、天気は悪く、距離は確かにあった。
風が強くても汗はびっしょりで、膝や腰の蝶番が痛い。
どっしりと腰を下ろして休む。

天気は快方、暑さに注意で、長い道を戻る。
視界の開けた下り道は、身も心も軽い。
往きに見たものが姿を変えて現れる。
ザレ場や池塘を過ぎて、鞍部に下っていく。

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この横川山(湯舟沢山)の山体がいい。
一番右が本峰で、よく似た高さの2峰、3峰、4峰と並ぶ。
登山道は横っ腹を巻いていくので救われている。

さらに下っていくと、鞍部の向こうに下界が見える。

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源流部の樹林帯と、その向こうの陰が湯舟沢なんだろうか。

後頭部へしっかり暑さを感じながら、横川山(湯舟沢山)への上りはきつかった。
そういえばここまでずっと南沢山は見えず。
横川山(湯舟沢山)へ来てようやく眼下に南沢山を見る。

「南沢山~富士見台高原」縦走コースというが・・・。
不安に思いつつ、南沢山へ着く。
そこから振り返っても見えるのは横川山(湯舟沢山)の壁だけ。
そこから少し移動してようやく富士見台高原が見えた。

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ここまでも、ここからも、とてもよく整備された道が続く。
安心の下山道。
疲れた足にはちょっと長くてきつい歩き。

今日も、とても満足度の高い山歩きになった。
これで前半戦の山歩きは終了。
個人的事情でしばらく山へは行けず、次は7月から。

 

 

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2023年5月14日 (日)

山歩き:釈迦・三池岳稜線のシロヤシオ

山歩き:釈迦・三池岳稜線のシロヤシオ

釈迦が岳から八風峠・三池岳を結ぶ稜線の山歩きは楽しい。
鈴鹿では一番シロヤシオの多いここで、満開の花見を味わう。
今年は当たり年のシャクナゲやピンクのシロヤシオはどうか。
岩が峰から上がり、三池岳から下る周回のフルコース。

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【山行日】2023年5月11日(木)    
【山 域】鈴鹿北部:釈迦が岳、仙香山、八風峠、三池岳
【天 候】晴れ
【形 態】一部往復の周回、単族 軽装
【コース】堅木橋付近の駐車地、起点
登山口7:05--7:58北山--8:30岩が峰--8:54稜線合流--
--9:03釈迦が岳9:20--10:39北仙香山11:03--11:21八風峠--
--11:33三池岳--三池岳東尾根--12:35登山口

昨年の鈴鹿、釈迦が岳の各尾根歩きに浸り、満足していた。
今春の花見でもアカヤシオの御在所に続いて再びお世話になる。
シロヤシオといえば竜が岳だが、樹木の数は釈迦がずっと多い。
竜の子羊の便りも少ないので、雨天の休日をさけて平日に来る。

宵っ張りの朝寝坊には辛いが、朝は5時前に起きて出動。
はたらく車の多い国道23号線を申し訳なくも小さくなって通る。
岩が峰登山の駐車地にはそれでもすでに4台駐車していた。
神戸ナンバーもあり、愛好者の意欲はとどまることがない。

久しぶりの岩が峰だが、本日のコースの上りではここしかない。
堰堤をいくつか通り越してから渡渉する、忘れていなかった。
すっかり人気コースになっているので踏み跡はしっかりしている。
記憶を確かめながら、きつい上りをこなしていく。
時折、シャクナゲやシロヤシオが見られ、新緑がまぶしい。
北山に来ると、アセビが多く、さながら馬酔木庭園。

きつい上りは続くが、遠くに見える尾根の記憶が救いになる。
鏡岩を右下に見て、岩のへつりを進むのも以前と変わらず。
喘ぎながら上がった先にさらに広い庭園を認める。
そんな馬酔木庭園に見事なシャクナゲが加わるのが岩が峰。

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池はほぼ干上がっていたが、かつての道跡らしきは健在。
稜線に向けてさらにやせ尾根を上り、最後に少しロープを頼る。
せっかくなので釈迦が岳に寄る。

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かつてはつまらない山頂と言われたが、笹が弱ってからの印象は違う。
山頂付近はシロヤシオの天下だったのだ。
このところ釈迦の山頂付近に親しみを覚えているので散策する。
東側に開ける展望は見事だし、樹木にも品がある。

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今日はここへ来て、本当によかった。

そして目的の稜線漫歩に入る。
右手、眼下に青い新緑の岩が峰尾根を見る。
左手には、赤坂谷源流の広い針葉樹林帯。
往く先々に今や盛りのシロヤシオの並木。
ほんの十数年前、笹が繁茂するヤブで、右手に展望はなかった。
笹が弱り出しとともに、一気に視界が開け明るくなった。
今を生きていると忘れそうになるが、この変化は大きい。
大平尾根に近づくと明らかにピンクとわかるシロヤシオが。

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花びらにピンクの筋が入っている、言わば矮性のもの。
こんなに簡単に見つけられるとは、今日の楽しみが増える。
そこを過ぎるとこの稜線の白眉とも思える仙香山の連山。

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紅葉も良かったが新緑の今日も。
色彩で言えば、シロヤシオはアカヤシオほどの派手さはない。
はっきり言って白は、白飛びするし地味だ。
でも竜が岳の子羊しかり、仙香山の斑白だってそれなりに。

この界隈のシロヤシオの密度の深いこと白いこと。
その真っ白の中、南峠付近で頭抜けたピンクを発見。
木の下に行って見上げると、ピンクの筋がさらに濃かった。
中峠辺りでも薄いのを見る。
ここら辺、アセビの新芽とシロヤシオと花崗岩の庭園だわ。

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ちょうど段木尾根から上がってきた婦人たちも歓声をあげる。
彼女たちも花見に興じ、明日は竜が岳へ赴くとも。

頃合いもよし、このところ贔屓の北仙香山で休憩とする。

すっかり寛いでいると、スタイルの麗しい尾根遺産が来る。
石榑峠から釈迦を往復するトレランさん。
鈴鹿三百山も目指しているそうで、お疲れ様です。
ここは三百に入っていないと答えると、先を急がれた。

休憩後も、シロヤシオトンネルをくぐっていく。
通りすがりの道すがら、数本の薄いピンク木を見る。
その気で見ると、いくらでもある。

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この北仙香山の中腹あたりで見られた。
それにしても不思議なものだ。
ピンクは白の中のごく一部に過ぎない。
多様性の時代とはいえ、ごく一部といえば、希少で異端。
ふつうの多数派の人間はいつも彼らを偏見で差別してきたのでは。

希少や貴重でなくてもいい、ふつうに平静にと。

八風峠に来る(最初の写真)。
ここもシロヤシオ天国。
どこから見ても、朱色の鳥居を引き立てる。

なんか今日は元気だ、調子がいい。
いつもは八風峠から峠道で下りるのだがまだ行けそう。
三池岳まで足を延ばす。

そしてここで、今日一番のピンクシロヤシオに出会う。
山頂のすぐ西側にそれはあった。
遠くから見てもすぐに分かった(この小さな写真ではどうか)。

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近くだと当然の如く濃い。

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そして左の木もそのとなりもピンク、薄いけど。
ここは、ピンクシロヤシオの名所になりそう。

ということで、満足して三池庭園を味わいつつ、急下降した。
三池岳東尾根は、その急すぎる登山道で避けていた。
常緑樹の落葉は厚くて滑りやすいことこの上ない。
だけど登山道の整備がしっかり行われていて歩きやすい。
本当にありがたいこと。

登山口に戻ってくると、駐車地はほぼ満車。
平日なんだけどな。
車中泊しながららしい、ゆっくり車を走らせている年配も多い。
面白いというか、人生は楽しんでなんぼ、やな。

 

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2023年5月 3日 (水)

読書日記:島田雅彦『往生際の悪い奴』

読書日記:島田雅彦『往生際の悪い奴』

島田雅彦『往生際の悪い奴』
   日本経済新聞出版社、2014年8月8日発行

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男はいくつになっても、女からの愛を諦めきれない。
その相手が自分をあの世に誘う女であっても・・・。

主人公らしき「おまえ」は本当にどうしようもない奴。
何をやっても冴えず、すぐに他人を頼っては迷惑をかける。
挙句、駅前でもらったティッシュで、わらしべ長者を始める。
最初はそれなりになんとかなるも、当然のように撃沈。
向かった先は富士山麓の樹海、〇〇の名所ですね。
踏ん切りがつかず気になって振り返ったら、そこには。
類は友を呼ぶよろしく風采の上がらない男、三島がいた。
三島は一応の弁護士で、「おまえ」は彼に拾われる。

ダメな男を書かせたらピカ一の島田雅彦。
二人のダメ男をどう料理するのか。

ぐだぐだの始めりだったがここからようやく本文へ。
三島弁護士のもとにストーカー被害案件が持ち込まれる。
被害者は大学生の絵美里で、スタイル抜群の美人。
弁護士の三島は「おまえ」を助手としてうまく使い解決に導いていく。
男不信、恐怖症になっていた絵美里だが、いつの間にか心には・・・。

好き好かれ恋しかるべき、と書くとアホのようだが男女の間は難しい。
ようやく主人公は「おまえ」ではなく三島のようだ、と気づく。

男には生涯、運命の女が三人いる。
一人目は母親、二人目は妻、三人目は情欲のまま愛し合う女。
人生は原則3回やり直せる。
絵美里がその、3人目の女になる、なってほしい。
谷崎潤一郎や川端康成の浸かった湯に御一緒に。

三島の情欲に、作者は一流の俗物官能小説で応える。
美人も三日で飽きると、「おまえ」の心情を暴く。
それでも明るい晩年生活を夢見る三島に、罪と罰を。
そこはちょっと残念、エンタメなんだからさ。

ところで自分の身辺。
いつもの猿投山。
今日もいるアイツ、ナンパGさん。
いくつものSNSにも顔出してるから、さぞや有名人。
一方で、触られたとかなんとかの被害も相当らしい。
要注意とかで、奴から被害者を遠ざけようとする御人も。
その紳士ぶったこちらの正義Gさんたち。
自分たちは安心だからと、いつも若い娘さんたちを連れている。
正統、元祖、横やり、いろんなナンパGさんの屯する山、

そう、あいつもこいつもみんな。
もちろん自分も、みんなみんな往生際の悪い奴ばかり。
じゃあ、どうしたら往生際が良いのか。
それが分からないからみんなもがき続ける。
「あきらめたらそこで試合終了ですよ」by 安西先生

 

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2023年4月11日 (火)

山歩き:笙南ダイラの春、再訪

山歩き:笙南ダイラの春、再訪

観光地で人気の養老山地、北部の一般コースで少し寄り道する。
笙南ダイラとは笙が岳南尾根の西面に広がる台地状を勝手に命名。
個人的にとても落ち着ける森というかコバで、「ショウナンダイラ」と読む。
今のところヤマレコやYAMAPでは不明不知なので静かな歩きができる。

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【山行日】2023年4月9日(日)    
【山 域】西美濃:養老山地北部
【天 候】晴れ、前夜は冷えて氷雪
【形 態】一部往復の周回 単族 軽装
【コース】養老公園駐車場、起点
P7:35--7:59登山口--旧道(林道)--9:08もみじ峠--9:51笙南ダイラ10:28--
--10:44笙が岳--11:30もみじ峠--12:15笹原峠--12:25小倉山12:52--
--13:01笹原峠--13:06三方山--13:45登山口--14:05P

前回は2017年5月7日に「笙が岳のダイラ(南の台地)と裏山」でレポ。
養老山地は自分のふるさとの山だから思い入れが大きい。
小さい時から何度も来ているのに知識と記憶が曖昧で不明は多い。

養老山地の山歩きは観光マップで紹介されているコースが一般的。
一番人気は昔からずっと、三方山から小倉山・養老山を巡るもの。
そしてそれに養老山地の最高峰、笙が岳を加えるもの、だった。
最近は、表山・裏山そして行平山まで歩かれているのにはびっくり。
SNSで誰かがコースルートを紹介するとみんながそれに続くからすごい。

秋の紅葉が素敵な養老だが、春も当然ながらいい。
サクラだってそれ以外だって、養老公園だけではない。
ということで本日の目的は、養老の春の名物さがしとルート確認。

朝早いと木曽三川公園は静かで車も少なくてスイスイ通れる。
ところが養老山地が見えてくると山に白いものがべったりとついている。
どうみても雪で、ずっと春の陽気だったのに昨晩は冷え込んだらしい。

公園駐車場に来ると、山歩きの人と大きなカメラを持つ人ばかり。
サクラは葉桜で、緑がすけている。
準備して、出発。
滝上の駐車場兼登山届までが結構な歩きで準備運動も大変。

アセビ平への林道は5月まで工事で通行禁止だが、休日は通れた。
ふだんはダラダラと歩くことが多いが一念奮起して旧道をたどることにする。
緩やかだが距離がやたらと長い林道をやめて急な上りばかりの旧道を進む。
以前は踏み跡も怪しかったので避けていたが、それなりに歩けて気に入った。
途中で一部林道に合流するが、そこが工事区間でもあった。
ただ尾根伝いに踏み跡があり、最後の急斜面だけがきつい。
そこを越えると眼前にヤマザクラが現われ、これはよかった。

そこからの旧道はモミジ峠に抜ける道で趣のある道型。

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こんな道ばかりだと疲れも感じなくてすむのに。

モミジ峠で一服。
ここで振り返ると道型が2本見え、以前はよく悩まされたもの。
左の方が道らしいのに、正解は右という理不尽。

峠特有の狭い道をゆったり下っていく。
鞍部でもあるので暗い感じもする。
いつの間にかサラサラと水の流れる音がする。
道はその流れの左岸の少し上の方へいく。
すると左上部から落葉の帯がサラサラ川に流れ込む。

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ここが危険地帯。
少し幅のある落葉帯の渡渉は慎重にも気を付けて。
落葉の下にはしっかり水が流れているので踏み込むとドボンする。
ローファーの自分はここで土木工事に時間をかける、これ大事。

こんな危ない所や気を付ける所が多いのがここら辺の特徴。
笙が岳の山塊の南側は道も狭いし、落石が多い。
倒木を越えたり巻いたり、もぐったりもなかなか。
この木の芽吹きがとても春を感じさせる。

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周囲はこの木ばかりで、クロモジだそうで。
そして南尾根にぶつかると笙が岳への長い上りになる。
途中のある地点で道草に突入。

南尾根を越えてもダイラへは簡単ではない。
安心できるのは、きちんとした道型があること。
そこへの入り口を見つければいい。
ここまで来ればそれとなく入り口が見えるでしょう。

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これは逆算でモノを言ってるだけだけど。
反対側、ダイラからはこんな道がある。

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久しぶりに訪れた笙南ダイラの森や如何に。

春もまだ早いので独特のケモノ臭はない。
ところどころ、前日の氷雪で地面はジメジメ。
でも燦燦と陽光が差し込むので明るい。

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ぐるぐると歩き回る。
大きく開けた所から笙が岳を見る。

(最初の写真)こんな山姿、珍しいでしょう。

今回分かったこと。
この森の主木は各所に離れて立つ赤松だと。

それなりに満足して、笙が岳に向かう。
今度は逆に笙が岳からダイラを見下ろす。
崖っぷちに立つ黒松の樹下から冷や冷やのパチリ。

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あのぼんやり緑の樹木が赤松だろうな。
なんとか確信を得て、本日の課題は良し、と。
脚に疲れを覚えつつ、たらたらと下山、戻っていく。
あとは目的というより山を楽しむだけ。

笙が岳の道から見えた山腹の桃色の花、アカヤシオ。
モミジ峠まで戻ってきて少しだけ躊躇する。
笹原峠を経て小倉山までの稜線越えはかなりきつい道。
まあ先を急ぐ歩きでもない、たらたらでいい。

アセビ平でシュールなワークスペースを見る。
そののち、うんざりする階段の上り下り。
それらをやり過ごすと・826の西面に連なるアカヤシオ。

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前日まで満開だったが一部凍り付いて落下しているのは残念。
でも鈴鹿ではなく養老のここで花見できる仕合せ。
自分と同様、足取りの重い方々に何人も会う、同志よ。

なんとか小倉山まで行き、園地で休憩とする。
寒風が吹き抜けて、居心地はイマイチでも。
眼前の、笙が岳の全身を今一度、ガン見する。

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帰りは当然、三方山経由の下山道。
整備はとてもよくされているが、最後のジグザグ道は足にきつい。
這う這うの体で登山口に戻る。
駐車場までの観光地歩きも無口になる。

帰りの木曽三川公園周辺の道路の渋滞、混雑にはびっくり。
駐車場がキャパオーバーなのに入りたい車がずーっと並んでいた。
他人と同じことをする、のは大変なことだなあ。

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2023年4月 4日 (火)

山歩き:岩巣山、笑う山を見る

山歩き: 岩巣山、笑う山を見る

多治見に所要の帰り、瀬戸の岩巣山に寄る。
桜吹雪の舞う季節、山ではタムシバ、椿、山桜がそろい踏み。
枯葉が積もった寒色の景色が急に色彩を帯びて笑い出す。

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【山行日】2023年4月2日(日)    
【山 域】地元愛知:瀬戸市、岩巣山
【天 候】曇り
【形 態】周回 単族 軽装
【コース】岩屋堂公園駐車場、起点
P11:49--南西尾根--12:43岩巣山13:18--13:28元岩巣--
--展望台--岩屋堂--14:24P

「山羊と煙とある種類の人間?にだけしか用事のない」
「白い砂地に緑の松」の山、岩巣山。
かつて、岳洋社『愛知県の山』でそう紹介されていた。
『愛知の100山』でも東海自然歩道が通る道の近くにある山、と。

以前登りに来た時、どこが山頂で何が見どころかが判然としなかった。
岩巣山と元岩巣、この二つの山頂の位置づけが分からなかった。
そんなどうでもいいことでずっとこの山はピークハンターを悩ませてきたはず。
標高も最高地点もいまだにはっきりしていないのではないか。

岩屋堂そのものは瀬戸市の里山にある昔からの観光地。
ハイキングブームの今、この山も人気の山でよく歩かれている。
一般道に加え、南西尾根道で立派な周回路ができている。
30年ぶりに来て、そんなもやもやを解決すべく駐車地から入山。

地形図を見ると南西尾根道はとても理にかなった位置にある。
入山してすぐはとんでもない急な上り、ただそれは・・・。
中電の鉄塔巡視路なのできちんとプラ階段が付けられている。
それを利用して尾根に取り付き、その後は尾根に沿って進んでいく。
多少の起伏があったり、笹が覆いかぶさってくるのを分け入っていく。
踏み跡としては十分だが、季節によっては自然に負けるかもしれない。
嫌になるほど赤テープが付けられているのもそれを見越しているのか。
・422の手前は急な上りだが、次の巡視路に合流するとよい道になる。

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ほどなくして右にちょっとした展望地があり、元岩巣を見る。

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鉄塔が・499でその右の土の見える所が元岩巣。
背後は三国山と猿投山を結ぶ稜線。
これを見て地形図と比べても標高や最高地点は判然としない。

もう少し歩くと、岩巣山山頂に出る。
展望も何もない所だったのに、今は休憩地が出現!

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少しだが視界も開けて、十分に落ち着ける。
たまたま同じころに来た二人組と遠慮がちに話す。
みんな同じようなところを歩いているのだと納得。

休憩後は、東海自然歩道と元岩巣へ向かう。
・499の鉄塔はそれなりで何もなく、元岩巣へ移動。
こちらはこの山の人気スポットで先客も各所にいて、眺望もよい。

そしてこの山一番の観光地の展望台へ。

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眺めは元岩巣と似ている。
なるほど、山、笑う。

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その後は、大岩の巣の間を縫うように下る。
これがこの山の言われであり、特徴。

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岩の崩落防止のため、昨年「治山事業」が行われた。
太いワイヤーと止金具が縦横に張り巡らされるが果たして。
最後は岩屋堂に着く。

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大岩の下の岩室に、人が十数人は入れるのだが。
こんな写真の撮り方ではみすぼらしくて、悪い見本。

この山に先立つ3月の下旬。
猿投山で、ヤマザクラコースを歩く。

ご近所山でもあって、雰囲気も似ている。

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今年も無事これが見られて、一安心。

ところでこの日の主目的は多治見の現代陶芸美術館。
『超絶技巧、未来へ!明治工芸とそのDNA』
一本の木から彫り出された木彫りの精密さや精巧さに驚く。
スルメや蝶や鳥や花を、どこまで追求してもそれは偽物なのだ。

そのどこまでも精巧な偽物を作るために血道をあげる作者たち。
細密部品を接着すればいいのに、頑として同一木にこだわる。
そんなこと誰も分からないのに、自分をだますから嫌なのだそうな。

誰のための作品で、それを使う人ってどんな人なのか。

いやはや、見て驚き、考えるだにわからなくなるこの不思議。

そして、多治見から瀬戸への途上。
選挙ポスターや選挙用のノボリを見る。
例のあの話題の人、確かにアイドルだわ。
世の中、要は話題になったもん勝ちってことなのかな。
知らんけど。

 

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2023年3月27日 (月)

山歩き:御堂山から五井山

山歩き: 御堂山から五井山、海の見える山歩き

蒲郡は海と山に囲まれた町で有名な温泉のある観光地である。
山に上がれば眼下に市街地と港や三河湾と島々が眺められる。
近年は山歩き人気もあいまって、登山道もよく整備されている。

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【山行日】2023年3月19日(日)    
【山 域】地元愛知:蒲郡市、砥神山・御堂山・五井山
【天 候】晴れ
【形 態】一部往復の周回 単族 軽装
【コース】豊岡公園駐車場、起点
P11:24--11:35登山口--11:52砥神山西峰--東峰--12:41御堂山--
--13:11国坂峠--13:50五井山14:15--14:45国坂峠--分岐--15:45P

近場にはこの時季の陽だまりハイクに適した山は多い。
三ヶ根山、西尾茶臼山、遠望峰山、五井山、宮路山・・・。
低山なので単体で物足りない場合は、繋げて縦走すればいい。
起点となる駐車地をいくつか押さえておけばいつでも歩ける。

本日の起点は豊岡公園。
調整池ダムの下部に造成された親子連れに人気のスポットでもある。
難点は、人気がありすぎて満車になりやすいこと。
その場合は付近に空き地もあるので邪魔にならないように停めること。

周回縦走は、休憩地をどこにするかで左右回りを決めればよい。
一般的には低い所から最後に高い所をもってくる左回り。
ということで、出発。
まずは砥神山登山口を目指す。

ミカン畑の間に付けられた道なので、作業の邪魔にならないように。
階段は急こう配をとにかくまっすぐ登っていく。

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息が切れそうになるが、ひと踏ん張り、ふた踏ん張り・・・。
で、252mの砥神山の西峰に出る。
たいして上ってないのに、眺望は素晴らしい。

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海も丘も望めるが、手前の弘法山の東が気になった。

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今頃また、何を造成しようとしているのか。

次は、東峰へ。
砥神山は双耳峰で、少し離れただけで景色も微妙に異なる。
鞍部に戻り、次の御堂山を目指す。

この砥神山と御堂山を結ぶ稜線こそ緩やかで快適漫歩ルート。
途中、左の西側に夕日展望台があり、右の東側に潮見展望台がある。
いずれも街並みと海が見られる好展望地である。
夕日展望台からは、三ヶ根山の長い山塊が見られる。

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先へ進んでいくと歩道が平行に走るようになる。
左手には桜並木があり、もう満開で花見客がいた(19日だから早い)。

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こんなところで一服するのもいいなあ、と思いつつ断念。
まだ歩き始めなのでここで休むのはまずい、と堅い心が言う。
ゆったり進んでいくと、若いお姉さんのグループがピクニック気配。
なんとも後ろ髪をひかれつつ、御堂山の登山口に入る。

この山は信仰の山で石仏が階段に沿って鎮座している。
この階段上がりを敬遠(?)するように新たな道が開かれていた。
まあここは、クラシックルートで。

急な階段を上り終えると少し開けた御堂山の山頂展望地に着く。

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以前は他に比べて狭いように感じたが、視界はそれなりにある。
色んな角度から蒲郡の町と海を眺めるのはいいものだ。

山頂の城跡から西へは長い稜線歩きになる。
それなりに起伏もあり、よく歩かれていることがわかる。
以前は気が付かなかったが、所々に展望地が造ってある。

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そうか、眼下の池は駐車地のそれだから、ぐるりと周回してきたのか。

そのまま先へ進み、途中から左手へ下りれば軽い周回コースで終了。
それでもいいなと思いつつ、右上方の五井山を目指す、まだ遠い。
国坂峠への表示を見落とさないように注意する。

国坂峠の手前とその後で、獣除柵を通る。
五井山へは以前、車道がほとんどの道で上がったことがある。
今日もそれでは気が進まなかったのだが、なんと新道があった。
それがなかなかよい道で、無駄のないコース取りなので有難いこと。

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以前のより山頂へは近道で、気持ちよく到着。
標高が454mあり、この辺りでは一番高いのは伊達ではない。
街と海を見下ろす光景も、一番広くて豪華(最初の写真)。

山頂の広場はさらに整備され、なるほどと思わされた。
帰りは同じ道で戻り、国坂峠からどうしようか悩んだが。
車道よりも山越えの道の方が気分的に楽そうだった。

駐車地の池の上部からも当然のように、町と海の眺め。

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今日はずっとこの眺めを追求というか、溢れかえっていた。
地元だけでなく、他県からもここへ来る人が多いのにも納得だわ。

 

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2023年3月13日 (月)

山歩き:折平山で天狗様さがし

山歩き: 折平山で天狗様さがし

猿投山の北、天狗様が三体祀られている折平山(おりだいらやま)に登る。
その存在をHP「猿投山の達人」で知ってから幾星霜、何を今さらだが。
当時は無名で人気(ひとけ)もなかったのに今やネットユーザー御用達に。

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【山行日】2023年3月11日(土)    
【山 域】地元愛知:豊田市藤岡町、折平山、高根山
【天 候】薄晴れ、霞
【形 態】一部周回の往復 単族 軽装
【コース】八柱神社駐車場、起点
P10:54--林道--11:18登山口--11:46天狗探し12:31--12:50折平山13:00--
--13:23休憩13:53--14:09高根山--14:22林道--14:38登山口--14:55P

猿投山については何でも来いの出色のホームページ「猿投山の達人」。
そこで紹介されるまで全く知らなかった今回の山。
普通の地図帳にも、山を紹介するエリア本にも全く記載がない。
でも今や、YAMAPやヤマレコユーザーの間では人気の山らしい。

その魅力としては、岩がゴロゴロある山腹に天狗様が三体祀られていること。
標高が猿投山と60cmしか差のない結構立派な山体であること。
伝説では、かつて猿投山の神様と高さ比べをして大喧嘩したらしい。
そんなさもありなんの山に今まで近寄りもしなかった不明を恥じいる。

道の両側にいくつもの八柱神社の案内を見つつ北曾木町の八柱神社に来る。
車数台が停められる駐車場はほぼ先客で埋まっていた。
長い階段を上って舞台向こうの社でお参りしてから登山口へ向かう。
ここはしっかりと地形図を見て、右へ左へ林道を進んでいく。

舗装が途切れるあたりで町内会の人が道路沿いの掃除をされていた。
ありがとうございます。
たくさんの落葉がいくつかの盛山になっていた。
「今も山へ上っていった人がいたよ」

シダ類が道の両側を覆い、しっとりとした土の道を進んでいく。
川に沿っていた道が川から少し離れていくと、横断する車道に出る。
車道は舗装されたいい道だが、左側が通行止めになっていた。

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ここが、天狗岩(折平山)への登山口。
楽をしようと思えばここまで車で入れそうだが、そんな人はいない。

「天狗伝」を読んで、ふつうの登山道に入る。
少し勾配もついてきて、がしがしと上がっていく。
落葉が積もった道に陽があたり、蝶が飛び交っている。
なんか出来過ぎだけど、テングチョウが迎えてくれる(最初の写真)。
ルリタテハも見かけたが、こちらはすぐに飛び去ってしまった。

左側の沢に、不動滝の表示があり、寄る。
不動滝は狭い隙間にあるが、あたりは土砂崩れにあったようだ。
だからこそ、「不動」や「天狗」という言葉に願をかける?

右側のきつい道を上がっていくと、祠などの案内があり、向かう。
ちょっとした岩がごろごろとあり、祠は大岩の真下にあった。
その先へ進むと、どっしりとした岩に文字が刻まれている。

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読めないので、わかったような顔をして次へ。
順路があるのかないのか、とりあえず戻る。

二人組の、2組に出会う。
彼らは順調に天狗探しを履行している感じ。
こちらも余裕をかまして、今度は、展望台の案内に従う。
前方に立派な造形物を発見。

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ここからの眺めはお見事(写真は全てカット)。
猿投山を裏から見るなんて、いいじゃないか。
岐阜県側の眺めも新鮮だし、疎い地域が見られるのはいい。
説明文を読み、順路を求めてまた、戻る。
これが、ミスのはじまり。
戻って、次の表示を見ないまま、踏み跡を追うことに終始する。
別の道で上がっていくと、岩の上に天狗様を見る。
岩の裏側に回り込んで、天狗様の横へ。
ああ、これだ。
これが、ライバル猿投山をじっと見つめる天狗様壱号。

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じゃあ他のも探さねばと、やみくもに踏み跡をさぐる。
らしいものがあると、その奥へと入るが行き止まり。
同じところを3~4回通るという、ワンゲリングという道迷い!
で、強引に狭い所に入り込んで、烏天狗様に会う。

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残るはあと一つ。
上へ下へと何度も往復し、道案内は「折平山」になってる。
こりゃだめだ。
また、違う道で下へおりていく。
通ったような、記憶にない道も現れてますます幻惑。
すると、しっかりと天狗様の表示がある、天狗様弐号に。

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なんと、宝探しに才のない自分であることか。
それは、土地勘というか、地形図読みに不安を残すもの。
すっかり、不純な心を天狗様に読まれてしまった。

下ってきていたので、再び上へ戻って、折平山方面へ向かう。
ここからは、ますます普通の山歩き道。
やせ尾根に沿って道はぐんぐん進んでいく。
分岐表示もしっかりあって、天狗様周辺とはまるで異なる雰囲気。
ずんずん登っていくと、ニセピークがあり、すぐに本ピーク。

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上り勾配といい、ぐんぐん上がっていく様が立派な山なのだ。
眺望はほとんどないが、樹間からは開けている。
地形図では、東西南北に尾根があるが、直下は3つ。
西尾根は戸越峠を経て猿投山とつながっている。
踏み跡もしっかりしているので少し入ると、急降下になったので切り上げ。
ヤブ山ではなく、かなり歩かれている。

次は折平山の主稜線を北へ向かう。
いくつかの分岐には表示があり、踏み跡もしっかりあるので歩きやすい。
「めぐみの森キャンプ場」分岐で休憩。
今は閉鎖されているキャンプ場だが、その方面へも踏み跡はしっかり。
笹が道を覆うようになったのであきらめる。

分岐へ戻り、高根山をめざす。
高度は600m周辺で安定し、ちょっとしたヤセ場を過ぎる。
そこから目をやると、建築物を見る。
展望台らしきものがあるので、再び分岐からキャンプ場方面へ。
今度のも立派な展望台。

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しかし何ということでしょう、進入禁止。
これは、西尾の茶臼山の203展望台と同じような対応かも。

というか、キャンプ場の付帯設備的なものだったかも。
キャンプ場が閉鎖されたので、ここもいっしょに閉鎖。
なんかあっても誰も責任はとれないから、事故は自己責任。
展望台には上がれなかったが、足元からでも眺望はよかった。

高根山は稜線道の先にあり、特記事項はなし。
こちらにも地形図通りに踏み跡があり、下っていけば林道に出る。
最初の登山口に戻り、別の林道から駐車地に帰る。

ふもとで、往きに掃除されていた人に会う。
世間話の中で、町内の人で天狗様の世話をしていること。
ただ、折平山までは行ったことはない、とのこと。

ということで、自分の妄想結論。

天狗岩と折平山とは別々の存在だったが、最近の山登らーが勝手にくっつけた。
折平山付近の表示板はおそらく「めぐみの森キャンプ場」関係者によるもの。
両者が共存することで今日の栄光があり、それは当然の報いである、と。

自分はキツネにつままれたような歩き方をしたが、充実感はたっぷり。
他人のコースルートをしっかりなぞって歩くのは効率的だが、それで楽しい?
ふもとの人との世間話はよかったし、こんなものが畑にあってうらまやしい。

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2023年2月28日 (火)

山歩き:鳥川アルプス縦走で体力診断

山歩き:鳥川アルプス縦走で体力診断

鳥川ホタルの里を囲む尾根周回路を順番に従って縦走する。
昨年の4月、現状と5年前の体力を比較するために逆回りで実施。
ここはよく整備され歩き甲斐もあり、エスケイプルートも万全なので最適。

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【山行日】2023年2月26日(日)    
【山 域】西三河:岡崎市鳥川、京ヶ峯・音羽富士・額堂山・水晶山
【天 候】晴れ、寒風が吹く
【形 態】周回 単族 軽装  
【コース】小安堂橋付近の駐車地起点、反時計回り
P9:23--9:48愛宕山--9:59京ヶ峯--10:54ホド田山--11:20音羽富士--
--新古坂峠--巡礼の道--12:25分岐--12:54地蔵峠--13:04額堂山--
--13:41森ケ嶺--14:14水晶山14:25--小安堂峠--15:06P

鳥川ホタルの里の紹介マップでは、
「鳥川ホタルの里を囲む尾根周回路」には小安堂登山口から反時計回りに、
0番から191番までの番号札が、約100mおきに付けてある、という。
となるとこのコースは約19kmだが、ヤマレコなどでは約14~15kmらしい。
ちなみに累積標高は、それらのレポによると1400mほどらしい。
今の人はみんな、アプリやGPSを駆使してきちんとしたデータを入手している。
山歩きの計画も、実際の歩きとその記録も、数値に基づくのはとても重要なこと。
その時の自分の体力や実力に見合った計画でリスクや不安も少なくできる。

最近は、ホタル学校駐車場を起点とする「鳥川アルプス周回コース」がある。
喜桜山が加わり、「巡礼の道」の一部が省略されたもので一応、公式コース。
縦走中、一旦平地に下りて上がるのが増えるので尾根周回よりもきついかも。
YAMAPでは、距離15.6km、累積標高1457m、標準時間は約9時間と。

自分ごと、昨年の7月、濁河からの御嶽登山でへばってしまった。
御嶽では一番歩く時間の短いコースだったのに。
コロナ禍で、山歩きへの萎縮か、体力低下か、修行の少なさか。
古稀をすぎてもまだ歩きたい山やコースがあるので、もう少し粘りたい。

対策として、マンネリ歩きに新味のコースを必ず加えること。
慣れた山域だけでなく、未踏の山や地を目指すこと。
歩く距離も、少し先へと延ばすことで増やすようにしている。

はたして、現状の体力や如何に。
コースは昨年の逆だが、周回なので条件はほぼ同じはず。

朝は多少、遅出。
小安橋付近の駐車場には先客が4台ほど、姿は見えず。
ホタル学校駐車場には、かなりの台数があった。

あわてずゆったり準備して、登山口へ。
いきなりの急登で、少し上がると強い寒風に震え上がる。
歩けばすぐに温かくなると思いきや、そうならないほどの吹きっさらし。
ふだんはやったことのない、パーカーのフードをかぶって凌ぐ。

きつい上りがずっと続き、喘ぎ喘ぎで脈拍も一気に上がる。
昨年、最後の下りで膝や付け根が痛かったのは、この急坂のせいだった。
見晴台で思わず休憩、デジカメる。

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正面は喜桜山と額堂山が重なっているのだろうか。
左右の端に、とんがり三角がのぞいているのはどこか。
左は高野御前それとも森が嶺、右は観音山?

一気の上りはずっと続き、ゆるやかになると愛宕山。
すぐに次の京ヶ峯に向かう。
ゆるやかな稜線に乗っているので足は軽い。
京ヶ峯からの下りは焦らずにゆっくりと。
七曲峠から動物山は、自然林になって雰囲気がいい。
一か月前の京ヶ峯から京ヶ峰で歩いているのでペースも安定。
右手を見ても樹林で、あのゴルフ場はまったく見えない。
明るい元気山を過ぎ、昔山から下ってから「アセビの丘」に寄る。

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休憩にいい所で、コースから少し外れていたが整備された。
日向ぼっこができそうだけど、展望がないのが惜しい。

ホド田山で時間を確認する。
それなりに順調のような感じがする。
沢山から大きく下るのが残念で、音羽富士への上りはきつい。
足早に通り過ぎて古坂峠、新古坂峠から車道へ出る。
そして、巡礼の道に入る。
「公式ルート」だと、最後のこの部分が一番きついのではないか。

巡礼は修行にも通じ、植林の暗い道を指示に従い進むのみ。
三日月山の次の分岐で公式コースは最終の下りへと向かう。
ここからは巡礼の道と同様、整備が遅れた区間になる。
久田野峠からすぐ、新東名を眼下にする展望台。

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鳥川の外の眺望が広がる。

右の転落注意の隙間から、新東名、額堂山そして採石場。

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古くからの額堂山への道とも、峠越えとも思われる道。

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そして、ようやく地蔵峠。
公式コースでは、周回から外された区間。
額堂山の巻き道を流し見、えっちら上がって山頂へ。

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コースの半分以上は来ているが、はたして時間は。
アレまあ、順調のはずがそうでもない、か。
気を取り直して下りていく、その先でトラブル発生。
根っこで躓いたようで、ずるっと滑りバランスを崩す。
バタンと後ろに倒れるはずが、とっさに受け身を取っている。
この間スローモーション、痛い打撲は避けたのに筋をつる。
アホやん。
気のゆるみか、などの反省より、歩けるのか、の心配。
必死にストレッチほかでだましだまし。
最初からそうだが、無理をする必要はまるでない。

いつのまにか巡礼から天空の道に入っている。
森が嶺への上りもこの状態では少し応えるが、そろりと。
この道、というか樹林をなんといえばいいのか。

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ようやく森が嶺へ。
少しだけ外れているが、とても落ち着くところだ。
額堂山を手前に遠くの景色もいい。

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脚の筋をなだめつつ、ゆったりとした道を下っていく。
このなだらかな道と広がりはこの山の特長。

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ふっこし峠からは最後の上りといっていい「大代さくら尾根」。
鳥川では珍しく南側に視界が開け、暖かい尾根でもある。
あの場所をと目指すと、先客が。
双子の犬を連れた若い夫婦さんで、整っている。
邪魔をするわけにはいかん、高野御前山へ。
展望もなく狭くて寒い頂上はパスして水晶山へ。

行動食は取っているが休憩食を取りたい気分。
山頂の南側、日の当たる場所にぐたっと。
靴も脱いで寛いでいると、先ほどのお犬様たちが来る。
申し訳ない、よけて下され。

その後は、水晶山の緩やかな尾根のお陰でなんとか下っていく。
この周回コース、最初と最後の上り下りの斜度は要チェックだわ。
最後に、だれもがデジカメる展望地はパスできず(最初の写真)。

小安峠からふもとの畑地に下りる。
獣よけの電線が張りめぐされ、橋の工事もあって迂回して駐車地へ。
途中、アクシデントもあったが満足のいく歩きはできた。

目的の一つであった、体力診断は。
昨年とほとんど同じの約5時間40分ほど。

成長がない、進歩がない、という現状維持。
今さら、歩くペースは変えられないのだから、良しとしなければ。
とにかく、5~6時間は歩ける目途はついた。

閑話休題。

この日はちょうど、南井克己さんの引退日。
自分と年齢も同じで、かつて一度、お話したことがある。
彼は、今住んでいる町内の出身で、いわば郷土の英雄。
JRAの騎手として活躍され、引退後は調教師としても活躍された。
新聞のインタビューで
「幸せだもん 俺」

武豊騎手のコメントも
「優しいし面白いし、変わらないよね。
 定年といわれてもピンとこない。
 元気だし見た目も若い」

パンサラッサの快挙もすごいが、南井さんも偉いよ。

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2023年2月18日 (土)

山歩き:愛知こどもの国から三ヶ根山

山歩き:愛知こどもの国から三ヶ根山

蒲郡・幡豆・吉良は昔ながらの景勝地であり、観光地である。
それらの地と三河湾を眼下にする三ヶ根山に、初めて南面から上る。
同じく恵まれた立地の「愛知こどもの国」を登山口にし、活用を図る。
幡豆もんのkさんが歩いていた道はどこだろう、ひょっとして会えるか。

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【山行日】2023年2月17日(金)    
【山 域】西尾市東幡豆町、三ヶ根山
【天 候】晴れ時々薄曇り
【形 態】往復、一部周回 単族 軽装  
【コース】愛知こどもの国あさひが丘駐車場(¥500-)、起点
P10:35--園内遊歩道--11:33園境--11:43鹿川神社--鹿川尾根・林道--
--12:57三ヶ根山13:19--鹿川下山道--14:05神社--14:14園境--14:40P

有料のスカイラインが目立つ三ヶ根山には登山道がたくさんある。
多くは北面からで、一ノ瀬と大沢から、そして北東は深溝からがある。
西からの小野ケ谷や、南西から愛宕山を越えていく道もよく歩かれている。
東の形原温泉からも健在のようである。
南面には、鹿川(ししがわ)からの車道のち林道になる道がある。

三ヶ根山の山頂はなだらかで、東西にとても長い。
ロープウェイ跡地から同じぐらいの高度が旧三州園ホテル周辺まで続く。
その間、1.5kmぐらいはありそうだ。
だから三ヶ根山の南面には、顕著な尾根が4本ぐらいある。
スカイラインを形成する東西の2本、その内側に鹿川からの2本。

南面からの登山道は、鹿川からの道が一般的である。
ただそれではあまりに芸がなく面白みに欠けるので、尾根道を選ぶ。
ふもとの鹿川神社から山頂中心地へ上がる、東側の尾根を使う。

そこで問題は、安全に車を停められる駐車地である。
観光地はそういう点では便利なようで不便である。
思いついたのが、愛知こどもの国の駐車場を借りること。
残念ながら駐車場は無料ではなく、民営なので有料で五百円。

家族連れでにぎわう土日を避けて、平日に来る。
一般道から直結の道路を進んでいくと周回して駐車ゲートへ。
人も車も全く見かけない園内で、駐車場係員から
「グラウンドゴルフですか?」
「ここに車を停めて、三ヶ根山まで」
「そりゃあとても遠いよ、車で行った方がいいよ」

自分の思い込みの計画は、傍から見ればそういうこと。
いくら有料スカイラインといってもここの駐車料金より安い。
だだっ広い駐車場にたった一台の貸切状態で、準備する。

有名な「愛知こどもの国」だが、一度しか来ていない。
幼稚園の親子遠足の付添いでプラス2歳の妹と、園のバスで来ただけ。

園内マップをもらいに中央管理事務所へトボトボ歩いていく。
しかし広い。
自然の山が東と西にどっしり、それがあさひが丘とゆうひが丘。
歩く道からは、ふもとの集落や田畑の向こうに海が見える。
入手したウォーキングマップを参考に、高みを目指していく。
おっと、北面には三ヶ根山が見えた(はじめの写真)。

こどもの国のこちらも高いので、開けたいい景色だ。
山頂らしい特に高いところがないので凡庸ではある。

園内散策道は林の中の枯れ葉に埋もれた線路を脇に見る。
古墳があり、どんぐりがいっぱい落ちていて自然林がとにかく豊か。
暖地性の常緑樹が並木のように整列している。

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丘を越えて切れ目に出ると、芝生広場が広がる。

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このまま、こどもの国の散策でも充分楽しそうだが初心で。
ということで、もう少し高みを回ってから園外へ出る。
園内マップよりも、地形図が参考になる。
途中、北側に視界が開けたのでデジカメる。

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これが今の三ヶ根山のもう一つの特徴。
各所に採石場がある。
画面の右奥が目的地で、鉄塔の下の尾根を上がっていく。

園境から車道を渡り、鹿川集落と鹿川神社を目指す。

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神社の手前には鹿川公民館があり、掲示板を見ると
町内会の組織図があり、神社関係の役職が多い。
中心の村社の左右や奥にもいくつもの社が粛然とある。
当然のようにきれいに整えられていて、大切にされている。

それぞれの社に参り、失礼のないように遠巻きから尾根に入る。
尾根の末端はどこでもそうだが急で侵入を阻まれる感じ。
しばらくもがきつつ上がっていくと、微かな踏み跡があるようだ。
倒木が行く手をふさぐがこれも自然界では自然なこと。

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鉄塔があらわれるとそこからは程度のいいバリルートになる。
南面登山の、太陽を背に受けてジョン・デンバー気分になりかける。
このまま楽勝と思われたが、次の鉄塔までの区間限定だった。
中電さんの鉄塔巡視路は、監視員さんの仕事道ですから。

尾根芯を外さないように大きな起伏を二つほど越えていく。
赤ペンキを荒っぽく幹肌に塗りつけ、赤テープの指示もあるにはある。

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芯を外して少しトラバ気味に進むのは、乱暴者の仕業かも。

ほどなく鹿川からの登山道こと林道らしきに出る。
道幅はあるが、ふつうの車は無理をする必要あり。
ここから道は、地形図では大きくゆったり蛇行していく。
さすが直行型の赤ペンキ氏、道を避けてすぐに急崖に取り付いている。

赤ペンキ氏には閉口していたので、自分は素直に林道登山道へ。
ゆったりとしていてそれなりだが、確かに大回りしすぎている。
そこで次のヘアピンでは等高線も緩んだので赤ペンキ氏に従う。
向かうところは離れているが山頂稜線へはうんと近い。

最初は順調でニンマリ、なだらかで歩きやすい。
地形図にはない林道の跡があらわれて、うれしい気分。
それがにわかに瓶や大きなペットボトル、資材の残骸があらわれる。
すぐに白壁の大きくてきれいな建築物が見えてくる。
地形図の表示通りだが、繁茂した枯れ草が半端なく行く手を阻む。
侵入禁止の柵もあり、その傍らの樹林の込み方が激しい。
バランスを崩し、思わずつかんだ木の幹肌の痛いこと。

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以前、豊橋自然歩道へのヤブ尾根でこの幹にやられたことがある。
暖地性のウコギだったか、周囲にはこの木がいっぱい。
不覚にも2回ほどまた痛い思いをして這う這うの体で道路に出る。

この燦然と輝く大きくて立派な建物群はアイシンの三ヶ根保養所だった。
車も人も全然見かけなかったが、現役のようだ。
ここも使われていなかったら、三ヶ根山は廃墟建築物群遺跡になる。

 ⁂調べたら、残念ながら2019年8月1日で閉館していた。

少し移動して、休憩。

あらためて山頂のどこからでも素晴らしいその眺望に浸る。

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苦労して上ってきた南面の登山道を振り返る。
西浦半島を除けば、こどもの国と三ヶ根山は緑の山でつながっている。
両者を繋ぐ縦走コースは当然の道姿、なのに切り離された。
惜しいことだ。
恋い恋いベンチとかイルミネーションや幸福の鐘。
必死の発想の向けた先や落とし処が何かちがう。

帰りは素直に「鹿川下山道」と表示された林道・車道を歩く。
林道から沢伝いで三ヶ根観音に上がるいい道も見つけられた。
距離は長いがたったかたったか下っていく道。
途中、採石場のはたらく車や機械に目を瞠った。

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こどもの国に戻って、田土山を目指したが展望台でやめる。
探索は、また今度にしよう。
または三ヶ根山頂に車を停めて、こどもの国を往復するのもいい。

山歩きからは見捨てられたもったいない山、三ヶ根山。
あなたのセンスが試される、ってか。

 

 

 

 

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2023年2月 5日 (日)

山歩き:京ヶ峯から京ヶ峰

山歩き:京ケ峯から京ケ峰

京ケ峯は鳥川アルプスでは一番大きい山塊、中心的存在で標高441m。
京ケ峰は岡崎市と音羽町の境にある愛知の100山のひとつで標高は365m。
名前が似ていて近いので語呂合わせつながりから縦走コース(?)になっている。
地形図からは容易そうだがそれなりに変化もあり結構な充実感を得る。

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【山行日】2023年2月4日(土)    
【山 域】岡崎市、豊川市、音羽町
【天 候】曇り時々晴れ、ずっと木陰なので寒い
【形 態】往復一部周回 単族 軽装  
【コース】白髭八柱神社駐車地、 起点
P10:12--参道--10:42京ケ峯--周回コース--11:41ホド田山--13:16京ケ峰=
=京ヶ峰13:23--14:54ホド田山--バラ峠--車道--15:34神社P

こんなに楽しい「愛知の100山」が風媒社から出版されたのが1989年。
改訂版などを経て10年後の1999年には「愛知の130山」になる。
あつた勤労者山岳会の方々がそれぞれレポを分担している。
鳥川アルプスはその頃はまだ整備されていなかったので掲載されていない。

一方の京ヶ峰は、初版から西三河の山として紹介されている。
新東名のできる前で、東名高速道路から見える山とされていた。
注意して見ていても尾根の切れ端があるだけで山頂は不明瞭。
解説文には山頂からの展望はなく登山道も林道がほとんどという。
こんな魅力のない山をどうして載せたのか、という気持ちになったものだ。

これら京ヶ峯と京ヶ峰は直線距離で4kmほど離れているだけ。
ただ間にサン・ベルグラビアというゴルフ場がどっしりと存在している。
普通に考えれば山歩きの対象にもならないが、山にも多様性の時代。
鳥川集落を取り囲む目立たない山々が鳥川アルプスに変わったように、
そこから、ゴルフ場を取り囲む山々をつなげて歩く人が出てきてしまった。

「きょうがみね」繋がりでコースを考えると両山の間の縦走は必須で、
ともすると往復になり、出発点とゴールをどうするか、ということ。
またホド田山からゴルフ場周囲の尾根上の踏み跡がどんなものか。
そんなことを多少考えながら、多少なめた感じで取り組んだ。

結論から言うと、累積標高差も距離も結構あるなかなかのコースだった。

鳥川だとホタルの里の駐車場が普通だが今回は少し楽をして白髭神社Pに。
ほんの些細なことだが、当日山歩き後は本当にそうしてよかったと思った。
もう一つよかったことは、出発後すぐに鳥川の京ヶ峯に上がったこと。
当初の計画では、軽くホド田山に上がり、京ヶ峰を往復した後で京ヶ峯だった。
急な計画変更が思わぬ幸運を生んだ珍しい例、自分の場合だけだけど。

当日はこの時季のゆるい山歩き気分で、朝もゆったりと登山口へ。
神社駐車場には先客2台、すぐに1台来て自分のと4台。
鳥川の山歩きでは南部の中心としてそれなりに便利な場所のようだ。

Dsc09985

出発してすぐ神社横に京ヶ峯への登山口を見たのでそこに入る。
これは古くからの京ヶ峯への参道らしく、一気に上がっていくコース。

道の両脇にはセンリョウの赤と黄の実が上手に並んでいる。

Dsc09958

西尾茶臼山のある所と同じで、ここにも千両ロード。
標高差は本日一番の260mをガシガシと上がっていく。
歩き始めの元気な時で、寒さ対策に身体を温めるのにも調子いい。
合目表示も石と表示板であったが、どんどんこなしていく。
見覚えのある、樹林帯の暗くて広い山頂に出る。

Dsc09962

一応ここがスタートライン。
ここからはよく整備された鳥川アルプスの順路(反時計回り)に入る。
どんどん下る。
途中、明るい展望台が左に、そして右(平成の大崩れ)にある。
思い起こすとその後、こんな明るい展望台はほとんどなかった。
それなりに上がり下りが連続し、木陰でも明るい道を順調に進む。
元気山はいつも明るく、本当に名前通り。(最初の画像)

高所の昔山のち、明るいゆうびん峠付近を帰りの休憩場に、と思う。
そして上がってホド田山。
以前は京ケ峯・愛宕山方面が見えたのに今は眺望なし。
ここが今日は、往復コースの起点終点になる。

道は尾根沿いで明瞭、踏み跡はあるが当然、整備はされていない。
どんどん下っていく。
これはホド田山から見下ろした時から分かっていたこと。
一直線のようでそれなりに曲線を描く。
下草のない赤土の裸土。
白い丸いものがあるので何かと思えばゴルフボールだった。
そういえば、右手にゴルフ場があるはずだがはっきりとは見えない。
ぐるっと右手にカーブしていくと、ようやく舗装路と柵がある。
その後は薄い樹林帯の控えめな尾根道が続く。

ここで、初めて人に会う。
向こうの京ヶ峰からこちらの京ヶ峯に縦走している人だった。
少し苦笑しながら、それなりに経験している人のようだった。
赤やピンクテープもあるが、信用できるのは白テープだよ、と。

その後、地形図上では最も南にあたる地点で少し迷う。
鉄塔のある、カヤトの広がるところ。
ここで左手に下がっていく尾根に引き込まれる。
踏み跡があったのは、ふもとの赤坂台から人が入るのだろうか。

鉄塔下は展望も開け、日も当たって暖かい。

Dsc09967

ここならちょっとした休憩場にもよさそう。

しばらくして明瞭な鉄塔巡視路があり、それに従う。
道型もはっきりしていて、切通しのような道に出る。
地形図だとゴルフ場の道路のようだが、廃れた道だ。
踏み跡は、眼前の崖を必死によじ登っている。
ここは一服、右手ゴルフ場方面へ行くと左手に巻き道があった。
ここからはそれなりの尾根道がずっと続く。

Dsc09973

右手や左手の支尾根や太い尾根に踏む込みそうにもなる。
光はあって明るいが、眺望はほとんど開けない尾根歩き。
自分の現在地が地形図上ではわかりにくいので不安も増す。
これも、左ではなく右手に下がっていく。

Dsc09971

もっと進んでいるのかと思えば、まだまだ先がある。

これは以前、鳥川アルプスがまだ未完成の時と同じだ。
額堂山と音羽富士の間の尾根道が同様だった。
樹林の中で踏み跡がたくさんあり、方角が分かっても細かくは不明。
似たようなコブと尾根が入り組んで、現在地が特定できない。
2万5千図の等高線10mでは表せないものが多い。
それを補って想像する力が自分には足りない。
服部文祥さんが5万図のほうが全体がよく分かるというのは理解不能。

北から西へ左折しても雰囲気は同じ。
こちらの京ヶ峰はとにかく遠い。
上衣文からの登山道にぶつかると表示が一気に増える。
まるで景色の変わらない木陰の道を何度も上下する。
そしてようやく開けたところが見えた。
京ヶ峰山頂、365m。

Dsc09969

それなりに広い山頂だが、眺望がいいとは言えない。
ただここまで長くて苦労したので有難味のある山頂になった。
先へ少し進んだがそれ以上のものはなさそうなので引き返す。
先ほどの分岐からはずんずん上り、京ヶ峰より高い上へ。
そこには北西と北東から踏み跡が上がってきている。
最近はジモティーによる藪ルート開発が人気なのだろうか。
往復路の帰りなので記憶があるはずなのに、気を抜くと危ない。
こんなところも確かにあったような、という情けない既視感。
徐々に疲れが出てきて、しかも寒くなってくる。
休憩せずに歩いてきて、鉄塔のところで息抜きと思ったが、
もうその気力もなくなっていた。
だらだら歩きにホド田山への長い上りが加わる。

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わずか80mの標高差が思った以上にきつい。
なんとかたどり着いても先を急ぐだけ。
当初の計画ならここから山越えて京ヶ峯だったが、とてもとても。
思い描いていた休憩場のことは忘れ、最短でゴールへ向かう。
バラ峠へ下り、荒れた沢道から車道へ出る。
平坦な道だからなんとか駐車場まで歩けた感じ。

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鳥川の風景はいつも安らか。

 

 

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