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2015年1月11日 (日)

日記:刈谷日劇でショーン・ペン、こだわり続けること

日記:刈谷日劇でショーン・ペン、「こだわり」続けること

刈谷日劇で現在上映中のショーン・ペン関連の2作品。
ひとつは『イントゥ・ザ・ワイルド』で、ショーン・ペンが監督をしている。
もうひとつは、彼が主演している『きっとここが帰る場所』。
ともに公開された時には評判になっていた作品だ。
ひとつだけでも十分に重いので、ふたつ続けてみるとぐったりしてしまう。

『イントゥ~』をあらためて落ち着いてみると疑問がいくつも浮かぶ。
文明を嫌って自然の荒野に飛び込むにあたり、周到な準備をしている。
肉体労働が好きだし、だれよりもまじめに働き、一所懸命に取り組む。
自然の中でサバイバルする術もかなり身に着けていたようだ。
移動では浪費しないようにヒッチハイクだが、稼いだ金銭は燃やしている。
重要な食料も、過ごす期間を考えれば甘かったし、非常時に備えていない。
住むところにしても、自然志向なのに、安易すぎる。
あの場所が、車つながり(捨てた・拾った)で、その地形が似ていた因果。
ともあれヒッピー文化が疎まれ始め、バックパックは健在の時代ではあった。
で主題は、どうして主人公の彼が「荒野」を目指したのか。

もうひとつの『きっとここが帰る場所』は一変、さえない元ロッカーの話。
かって一世を風靡したロックスターが格好はそのままに隠居引きこもりに。
その彼を再び世間に引きずり出したのは、父危篤の知らせ。
ダブリンからアメリカへ飛行機嫌いの彼は船で行く、結果、死に目に会えず。
30年間親子の縁を切っていた父親は、死に際して彼に重要な伝言を残す。
親子の縁が切れていたのはお互いに思想・信条のこだわりがあるから。
長年父親を苦しめてきたであろう言い伝えに、彼は行動せざるをえなくなる。
そこには民族と人種の積年の恨みがあり、こだわりの生き方がある。
ずっと父親を受け入れられなかった彼が、父のこだわりの生き方に心を開いていく。
そこでようやく今の自分が見えてきて、重荷をおろす。

『イントゥ~』の彼は、ずっと両親というか父親が許せなかった。
大学を卒業するまでは親の言いつけを守ってきたが、卒業と同時に羽ばたく。
彼は世の中や社会のしくみを勉学だけではなく身を通して学んでいく。
その結果が2年間の放浪と労働生活の末の「荒野へ」。
何事もまじめに真剣に考えているが、要は父親への反発がすべてだ。
父親を許すことができない、というこだわりが彼の運命を決定付けた。

自分はといえば、父親とは昔からほとんど何も話したことはない。
親子で憎しみあっていたわけでも、押し付けがあったわけでもない。
でも進学や就職にあたっても何かを話した記憶はいっさいない。
父にもおそらく何かこだわりがあったはずだが、もちろん分からない。
両親は、子どもが社会人になって機が熟したと考え離婚した。
そして会うこともないまま何十年後、父親の死を聞かされたのだった。

映画『イントゥ・ザ・ワイルド』2007年/アメリカ/148分
【監督・脚本】ショーン・ペン
【出演】エミール・ハーシュ ハル・ホルブルック キャサリン・キーナー ウィリアム・ハート
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映画『きっとここが帰る場所』2011年/フランス/118分
【監督】バオロ・ソレンティーノ
【出演】ショーン・ペン イヴ・ヒューソン フランシス・マクドーマンド
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