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2016年4月19日 (火)

山歩き:表山から養老山

山歩き:表山から養老山

生まれた時からいつも見ていたふるさとの山、養老山。
孝行伝説で知られる養老ノ滝や養老公園は昔から観光地として有名だった。
ただそこは遠足や行楽の地であって、山として意識した事はなかった。
だいたい養老山地は舟を伏せたような山塊で、山がそれぞれ独立していないので特徴に乏しい。
ひとつひとつの山がキャラ立ちしている鈴鹿山脈との違いはあまりにも大きい。
山地を山名にした養老山(859m)もその頂を遠くから正しく指摘できる人はほとんどいないのでは。
また最高点の笙ケ岳(908m)は主脈から少し西に外れているのでこれまた見つけづらい。
そんな養老山だが昔から大垣の人は、目立つ三角形の山姿を見てそれが養老山だと思っていた。
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【山行日】2016年4月16日(土)    
【山 域】西美濃:養老山地
【天 候】晴れ
【形 態】周回 単族 軽装
【コース】養老ノ滝Pに至る林道の脇の駐車地、起点
表山登山口7:10--8:30表山8:46--9:09裏山--10:07笙ケ岳10:22--11:04もみじ峠--
--11:51笹原峠--12:20養老山--12:39小倉山13:01--笹原峠--13:14三方山--14:05P

遠くから養老山地を見ると目立つあの三角形の山はいったい何と言う山なのだろうか。
それを意識してからずっともっていた疑問は十年ほど前に山歩きして解決したはずだった。
でも時々車から養老山地を仰ぎ見ると、見る角度で対象は微妙に変化するので再び疑問。
あれは「表山」という名前だと知っても、笙ケ岳・養老山へ上ってみても納得できなかった。
山地の西側の上石津・一之瀬から林道を歩き、表山らしきところを歩き回っても同じく。
これは正面からきちんと表山を目指して上がっていくしかない。
そんな幼少から老年にいたる現在までずっと抱えてきたもやもやを晴らす山歩き。

参考資料はここ数年、養老山地を北から南へ縦走するトレランや健脚者のレポなど。
残雪が消え、桜の花見を微妙に避けるこの時期をねらうとはうまいものだ。
特に「ジオンと山歩記」さんのレポは、その三角形について詳しい解説付きである。
それにしても彼女の山歩きの回数は山に恨みであるかの如く驚異的だ、瞠目。

養老公園へ入るには3つの信号があるが表示が明確でわかりやすい。
表山登山口は養老ノ滝駐車場へむかう林道の途中にあり、近くの空き地に停める。
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山頂までは一直線に立ちあがる表山の東尾根をがしがし上がる。
多少の踏み後があり、それなりに歩く人がいるらしい。
傾斜がきついので楽をしようとそれなりにジグザグを切ることになる。
時に隣の尾根やふもとの集落が見えることはあるが、歩きに精一杯で余裕はない。
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もうそろそろ山頂かと思いきや、見慣れたカルンフェルトが現れる。
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そこから一層きつい上りになり、ようやく山頂(839m)。
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あたりを馬酔木ほか樹林に囲まれ展望はない、これは承知済み。
以前、来たと思っていたのは勘違いらしい、ここは初めての場所だ。
山頂は多少広く、高い部分を求めて南西方向に向かう。
かわいいドリーネがあり、詰めて少しおりると、樹幹越しに笙ケ岳が見えた。

戻って表山山頂からは、少し背伸びすると北西方面に、形のいい裏山らしき山が見えた。
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ここなのか、他なのか、三角形の山を求めて次は裏山へ向かう。

そのまま裏山を目指すのが確かだが、潅木が邪魔なので戻るようにして右から回り込む。
裏山はかなり大きな山塊で、そのどっしり壁を目指して標高で60m下り、100m上がる。
鞍部は源流部分でもあり、樹木に葉がないので明るく、雰囲気がいい。
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登りのきつい裏山だが、山頂に近づくにつれ展望がどんどん広がっていく。

山頂はちょっとした広場で、なんとか周囲を充分に見渡せる。
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山頂のむこうは上石津を下にはさんで霊仙方面。

北を見れば、養老山地の北部、行平山など、そして遠くに伊吹山。
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振り返れば大垣市というか濃尾平野で、ずっと遠くかすかに恵那山。
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少し右手、南に転じれば、すぐ表山があり、養老山地南部。
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もちろん南西にはこれから向かう笙ケ岳の東・中・西峰が。
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ただここも来たことはない、初めての場所だ。

ということは、北に見える広々とした場所のP845(行平山)と間違えたのか。

がっかりしつつ、もやもやは解決できずにそのまま少し風があるので先を急ぐ。

頂上から笙ケ岳を目指すのだが、ざっと見た感じ、吊り尾根は見えない。
あちらへ進むのは、ぐんぐんと深い谷へ降りて行く感じだが、それでいいのかどうか。
向かう方角だけ注意して下って行く。
右手下方に林道らしきものが来ている、これも承知済み。
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そちらへは下りずにできるだけ尾根芯を下るようにする。
なるほど林道は終点を迎え、徐々に低地というか鞍部状態になり、さらに下っていく。
ここで左右にある尾根の末端のどちらに進むか迷う。
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方角では右だが、左でも行けそうだし太い。
左をぐるり歩き回りして戻り、右をトラバース気味に進むとはっきりとした踏み後が現れた。
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これで今回のバリルートの不安は終了。

笙ケ岳への吊り尾根は右手が植林で左手が自然林という分かりやすいもの。
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ほとんど道なりに進み、高度を上げて行って振り返ると、行平山・裏山・表山が見える。
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それ以上に目立つのが、上石津側から上がってきている林道の線だ。
そうだった、養老山地は滝のある養老公園側では山だが、反対側は林道の走る土地なのだ。
この山地の最高峰、笙ケ岳にしても公園から上ると結構な距離だが、反対側には林道がある。
それを知ると白けてしまうが、自分の中ではこれも意識的に避けていたことだった。

とにかく上りつくと笙ケ岳の東峰で、鞍部を越え西に進んでいくと本峰に着いた。
そのまま西へ進めば西峰もあるのだが、途中でいやになって戻る。
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笙ケ岳山頂は昔来たときより少し開けていた。
ただ周囲の樹木が生長した分、展望が樹幹越しにしか見えなくなった。
住民といえば、チョウでありカタクリさん。
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それからここもそうだが、大洞谷まですべて笹原だったその笹がなくなっていた。
そうなると道はとっかかりを失い、開けっぴろげで、ざらざらと滑りやすい。
山腹を回っていくトラバ道も疲れた足には緊張を強いられる。
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途中、今日初めての登山者の三人組に会う。

アマゴ沢からもみじ峠へと沢沿いの道を詰めていく。
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落葉の堆積した道を注意して歩いていたのに、深さがわからず片足ドボン。

がっくりきたが、もみじ峠まで来ればもう一安心。

ここからはよく整備された立派なハイキングコースだ。
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特にここから養老山までは、稜線上を歩く素晴らしい縦走路になる。

じっくり味わいつつも段差のある階段に難儀しつつ、進んでいく。
あせび平というのが旧牧場跡になるのだろうか、場違いな広場。
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行き交うハイカーが増え、これぞ観光地としての面目躍如。
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遠くから見たときピンクに輝いていたのはアカヤシオだった。
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春の鈴鹿の風物詩をここで味わう事になるとは予想外の喜び。

また時折、樹幹越しに開ける展望が今日の歩きの達成感を満たす。
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そんなとてもいい道なのだが、ここのアップダウンは疲れた足にはきつい。
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この通りすがりのピーク、P826は結構、存在感があるのではないか。
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笹原峠に来る。

峠の鞍部が広く、奥にテント場のような広場が続いてなぜか期待感をもたせる。
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こんな所がいくつもあるのが養老山縦走路の特徴。
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開けた階段状の道を上がって行くと、養老山山頂園地の中心の小倉山(842m)。

ここが目的地でいいのになぜかもう少し先へ進む。
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道も何もかも、たいして変らないのにアップダウンをあとふたつほど。
途中にはこんな裏切りもあるというのに。
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山頂かと思って上るとその先にはなんと、林道がある(これぞ養老)。

そして下り道にがっかりしつつ表示を見ると、右手に養老山、と。
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上がっていくと養老山(859m)の一等三角点がある。
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それがあるだけで、展望もなにもない。
じゃあどうしてこんな何もないところに来たのか。

何もないからこそ、この頂に山地を代表する名前を付けたんでしょうね。
違う名前を付けていたら来る人も価値も半減していたのではないか。
と、ぐったりしつつ結論をみつけたので、たらたらと小倉山に戻る。

途中、同じような標高の開けた場所がある。
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ここは確かずっと以前、TV番組「レッツドンキホーテ」で山頂役として佇んでいたところ。

小倉山には今日も家族連れほかハイカーがいっぱい。

東屋やベンチがあり、少しやりすぎ観のある山頂でもあるが、そこは園地だから。
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ここで今日歩いてきた頂を振り返る。
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北を見ると、縦走路のP826のむこうに裏山と表山、左手に笙ケ岳(東・中・西峰)。

南を見ると、同じようなこぶの頂が四つぐらい、その中のひとつが養老山。
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小倉山で休憩後、笹原峠から三方山へと下りた。
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この展望のいい三方山(730m)だが、かつてはここが養老山を代表していた。

ここからの下りはなにしろきつくて急だ。
狭い道で踏み外すと大変。
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足と腰が悲鳴をあげ、嫌になる頃、沢に出る。
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もちろんこの沢の流れる先にあるのが有名な養老ノ滝。

昔、養老ノ滝の上は聖地なので足を踏み入れてはいけない場所だと言われたのに。
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両足と腰にどっしりしっかりと疲労を抱え、駐車地へと林道をくだる。
他人のレポを見ると、今日は15キロメートルぐらいの歩きだが、これはもう限界だ。
昔、この時期の遠足では今でいう花粉症から小児喘息の発作が出て強制送還されていた。
そんな虚弱体質は年齢を重ねても同じで、ぎっくり腰と高血圧でもなんとか歩いたものだ。

ところで最初の疑問の三角形の山の結論は。
表山であり、裏山がそれで、両者は重なって見えるときもある。
見る位置が変ると、行平山も裏山に重なり、笙ケ岳が表山や裏山に重なることもある。
養老山が三角形の山になることもあるが、それはコブのようなとても貧弱な三角形。

新たな課題としては、表山からもみじ峠に至るもうひとつの吊り尾根の道。
全長40kmにわたる養老山地縦走をするなら当然選ぶはずのヤブ漕ぎ道。
以前はその全縦走を目論んだこともあったが、若気の至りというか妄想だった。

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