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2016年10月

2016年10月28日 (金)

山歩き:秋の大川入山

山歩き:秋の大川入山

何度も訪れているのに、この山の紅葉の時季の姿は知らなかった。
今年の秋山へはすっかり出遅れているので平日でも天気次第で行く。
快晴に感謝しつつ、秋の好日を過ごす。
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【山行日】2016年10月26日(水)    
【山 域】南信州:大川入山、阿智村
【天 候】晴れのち曇り
【形 態】往復 単族 軽装
【コース】治部坂峠駐車場、起点
P--8:40登山口--9:25横岳--10:15最低鞍部--10:49山頂11:23--
--11:44最低鞍部--12:32横岳--13:04登山口--P

ネットに掲げられたレポにびっくり、そのきれいな写真にだまされてみよう。
情報過多とか情弱とか言われても、必要なそれがあれば問題はない。

平日の朝、知立や豊田の市街地を抜けるのは大変、皆お仕事で忙しいのだ。
足助を過ぎても大型車やたらたら車が多い、自分は遊びなんだから我慢がまん。
治部坂峠の立派な駐車場に先客は1台のみ、これは少しさびしい。

準備して、車道を五分ぐらい歩くと、登山口に到る。
快晴の秋空にうっすら黄葉の樹木がいい。
来る途中、朝日に温められた空気が方々でガス雲になっていた。
次第に切れるはずだが、その後に普通に雲になってはつまらない、急げ。

荒れた林道からふつうの登山道になり、橋を渡って尾根に取り付く。
この山の一番印象的な根っこの入り乱れた道になる。
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湿っているので滑らないように注意していく。

高度をあげると早くも両側は秋色になり、その登山道を上がっていく。
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ロープのかかった崩落箇所の巻き道からは右手遠くに大川入山がのぞまれる。
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のぼりがゆるやかになってくると、少し開けた広場の横岳に着く。
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ここまでが三分割の前半部分、落ち着いたカラマツの白秋の世界。

三分割の真ん中は長い尾根の稜線歩きで何度もアップダウンをくりかえす。
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十数個のコブというか小さなピークのある尾根歩き。

時々左右に展望が開け日光に照らされるが、樹木に覆われる時間もながい。
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歩きやすい道は、森の中の遊歩道という雰囲気。

カエデやツツジ系など黄紅葉とダケカンバの樹幹の白さと青空がいい。
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高度があまり上がらないまま、どんどん下がっていくと最低鞍部に来る。

少し右にねじれていくような、尾根のつなぎ目の不安定な部分。

でも樹幹越しの眼前に、今年の紅葉はこんなんだけどどうですか、と。
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残りの後半、ここからは斜度があがり、ひたすら我慢ののぼりになる。

少し我慢すると暗い樹林帯から開けた小広場に出る。
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太陽の光も十分で、秋色に鮮やかさが増すその開放感。
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さらに斜度があがると笹原があらわれ、ぐんと展望が広がる。
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山頂を見上げるよりも今日はこの眼前・眼下の笹原の向こうが気になる。
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これが大川入山の特徴ある黄紅葉か。

風に波打つ笹原に点在するポツンポツン。

こんな素敵な景色なら急な上りも気にならない。

見上げる山頂方面は青空を背景にすっきりとしている。
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山頂手前の低い潅木帯を回り込むように進むと山頂に着く。

先客はひとり。
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小広場の山頂には木製ベンチがいくつか置かれ、展望も良好で落ち着ける。
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ここなら靴を脱いでゆったり休憩できるというもんだ。

四人連れの方が到着する。

では、あららぎ方面に進んで恵那山ほかもう少し秋を楽しむことにしよう。

ここと標高が近いピークがいくつも並んでいてすぐにも行けそうな感じ。
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雰囲気もよさそうだが見るだけがいい、笹のヤブコギは大変なはず。

帰り、強い風にあおられた樹木や、反対側からの大川入というのはいい眺めだ。
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再び山頂に戻り、来た道をくだる。

今日はことのほかこの道の下りが気持ちがいい。
なんといっても雄大な景色がいい。
来て帰る道のコース、尾根がすべて見られる。
その先、治部坂峠とスキー場のむこうには蛇峠山ほかたくさん。
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最低鞍部を過ぎると稜線のアップダウンのくりかえし。

途中、若い4人連れとすれ違った、急がないと雲が出始めている。
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今日の登山者は10人ぐらい。

風は少し強くて寒かったが、汗もしっかりかいた。

秋の大川入山、今後もアリだな。
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2016年10月25日 (火)

山歩き:竜ヶ岳の秋羊とヤブオフ会

山歩き:竜ヶ岳の秋羊とヤブオフ会

シロヤシオという放牧羊は竜ヶ岳の春の定番だが、秋もなかなかとのこと。
藤原岳・御在所岳と並んで山ブームを支えるおしゃれな山なので近寄りがたい。
セキオノコバで開催のヤブコギネットオフ会に便乗しての欲張り山歩きとする。
図体が大きくて急峻な竜ヶ岳は見所も多いが楽には歩かせてくれなかった。
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【山行日】2016年10月23日(日)    
【山 域】鈴鹿北部:竜ヶ岳、静が岳
【天 候】曇り一時晴れ、風強し
【形 態】周回 単族 軽装
【コース】宇賀渓落合橋無料駐車場、起点
P--観光案内所7:59--ヨコ谷道--10:12竜ヶ岳10:19--10:30県境三叉路--
--10:55セキオノコバ13:46--14:09三叉路--遠足尾根新道--15:39案内所--P

ふだん気楽にひとりで歩いているから、いざオフ会となると準備で急に悩む事になる。
2時間というオフ会時間(昼食と歓談)なので装備(火器や寛ぐもの)が増える。
防寒着ほかあれもこれもとなって、ザックの大きさやパッキングもややこしくなる。
ふだんよりずっと重くて大きな装備になって再び悩み、全部ひっぱり出して考え込む。

竜ヶ岳はしばらく訪れていない山なので、コース他で記憶や資料をあさる。
なんか年齢だけはしっかり重ねても、慣れないことになると途端に狼狽する。

まずは駐車場、入山料200円をとるか駐車料金500円にするか。
それとも宇賀渓から遠く離れた地域からもぐりこむ(決して裏口入山ではない)か。
宇賀渓にしても隣の朝明渓谷も観光地だから仕方ないが駐車料金がどうも、だ。
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久しぶりということで妥協して、少し早朝に訪れることでなんとか駐車地は確保。
もたもた準備してのち、入山届ほかでさらに時間を使ってようやく出発。
登山計画や時刻・時間の記入を通してぎゅっと身が引き締められる感覚。
入山するや小市民で気が小さいから一気に規範意識の虜になってしまう。

最初はおしゃれな若い人たちの後を追うように観光地の舗装路をすたすた歩いていく。
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記憶にない新しい水場を過ぎ、トイレや遠足尾根新道登山口を見ていく。
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丸太橋を過ぎると旧来の登山道で、くねくね歩いて金山尾根登山道口も通り過ぎる。

固そうな岩やへつり道を上がったり下がったり、窯跡や滝を見ながら進む。
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この「中道」はなかなか変化に富んていて楽しい。

ヨコ谷に出合うと川原歩きと堰堤越えが交互に現れる。
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堰堤越えの鉄ハシゴが多くの利用者によって垂れてしまっているのがすごい。
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川原歩きに飽きたころ、急角度で右折し、尾根に取り付く。
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ここの標識は明白だが直進する踏跡があって、右折はもう少し先と勘違いしやすい。

間違えて進むと、土手のむこうに堰堤があらわれ、対岸の傾斜地に取り付いて往生する。

さて、正しい道に戻っても苦労が多い。
尾根への取り付き道は当然のことながら急なので足に来る。
ずっとなんとか歩いてきてここに来て一番きつい登りになるのだから、顎が上がる。

尾根(七つ頭?)に乗ると、ここの下りに対して注意書きがあり、通せんぼロープあり。
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広がりがあっていい雰囲気のところだが、危険と裏腹なんだろう。

ここら辺からは上がっていくごとに視界が広がっていくから気分的には楽になる。

樹林帯を抜けると眼前に、竜ヶ岳らしい景色があらわれる。
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この山のどこの登山道を上がってきてもそうなのだが、印象は異なる。

振り返ると、別の意味で雄大な景観があらわれる。
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疲れた足でゆるゆると開けた笹原の道を山頂方面へ上がっていく。
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うわぁ、冷たくて強い風に押し戻されそうになる。
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とても長居はできない。

逃げるように県境三叉路から静が岳方面へ降りていく。
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しかし、ところどころで足が止まる。

竜ヶ岳の秋の放牧羊が散らばっているような、群れてるような光景。
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ドローン持参者は強風なのであげるのを躊躇している(無事ヤマレコにアップされてた)。

県境三叉路付近で手を振る知人を見かけたが、あっという間に見えなくなった。
zippさんて、忍びのような風采だけでなく、歩きそのものもすたすたと速すぎる。
彼を早くに見失ったので、追尾フォーカスが狂い、間違えてこちらに来る。

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記憶ミスの勘違い、とてもセキオノコバの池ではない。

えんやこら辛い登りをしてようやく静が岳への分岐、そして手前の池。
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銚子岳への縦走路に入って左手に、やっとヤブコギネットオフ会会場を見る。

落忍さんがしっかり通る声で呼んでいる、ありがたいことだ。
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すでに十人以上の懐かしい顔ぶれの方々が寛いでいた。
その後も、レポやブログなどで見ているだけの人のなま実物にびっくりする。
ヤブコギの明日を背負っていく若い団体さんには湿った空気が華やぐ。

自分にとっては、このブログだけが社会に開かれた小さな窓で、
オフ会で他人に会って話すなどというのは、びっくり驚きの接点なのだ。
と書きながら、印象が薄いから後日再会しても忘れられているだろう。

復路は、距離は長いが足にはやさしい遠足尾根新道で帰る。

県境三叉路で、石くれ峠へ向かう梨丸隊・クロオさんたちと別れる。
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向かう先は開けた豪快な景色で、遠足尾根の雄大さが際立つ。
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この尾根に大日向手前から新道を設けることで登山道にできてよかった。

人工林の急な暗いところだが、勾配を上手につけて新道はできている。
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以前の遠足尾根道もなかなかよかったが、最後が急できつかった。

舗装路に出て、なんとか下山予定時刻に間に合うかたちで案内所に到着。
どこかで時間を気にする枠にはめられているような感じの山歩きになった。

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個人的には、秋色もなんとか感じられたし、人からの刺激もたくさんあった。
冬山の誘いはうれしかったが、ほとんどひとりでしか歩かないのでどうかな。
沢装備のようになりそうなので、そこは辛い。


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2016年10月16日 (日)

山歩き:秋の御池岳詣’16

山歩き:秋の御池岳詣’16

今年の高い山の紅葉は会いに行く前に、長雨と台風が持ち去っていた。
ならば近場の低山はどうか、ここ数年、どこも紅葉の時季は早まっている。
もれ聞こえるたよりでは、どうも今年はそうではないらしい。
小さい秋を求めて、快晴の空の下、今年も御池詣をする。
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【山行日】2016年10月15日(土)    
【山 域】鈴鹿北部:御池岳
【天 候】晴れ
【形 態】周回 単族 軽装
【コース】鞍掛峠東側駐車地、起点
P8:00--8:15コグルミ谷口--9:14カタクリ峠--9:35八合目--10:01丸山--
--散歩・定点観測・池めぐり--12:24鈴北岳--12:59鞍掛峠--13:13P

山歩き、最近は鈴鹿でさえ遠く感じて、出かけるのが億劫になっている。
近場の猿投山や西尾茶臼山のきまったコースを歩くだけでリアル充実。
以前は毎週のように通った鈴鹿だが、道とか装備とかすっかり忘れている。

土曜の朝は日曜に比べて車の量が多いのは覚えている。
前をふさぐようにゆっくりと進む大型車に溜息をつきつつなんとかいなべ市へ。
御池岳には大事な道路306号線、鞍掛峠トンネルが崩落で通行止め。
ということは、三重県側からの登山者には何の不便も不都合もない。
そうは問屋はおろしてくれず、駐車地が工事で閉鎖、狭くなっていた。
なんとか滑り込んで停め、コグルミ谷登山口を目指して下りて行く。
鞍掛峠~コグルミ谷間ならばどこに駐車してもいいわけだが、そのPがない。

コグルミ谷登山口は静かなもので、ほとんどの人が鞍掛峠からの往復のようだ。
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よく整備された急な道をずんずん上がっていく。

むきだしの石灰岩が枯れ山水の谷をつくっている。
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タテ谷分岐を過ぎると朝の光が深緑の樹木を照らし出す。
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五合目を過ぎると登山道はジグザグにきざまれる。
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これがつい2年前に整備されたとは思えないほど風格を備えてきている。

かさこそ動くのは何?
そっと出てきて愛嬌をふりまいて、カメラを構えるとすっと木陰に隠れてしまう。
ここはもう彼らシマリスの侵略地なんだろうか。
イガ栗だってごろごろ落ちていたんだから、忙しくて仕方ないらしい。
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六合目のカタクリ峠から緩やかな尾根道になり、七合目・八合目。
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秋の黄紅葉はほとんど見られないけど、落葉がかさこそ静かに鳴っている。

ここを歩いているだけで、御池岳に来たんだとしみじみ思える。
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苔が生い茂る谷道を過ぎ、分岐を丸山に向けて進む。
このところの晴天続きで道は乾いていて歩きやすい。

汗もしっかり出てきた頃、右手に明るく開けた山頂が見えてきた。
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御池岳の最高点丸山は岩が積もっただけのところだが、なぜか今日は静かだ。
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ここら辺では昨年、滋賀県の人たちが樹木に鹿避けのネットを巻きつけていた。
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それは依然、健在で、効果も上がっているのだろう。

奥の平を目指す。
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こちらでは網柵で広い面積の貴重な植物を護っているのだが。
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内側と外側で違いがあればいいのかな。
これが良しとなってその内、柵の面積が動物園や植物園のようになったりして。

名所、ボタンブチと天狗の鼻には人が見え、そのむこうに天狗堂が鎮座する図。
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奥の平のオオイタヤメイゲツは来るたびに小さくなっていくような気がする。
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奥の平南峰でしばし休息。
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ここは場所としてはいいが、座ってゆったり寛げる丸い岩石がないのが惜しい。

シダ類の繁茂する草原をぐるっと回り込むように進んで、マユミ池で定点観測。
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えっ、マユミの実がない!

実のなる木の表と裏年ってこんなにはっきりしているのか。

次は幸助の池へ。
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当然ここも紅葉にはまだだが、なんかこのまま終わってしまいそうで。

太陽の光を上手にためこんで、池の鏡は感じがいい。

崖側から回っていくと、ボタンブチが眼前に見える。
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反対側(ボタンブチ側)から先ほどいた場所を見ると、少し秋を感じる。
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人が少ないし、落ち着けるので今日はここで休憩する。

手ぬぐいを乾かし、靴を脱いで靴下も乾かす。
この時季、こんなに静かな御池岳もめずらしい。
ここから見る丁字尾根は決して丁の形には見えないし、ましてTではないけど。
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休憩後は天狗の鼻へ。
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ここらへんは御池岳の名所として訪れる人が本当に多い。
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天狗の鼻は亀の頭とかサイの角のようにも見えるとか。
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ここからは丸山へ戻らず、テーブルランドの西側を通っていく。

風池へ。
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まわりのシダ類の繁茂が強いので少し残念。

同じようなコースを歩く方が前方にいる、これも御池らしいというか。

途中からどんどん方角が離れていったからこれまたお互い様でいい。
今自分はどこら辺にいるのか、それだけ抑えながら散歩を続ける。
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こんな所からこんな景色が見られるのか、とか。
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それらしい場所にはかならず池がある。
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かつて一面笹原に覆われたなかに隠れた池探しをした方がいた。
それこそ池を定点観測し、場所を特定し、特徴から池に名前をつけた。
それによると、これは南池らしい。
なんか特徴も愛着もわかないような命名に思えてならないけど。

そのまま雨のときは小川になり流れていく先に、真の池があった。
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ここは登山道沿いにあるから誰もが見ている池だけど。

そのまま道を横断し、県境稜線を目指して小さな丘のような尾根にのっかる。
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これはこれであらたな景色を見せてくれる。

そのまま県境に出て右折し、稜線を戻り、少し開けた場所を散歩する。

同じような事をやっている人がままいるようで、どこにもその痕跡があるのも面白い。

途中、開けたところからよく通る場所が見えて、ふたたび違う景色を楽しむ。
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そんな散歩のあとは鈴北岳へ向かい、おとなしく鞍掛尾根で帰ることにする。

鈴北岳からは360度の展望が広がり、あらためて景色を楽しんでいく。

皆さん、風当たりを避けて思い思いの場所で寛いでいるようで。
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霊仙山って悩みが多いのか、見事なはげっぷりだな。
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秋の好日、名残惜しいが明るい尾根稜線をどんどん下っていく。
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鞍掛峠までくるとほっとするが、ここからの下りこそ本日一番の難所。

ずるずるっと滑りやすい狭い道を慎重に下りて行く。
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ここは一旦すべったら、そのまま脇に落ちたら、それこそ大変な事故だから。

なんとか無事、登山口へ、そして駐車地へもどる。
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お決まりのコースに少しぶらぶら散歩を入れて、秋の御池詣の楽しいこと。

来年も普通にできるといいな。

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2016年10月 9日 (日)

山歩き:権現づるねを歩く

山歩き:権現づるねを歩く

昔あのウェストンは木曽谷上松から木曽駒に上り、権現づるねで伊那谷に下りた。
登山道の整備された今、その軌跡を辿るには距離と時間、置き車など難題が多い。
せめてその気分だけでも味わうべく権現づるね(尾根)を往復する。
久しぶりの遠出とその長い歩きに筋肉は悲鳴をあげ、体力不足を痛感する。
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【山行日】2016年10月7日(金)    
【山 域】木曽山脈、権現山、権現づるね、将棊乃頭
【天 候】晴れ時々曇り
【形 態】往復 単族 軽装
【コース】伊那スキーリゾートトップの権現山登山口の駐車地起点
登山口6:01--7:25権現山--8:40五合目(辻山)8:51--八丁立--10:00勇次郎峠ノ頭--
--11:12将棊乃頭--11:29西駒山荘11:59--12:10将棊乃頭--13:37五合目--
--14:29権現山14:39--15:32登山口

観光地図では五合目以後、八丁立、勇次郎峠ノ頭、長尾根ノ頭などの記載がある。
五合目の標示以外、現地ではそれらしい標示を見つけることはできなかった。

紅葉の山を歩きたいと思いつつ、長雨にひるんでいたら、季節は過ぎていた。
身近な知人のレポやヤマレコを参考にするが、コース自体は難しくなさそう。
ようやく訪れた好天気らしい貴重な日に重い腰をあげて出向く。

中央道駒ヶ根ICを出てからも道は分かりやすく目印は伊那スキーリゾートの看板。
まだ暗かったので交差点角のコンビニで買出しをし、朝食で時間をつぶす。
空に明るみが出てきたので、スキー場横の急勾配の林道を上がっていく。
簡易舗装されてはいるが、途中ぬかるみでタイヤが空転してあせる。
舗装が終わり、すぐに林道が二手に分かれるところが駐車地らしい。
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スキー場のトップは開けていて、眺めはいい。
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権現山登山口はそのすぐ上部にあり、登山届はそこで書く。
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まだ暗くて湿っぽい道をとにかく上がっていく。

先は長い、あわてず息切れをしないペースを心がけていく。
「木曽路をめぐる旅(木曽観光連盟)」のパンフには木曽駒登山マップが紹介されている。
上松A・Bや木曽福島A・Bとともに権現づるねがあり、上り4時間だそうな。
上松コースが7時間以上なので、ちょっと眉唾ものの記載かもしれない。
一応、将棊乃頭までを5時間とみて、最大でも5時間半、11時半を折り返しにする。

地元の小学校が遠足に使用している道はよく整備されている。
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土俵跡という山の中ではめずらしい広場をすぎると、尾根道に変わる。

勾配はきつくはないがやさしくもない、という正当な山道。
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急なところにはロープも設置されているが、これは滑り止めの下り専用。

ウェストンが使った常輪寺からの道をあわせ、しばらく上っていくとようやく開けたところに出た。

真っ先に目にはいってくるのが山腹に枝を広げた岳樺の大木。
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そして地元西春近北小学校の登頂記念板の数々。
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天気予報はよかったのにここまではガスが立ちこめ、湿っぽいままである。

ウェストンの来訪を示す標示もある。
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権現山三角点は、裏側の大岩のもとにあった。
標高1749.3mで、「伊那よくみえる」とは御上手、地元の大切な山なのだ。

ここから権現づるねの尾根道に入る。
歩く人はおそらく非常に少ないが、整備された道跡ははっきりとしている。
勾配もゆるいので普通にたんたんと歩いていく。
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ところがそれは長くは続かなかった。

何よりも蜘蛛の巣が随所に張っている事。
それを避けるために細くて長い枯れ枝を拾って振り回しながら進む。
笹がしっかりと繁茂して道を覆っている。
笹の葉には残念ながら露がいっぱいついていて、それが容赦なくふりかかる。
えいままよと枝を振り回していくが、もわっとかべちょっと顔にまとわりつく嫌な感覚。

ふだんヤブ道などは通ることがないからこんな情況に気分はどんどん萎えていく。
ずっとこれが続くようなら、いい加減なところで切り上げようと弱気がのぞく。

板谷の頭をすぎて左折していくと笹原は弱くなり、尾根も広がり明るくなる。
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樹幹越しに木曽駒の主稜線が、うっすらと遠くに見えるようになる。

左手を見れば、すきまから伊那谷を覆う雲海のむこうに赤石山脈も見えている。
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ほどなくして五合目(辻山)に着く。
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これは木曽駒登山の五合目で、このすぐ先で道は(辻を)直角に右折する。

ここでは左、東側が切り開かれ展望が広がる。
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ずっと樹林帯と笹原の歩きだったので、こんな普通の展望地がとてもありがたい。

ここからはいったん緩やかに下っていく。

それまでとは少し様相が変わり、広い森のなかを歩いていくような感じ。
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ヌタ場があらわれ、倒木を苔が覆う。

二重にも三重にもみえる山稜、線状凹地をゆるやかに上がっていく。

そして壁のような斜面(たぶんこれが八丁立)があらわれると一気に急登になる。

ジグを切る道は強引に進むが、よくみると丸太で階段が作ってあったりする。
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利用者が少なくて、こんなので道かと思うが、地元の人が手を入れているのである。

下りでは時々踏み跡を外しそうになったが、きちんと道に戻らないと厄介である。
人の手(足)の入った道は、ヤブ道とは全然違うということを痛感する。

壁の急登がようやく終わり、ゆるやかになるともふもふの苔道があらわれる。
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高い山にはどこにでもある道だが、これはこれで貴重な場所だと思う。

じりじりとふたたび坂が急になってくると樹林相が代わり、這松があらわれるようになる。
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それはすぐに森林限界になり、背伸びすると木曽駒の見事な稜線が見えた。
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伊那前岳から宝剣・中岳へと続く山並み。

もちろん向かう方向には将棊乃頭も見えてきた。

時間は予定以上にたくさんかかり、長くて苦しいのぼりだったのでほっとする。
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タイムリミットの5時間半には少しだけでも余裕がありそう、まだ救いはある。

観測機器の置かれたここが将棊乃頭。
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伊那谷の平地がぐわんと広がり、しっかり見下ろせる。
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高い山に登れば当たり前のように見ていた景色だが、今日はそれがとても新鮮だ。

振り返り、木曽駒方面は見慣れた景観とはいえ、迫力がある。
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将棊乃頭山は指呼の距離で、窪地には西駒山荘がしっかりと建っている。

桂木場からの道もはっきり見えるが、あれは縞枯れ?
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尾根のそれぞれの頭には白い花崗岩の岩が鎮座、この山脈の特徴。
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とりあえず、西駒山荘まで降りることにする。
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今日、初めて人の姿を見る。

そしてそこでタイムリミットの11時半になる、行動は終了。

できればここから木曽駒とか、濃が池とか、オプションが付けられたらよかった。
はかなくもそんな妄想は木っ端微塵に砕かれた。
時間に余裕があったとしても、せめて将棊乃頭山まで、だろうな。
狭まっていくだけだが、自分の体力の限界というのを自覚しないと。

前々回の2013年に来たとき、建て替え中だった西駒山荘。
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美しい建物で、内装の豪華さには目を瞠らされる。
従前の石室は文化財になっていた。
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ここで昼食とする。

風のあたらないところを選ぶ。
稜線はすっかり涼しさをこえた秋の風が吹いていた。
ぱらぱらと人が通り過ぎ、休憩していく。

帰りはピストンなので気は楽だ、長い距離なのが心配。
4時間あれば、すなわち明るいうちの16時前には戻れそう。
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まずは花崗岩の鎮座するポコポコヘッドに上がり、しばしの稜線漫歩。
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名残惜しいがすぐに這松帯に沈む。
どすんと鈍い痛みが走る。
這松に隠れた太い枝のアックスボンバーを食らう。

注意散漫は危険、要注意で。

上り返しがほとんどないのでずんずんとあわてずに気をつけて下っていく。
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八丁立の下りは特に慎重に下りる。
前述のように、踏み跡を時々見失う。
おかしいな、と思ったら横着はせず、すぐに戻って道に復帰することを心がける。
きつい下り坂なので踏ん張る事が多く、少しずつ足の筋肉がぶれるようになる。
いたわり、だましだまし、ストレッチを入れて進んでいく。

こんな時は少しの上り返しがとてもありがたい。

五合目で休憩を入れる。
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ここからはなだらかなのでがまんしやすいが、笹原は足元が見えないので厄介。

板谷の頭から権現山までが本当にとても長くていやになる。

権現山で休憩。

ここまで来れば先はよめる、休んでさいごに備えよう。
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ここの象徴の大木、岳樺への日当たりが変わってさらに神々しい。

ここはやっぱり、いい。

ただし、ここからの下りはきつかった。
しっかりとくたばった自分の足の筋肉は、この急坂に悲鳴をあげ続けていた。
最後はロボット歩きでようやく登山口(下山口)に着いたのだ。

駐車地(スキー場ヒルトップ)からの景観も秋を感じさせ、そこに充実感が加わった。
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山上の紅葉こそとっくに終わっていて空振りだったが、しっかり歩けてよし、と。


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