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2016年10月 9日 (日)

山歩き:権現づるねを歩く

山歩き:権現づるねを歩く

昔あのウェストンは木曽谷上松から木曽駒に上り、権現づるねで伊那谷に下りた。
登山道の整備された今、その軌跡を辿るには距離と時間、置き車など難題が多い。
せめてその気分だけでも味わうべく権現づるね(尾根)を往復する。
久しぶりの遠出とその長い歩きに筋肉は悲鳴をあげ、体力不足を痛感する。
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【山行日】2016年10月7日(金)    
【山 域】木曽山脈、権現山、権現づるね、将棊乃頭
【天 候】晴れ時々曇り
【形 態】往復 単族 軽装
【コース】伊那スキーリゾートトップの権現山登山口の駐車地起点
登山口6:01--7:25権現山--8:40五合目(辻山)8:51--八丁立--10:00勇次郎峠ノ頭--
--11:12将棊乃頭--11:29西駒山荘11:59--12:10将棊乃頭--13:37五合目--
--14:29権現山14:39--15:32登山口

観光地図では五合目以後、八丁立、勇次郎峠ノ頭、長尾根ノ頭などの記載がある。
五合目の標示以外、現地ではそれらしい標示を見つけることはできなかった。

紅葉の山を歩きたいと思いつつ、長雨にひるんでいたら、季節は過ぎていた。
身近な知人のレポやヤマレコを参考にするが、コース自体は難しくなさそう。
ようやく訪れた好天気らしい貴重な日に重い腰をあげて出向く。

中央道駒ヶ根ICを出てからも道は分かりやすく目印は伊那スキーリゾートの看板。
まだ暗かったので交差点角のコンビニで買出しをし、朝食で時間をつぶす。
空に明るみが出てきたので、スキー場横の急勾配の林道を上がっていく。
簡易舗装されてはいるが、途中ぬかるみでタイヤが空転してあせる。
舗装が終わり、すぐに林道が二手に分かれるところが駐車地らしい。
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スキー場のトップは開けていて、眺めはいい。
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権現山登山口はそのすぐ上部にあり、登山届はそこで書く。
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まだ暗くて湿っぽい道をとにかく上がっていく。

先は長い、あわてず息切れをしないペースを心がけていく。
「木曽路をめぐる旅(木曽観光連盟)」のパンフには木曽駒登山マップが紹介されている。
上松A・Bや木曽福島A・Bとともに権現づるねがあり、上り4時間だそうな。
上松コースが7時間以上なので、ちょっと眉唾ものの記載かもしれない。
一応、将棊乃頭までを5時間とみて、最大でも5時間半、11時半を折り返しにする。

地元の小学校が遠足に使用している道はよく整備されている。
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土俵跡という山の中ではめずらしい広場をすぎると、尾根道に変わる。

勾配はきつくはないがやさしくもない、という正当な山道。
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急なところにはロープも設置されているが、これは滑り止めの下り専用。

ウェストンが使った常輪寺からの道をあわせ、しばらく上っていくとようやく開けたところに出た。

真っ先に目にはいってくるのが山腹に枝を広げた岳樺の大木。
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そして地元西春近北小学校の登頂記念板の数々。
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天気予報はよかったのにここまではガスが立ちこめ、湿っぽいままである。

ウェストンの来訪を示す標示もある。
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権現山三角点は、裏側の大岩のもとにあった。
標高1749.3mで、「伊那よくみえる」とは御上手、地元の大切な山なのだ。

ここから権現づるねの尾根道に入る。
歩く人はおそらく非常に少ないが、整備された道跡ははっきりとしている。
勾配もゆるいので普通にたんたんと歩いていく。
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ところがそれは長くは続かなかった。

何よりも蜘蛛の巣が随所に張っている事。
それを避けるために細くて長い枯れ枝を拾って振り回しながら進む。
笹がしっかりと繁茂して道を覆っている。
笹の葉には残念ながら露がいっぱいついていて、それが容赦なくふりかかる。
えいままよと枝を振り回していくが、もわっとかべちょっと顔にまとわりつく嫌な感覚。

ふだんヤブ道などは通ることがないからこんな情況に気分はどんどん萎えていく。
ずっとこれが続くようなら、いい加減なところで切り上げようと弱気がのぞく。

板谷の頭をすぎて左折していくと笹原は弱くなり、尾根も広がり明るくなる。
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樹幹越しに木曽駒の主稜線が、うっすらと遠くに見えるようになる。

左手を見れば、すきまから伊那谷を覆う雲海のむこうに赤石山脈も見えている。
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ほどなくして五合目(辻山)に着く。
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これは木曽駒登山の五合目で、このすぐ先で道は(辻を)直角に右折する。

ここでは左、東側が切り開かれ展望が広がる。
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ずっと樹林帯と笹原の歩きだったので、こんな普通の展望地がとてもありがたい。

ここからはいったん緩やかに下っていく。

それまでとは少し様相が変わり、広い森のなかを歩いていくような感じ。
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ヌタ場があらわれ、倒木を苔が覆う。

二重にも三重にもみえる山稜、線状凹地をゆるやかに上がっていく。

そして壁のような斜面(たぶんこれが八丁立)があらわれると一気に急登になる。

ジグを切る道は強引に進むが、よくみると丸太で階段が作ってあったりする。
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利用者が少なくて、こんなので道かと思うが、地元の人が手を入れているのである。

下りでは時々踏み跡を外しそうになったが、きちんと道に戻らないと厄介である。
人の手(足)の入った道は、ヤブ道とは全然違うということを痛感する。

壁の急登がようやく終わり、ゆるやかになるともふもふの苔道があらわれる。
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高い山にはどこにでもある道だが、これはこれで貴重な場所だと思う。

じりじりとふたたび坂が急になってくると樹林相が代わり、這松があらわれるようになる。
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それはすぐに森林限界になり、背伸びすると木曽駒の見事な稜線が見えた。
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伊那前岳から宝剣・中岳へと続く山並み。

もちろん向かう方向には将棊乃頭も見えてきた。

時間は予定以上にたくさんかかり、長くて苦しいのぼりだったのでほっとする。
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タイムリミットの5時間半には少しだけでも余裕がありそう、まだ救いはある。

観測機器の置かれたここが将棊乃頭。
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伊那谷の平地がぐわんと広がり、しっかり見下ろせる。
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高い山に登れば当たり前のように見ていた景色だが、今日はそれがとても新鮮だ。

振り返り、木曽駒方面は見慣れた景観とはいえ、迫力がある。
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将棊乃頭山は指呼の距離で、窪地には西駒山荘がしっかりと建っている。

桂木場からの道もはっきり見えるが、あれは縞枯れ?
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尾根のそれぞれの頭には白い花崗岩の岩が鎮座、この山脈の特徴。
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とりあえず、西駒山荘まで降りることにする。
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今日、初めて人の姿を見る。

そしてそこでタイムリミットの11時半になる、行動は終了。

できればここから木曽駒とか、濃が池とか、オプションが付けられたらよかった。
はかなくもそんな妄想は木っ端微塵に砕かれた。
時間に余裕があったとしても、せめて将棊乃頭山まで、だろうな。
狭まっていくだけだが、自分の体力の限界というのを自覚しないと。

前々回の2013年に来たとき、建て替え中だった西駒山荘。
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美しい建物で、内装の豪華さには目を瞠らされる。
従前の石室は文化財になっていた。
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ここで昼食とする。

風のあたらないところを選ぶ。
稜線はすっかり涼しさをこえた秋の風が吹いていた。
ぱらぱらと人が通り過ぎ、休憩していく。

帰りはピストンなので気は楽だ、長い距離なのが心配。
4時間あれば、すなわち明るいうちの16時前には戻れそう。
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まずは花崗岩の鎮座するポコポコヘッドに上がり、しばしの稜線漫歩。
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名残惜しいがすぐに這松帯に沈む。
どすんと鈍い痛みが走る。
這松に隠れた太い枝のアックスボンバーを食らう。

注意散漫は危険、要注意で。

上り返しがほとんどないのでずんずんとあわてずに気をつけて下っていく。
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八丁立の下りは特に慎重に下りる。
前述のように、踏み跡を時々見失う。
おかしいな、と思ったら横着はせず、すぐに戻って道に復帰することを心がける。
きつい下り坂なので踏ん張る事が多く、少しずつ足の筋肉がぶれるようになる。
いたわり、だましだまし、ストレッチを入れて進んでいく。

こんな時は少しの上り返しがとてもありがたい。

五合目で休憩を入れる。
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ここからはなだらかなのでがまんしやすいが、笹原は足元が見えないので厄介。

板谷の頭から権現山までが本当にとても長くていやになる。

権現山で休憩。

ここまで来れば先はよめる、休んでさいごに備えよう。
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ここの象徴の大木、岳樺への日当たりが変わってさらに神々しい。

ここはやっぱり、いい。

ただし、ここからの下りはきつかった。
しっかりとくたばった自分の足の筋肉は、この急坂に悲鳴をあげ続けていた。
最後はロボット歩きでようやく登山口(下山口)に着いたのだ。

駐車地(スキー場ヒルトップ)からの景観も秋を感じさせ、そこに充実感が加わった。
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山上の紅葉こそとっくに終わっていて空振りだったが、しっかり歩けてよし、と。


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