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2016年12月 5日 (月)

山歩き:表山、裏山、行平山と幻ノ池

山歩き:表山、裏山、行平山と幻ノ池

この4月に故郷の山、養老の表山・裏山から笙が岳を歩き、いくつかの疑問が残った。
もみじ峠と表山をつなぐ分水嶺尾根は如何に、幻の池(竜が池)はどこに。
十年ほど前に上石津から上がり、勝手に表山と勘違いした頂は本当はどこか。
養老山地は北部が面白い、その核心に迫る課題解決、さまよい山歩きの始まり。
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【山行日】2016年12月3日(土)    
【山 域】西美濃:養老山地北部
【天 候】晴れ
【形 態】一部周回の往復 単族 軽装
【コース】養老公園駐車場、起点
P7:48--8:16登山口--林道--9:29もみじ峠--10:12表山10:21--
--10:36裏山10:52--11:02行平山--12:30幻池13:26--13:29もみじ峠--
--14:30登山口--14:55P

旧大垣市内から仰ぎ見る養老山地は船底のような平凡な山容である。
特徴もなくほとんど同じ高さに見える中で少し目立つのが三角形の姿の山。
位置を変えじっくりそれを見ると、3つぐらいの頂が前後左右に重なり合っている。
表山(839m)と裏山(870m)であり、その奥に重なるのが笙が岳(908m)である。
ここまでは前回、2016年4月16日の山行で解決した。

養老の滝は笹原峠ともみじ峠を結ぶ稜線の東側の沢や谷の水を集める。
笙が岳に向けてもみじ峠を過ぎると道は下り、そのむこうの沢は西に流れている。
大洞谷、アマゴ沢で、上石津で牧田川になり養老山地を北へ大きく回って揖斐川に注ぐ。
気になるのは、もみじ峠と表山をつなぐ分水嶺の尾根のこと。
東側から見ると屏風のように立ちはだかっているその壁の正体が見たい。
以前というか昔、笙が岳と北部の表山・裏山との間は笹の繁茂で激ヤブ地帯だった。

参考資料は今回も、養老山地を北から南へ縦走するトレランや健脚者のレポなど。
最近よく歩かれている笙が岳ルートと違って、分水嶺尾根の記述はほとんどない。

養老公園は紅葉の観光名所だが晩秋でそろそろ客は少ないと思ったのが間違い。
例の表山登山口に来てみると、「駐車遠慮」の告示板が出ている。
まいったなあ、滝上Pは千円で金の持ち合わせがない、三百円の公園駐車場に戻っていく。
朝早いから空いているが、朝の光ねらいのカメラマンの姿が多い。
公園駐車場から表山登山口を目指してもよいが、無駄な歩きが多そうに感じてめげる。
だからといって林道は使いたくない、でも課題への近道はそれしかない。
そうだ、折角だからこんな時しかない、養老の滝観光を含めたお気楽山歩きに変更。
山中の自然の黄紅葉もいいが、カエデが多い造られた紅葉はさらに鮮やかなはずだ。

滝にむかう昔ながらの石段の公園遊歩道をたらたらと上がっていく。
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石階段の原型はずっと維持されたまま、歩きやすいように丁寧に手が加えられている。
方々にトイレがあり、それがまた新しいのでびっくり。
それにしても名所旧跡や年代ものの建物がしっかり残っている事にも驚きだ。
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子どものころいつも来ていた観光地なのにあらためて見ると新鮮である。
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ただ遊歩道となめてかかると、かなりきつい歩きになる。
観光で滝までの往復なら一気にでもいけるが、固い石の道なので足の負担が大きい。

料金の高い滝上駐車場は入山口にもなっていて、そこで登山届を記入する。
ここで養老町が出している「養老山頂登山道」マップを入手する。
あくまで概念図だが、名所とか見所とか地名とか、参考になる事は多い。
養老山の旧名は多芸山で、表山は仏ノ座なんだそうな、いいじゃないか。

もう足がだるいので表山登山口へ戻るのはやめ、林道を上がる。
部分的に舗装されたほとんど車道のような林道を上がっていく。
斜度は緩やかなはずなのにそんなに楽ではない、否、しんどい。
ゆったりくねくねの林道だが、それをショートカットするように旧道がある、逆か。
右手に表山が見えた。
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旧道はぱっと見、登山道というよりは無理やりの急なあれで、荒れて美しくない。
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もみじ峠に出る最後の旧道(古道)だけはいい感じだ。

かなりの部分、新しい林道を利用し、途中から一部だけ旧道を使って峠に着く。
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今日はここが周回の起点になりそう。

立派な登山道を外れてすぐ右手の土手に上がる。
ひとつの高みを過ぎて鞍部に下り、次の高みに上がっていく。
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ゆるやかな丘で、雰囲気もいい。

行先の方角からは少し外れるが・752に寄る。
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樹幹越しにうっすらと見えるのは笙が岳の東峰、眼下にはアマゴ沢が深い。

北東方向から北へ下りて行く。

踏み跡もあり歩きやすいヤセ尾根道はすぐに鞍部になる。
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ここが本日の目的地のひとつ。

右手東側は唐谷(火打谷)に至る崖で、左手西側もアマゴ沢に傾斜している。
ここがもっと崩れて決壊すれば、アマゴ沢は唐谷に流れ込む、のかな。

ヤセ尾根をゆるく右手に回り込むように上がっていく。
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かなり古い年代モノのテープ印が等間隔に付けられているのは表山へのものらしい。

日光を浴びて明るい中ずっと縁を歩く感じで、谷底が深いので緊張する。
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表山への肩にあたるところでもう一度休憩し、からまる馬酔木の急坂を一気に上がる。

少しだけ展望が開けた最高点から百メートルぐらい下って歩いていくと表山三角点がある。
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馬酔木は山頂周辺だけを鉢巻のように繁茂している感じだ。
だから次の裏山へは、表山三角点からそのまま一点突破すれば行けそうだな、と。

そう思っていると鈴の音が聞こえてきた。
山中で今日初めて会う人がこの表山山頂で、とはなんと言っていいのか。
知り合いの鈴さんによく似たその人は、強面の短パン、ゲーター巻のトレラン風。
駅からこの表山直登尾根を上がり、裏山、笙が岳、養老山を周回する、という。
ここが初めてとはいえ装備もしっかりした方で、裏山まで話しながら連れ立っていく。
コースをヤマレコで入手されたことや、自身のブログ「しんの冒険紀行」のことも。

まずは表山と裏山の鞍部へ。
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そして喘ぎながら裏山に上る。

裏山は四方に視界が広がる一等の展望地で、どこを見ても飽きる事がない。
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霊仙山や伊吹山、奥美濃の山々、遠く白山、乗鞍・御嶽、木曽山脈、恵那山。

眼下には西濃全域に大垣市、南には笙が岳や養老山地の連なり。
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それよりも今日は北部、眼前の行平山や奥山が気になる。

おおまかに歩く方向の見当をつけ、どこでも歩けそうな斜面を降りていく。

杉木立というか植林帯に入ると一気に暗くなり、自然林に入ると再び明るくなる。

ゆるやかに上がっていくと疎林の台地で、錆びた脚立のある行平山(845m)。
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ここからは・820の行平東峰は後回しにして東の斜面をくだる。

ダイラ地形に二次林の森が広がり、とても歩きやすい。
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・810に上がっていくにつれ、馬酔木の抵抗が多くなり、ヤブコギになる。

視界も期待できないので行平東峰方面へ向かう。
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鞍部にはテープ印があり、勢至への古道らしい(地形図の点線とは異なる)。

向かう行平東峰の側面はカレンフェルトの要塞風。

こちらは山地の東面にあるのでさらに視界が開ける感じ。
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行平東峰から南を見ると、左に表山、右は裏山。

錆びた脚立がこちらにもきちんと鎮座している。
P1080061_2

行平本峰よりもこちらの方がもっと山頂らしい感じがあり気に入った。

ここから北方の奥山(777m)へはなぜかしっかりとした道があり、人気コースらしい。
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未体験で誰もいないよさそうな場所にくるとなぜか高揚感を覚える。
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そんな感覚にとらわれつつ、今日はここまでと切り上げる。

戻りは、行平山・裏山は省略し、ダイラの森から裏山の裾野を回って表山との鞍部へ。
P1080073

上り下りをできるだけさけ楽をしようとの魂胆、しかしシダ類の繁茂に結構足を取られる。

隠れた倒木に躓き、もんどりうって転んでしまう。
強打したのは腕だけで、なんとか無事のようだ、危ないところだった。

再び表山・裏山の鞍部に来る。

そして、大洞谷というかアマゴ沢源流部分に踏み込んでいく。
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今は枯れ沢になっていてそこに落葉がいっぱい堆積している。
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この枯れ沢を詰めると三本杉があり、笙が岳・裏山の吊り尾根になる。

沢はところどころでずぼっとはまりこんで、水こそないが歩きにくいことこの上ない。
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源流のどこかに幻の池でもあるのか、と探すが見つけられない。

流れが出てこないまま、下りが急になっていくので、左の分水嶺尾根に逃げる。
そのまま上がっていくと表山の肩の部分で、意図しないで元の位置に戻る。

下りは注意しないと踏み跡を外しそうになるが、なんとか鞍部へ、そして・752へ上がる。

幻ノ池こそ見つけられなかったが、他の課題はかなりの部分で解消した。

気分よく高みから雰囲気のよい開けた鞍部にむけて下っていく。
今日はなんどもこんな気持ちのよい地形を歩いてきた、それだけで満足。

その中でもこの・752の鞍部はこじんまりとして明るくてとてもよさそうだ。
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落葉のいっぱい積もったそこに踏み込む。

なんだなんだ、ここは、冷たいし、足が抜けない。
もがくとずぼずぼと埋まっていく、底なし沼?
膝まではいかなかったが両足とも、深さは20cmぐらい黒い泥水に埋まる。
やっちまったな、冷たくてしかたがない。
とにかく抜け出し、近くに座り込んで靴を脱ぐ。
まだ新しい靴で蛍光イエローと白さが際立っていたのに、ドロドロの黒色だ。
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靴下をしぼると黒い泥水がジャーと出るし、黒く腐った濡れ葉がかしこに絡みつく。
手ぬぐい3枚、ティッシュ、ウェットティッシュなど総動員して泥水を排水し、絞る。
そんなこんなで必死に時間を使い、長い休憩(事故対応)時間となる。

こんなところに○○は潜んでいたんだ。
いや待てよ、こここそヤブコギネットの★竜★さんが言っていた竜が池なのでは。
観光地図では、稜線の際で場所が違うから、幻ノ池なのかもしれない。
となると、とんだ災難だったが、思わぬ形で課題が解決できたわけだ。

いつもは休憩で出した事もない緊急シートも初めて開いて使った。
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お守りのようにもっているだけの替えの靴下にも初めて出番があった。
ツェルトこそ使わなかったが、とんだザック内の在庫一掃セールになった。

広いシートに寝転んで上をみると、抜けるようないい天気ではないか。
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もみじ峠まではすぐ。

そこから笹原峠・小倉山へ行く気力はとっくになし。
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往きと同じ林道をたらたらと歩いて帰っていく。
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入山口では、朝、登山届に記入した予定下山時刻より30分早かった。

かつてはこんなリフトを利用するのがトレンディだったのかな、今でも今こそ。
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石階段を降りていく。
そこからは観光客でいっぱいの養老の滝を愛でながら下る。
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午後の日差しがすでに届かない谷間の紅葉はイマイチ。
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それでも駐車場には観光バスがどんどん入ってきていた。


養老山は昔なつかしい山域だけでなく、今でも歩きがいのある山である。

来春、訪れるのは奥山か行平山、コースが困った。
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コメント

たそがれ高洋 さん
お疲れ様です
表山では失礼しました
何事もなく無事 山歩きができ良かったです
ブログを拝見しました
趣のある内容で 山を奥深く眺めていることに感動しました
自分はどちらかと云うと 景色や 体力維持 ストレス解消などから始めた山歩き
あまり 深く考えずに歩いています
奥深く 山の成り立ちなどを考えるのも面白そうですね
参考にさせていただきます
ではでは
byしん

投稿: しん | 2016年12月 6日 (火) 05時34分

しんさん こんにちは、先日は失礼しました。
その後も速足で周回コースを歩かれ、充実の電車・山歩き旅ですね。
時間的な制約はつきものですが、山を線から面で見ると面白いです。
養老山はふるさとの山なので、思い入れが大きいこともあります。
またどこかで、味わいの山旅を。

投稿: 本人 | 2016年12月 6日 (火) 17時16分

養老山地、自宅から見える一番近い山です。 その為、いつでも行けるからと、養老山地縦走は中々実現していませんし、今回お歩きになった北部はまだ歩いたことがありません・・・。 裏山など展望が良いところが沢山あり、楽しめますね。 鈴鹿同様、この辺りもどこでも歩けそうなところなので、どのコースを歩くか迷います。

投稿: おど | 2016年12月 7日 (水) 22時44分

こんにちは おどさん。養老は誰にとっても身近な山ですね。
ひょっとすると観光地であって、登る山の対象に考えていなかったかも。
いつでも簡単に行けそう、というのも手をつけない理由かもです。
だからずっと以前に養老山地縦走を計画していたのに、今では体力的に妄想になりました。
おどさんならいつでもできそう。時期は3月末から4月初旬です。
北部の散策も味があるし、鉱山道と坑道もあるそうです。
今頃、気になっている山です。

投稿: 本人 | 2016年12月 7日 (水) 23時30分

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