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2017年3月

2017年3月19日 (日)

映画『架け橋~きこえなかった3.11』『春よこい』

刈谷日劇で3月24日まで上映中の2作品の紹介。

今村彩子監督『架け橋~きこえなかった3.11』
安孫子亘監督『春よこい~熊と蜂蜜とアキオさん』

ともにずっしりとくる作品で、感じることは多い。
こんな素晴らしい組合せ番組が回数券を使えば500円だなんて、刈谷日劇すごい。

◇ ◇ ◇

映画『架け橋~きこえなかった3.11』
監督・編集:今村彩子
Original

『東日本大震災が起きた時、津波警報が聞こえなかったために亡くなった人たちがいた。耳の聞こえない人たちだ。ろう・難聴者は、外見は障害のない人と同じだが、警報や避難放送などの情報を得にくいため、災害時には更に弱い立場に立たされる。命を守る情報に格差があってはならない。自分も耳が聞こえない今村彩子監督が地震の11日目後に宮城を訪れ、2年4か月間かけて取材、一般のテレビや新聞では報道されなかった聞こえない人たちの現状を伝える渾身のドキュメント。』

たまたまこの作品をみた日の新聞に、興味深い記事があった。

ろう・難聴者の日本語が変?
と感じるのは、
「ろう者に日本語の能力がないのではありません。
ろう者の母語は手話で、日本語は第2言語だからです」
と、《テンダー手話・日本語教室》を営む鈴木隆子さんが話す。
   朝日新聞『けいざい+、ろう者の祈り』より引用

日本人だから日本語ができてあたりまえ、なんて思っていた無知と無恥。
普通とかあたりまえ、なんて言ってるのは自分にとって都合の良い思い込みだった。
例えば学校で習った第2言語の英米語で意思表示ができるか、といえば・・・無理。

ろう・難聴者の方々にとっての言語は、目にする情報だけしかない。
視覚障碍者にとっての言語は、耳できこえるものがほとんど。
日本語が分からない人にとっては、目や耳や感覚全てで判断するしかない。

そういう方が自分の周囲にいる、ということ。
そういう方を意識し、少しでも配慮する気持ちをもつこと。
人として生きていくうえで、考えること、やるべきことは多い。

いろんなことを気づかせてくれる作品、今村監督の直球。

◇ ◇ ◇

映画『春よこい~熊と蜂蜜とアキオさん』(65分)、2015年
監督・撮影・編集:安孫子亘
出演:猪俣昭夫 福島県金山町のみなさん
Haruyokoi

『福島県の奥会津/金山(かねやま)町に暮らすマタギを描いた物語である。2011年、東日本大震災・福島第一原発事故の放射能は130km離れた金山町の自然にも降り注いだ。野生動物をはじめ、町の観光資源でもあるヒメマスも汚染された。金山のマタギは熊を撃つことだけが目的ではない。その刻々と変化する自然環境の変化を我々人類へ伝える役目をしている。福島原発の事故以来、世界中が自然との共生へ歩み始めた。自然とは何か。手付かずの自然が良い訳ではない。人と自然が共に暮らすための術をマタギである猪俣昭夫は教えてくれた。山の神を崇拝し、山のおきてに従い熊を追う。福島県奥会津に伝わるマタギの精神をいま、猪俣昭夫は子供たちへ伝えている。』

マタギの印象といえば狩猟を生業とするとっつきにくい寡黙な山人だった。
過酷な自然の中で生きているので本人も頑丈でなければならない。
感情に流されたり、我慢ができないような人間には到底無理。
朴訥になるのは生き様がそのまま性格になるのだろう。
今というか現代のマタギ、猪俣さんもまったくそのとおり。
でもカメラの前の彼は人間味あふれる方で勇敢にして実に謙虚。
クマに荒らされた白菜畑を見て、その畑主の冬に食べる漬菜の喪失を嘆き同情する。

◇ ◇ ◇

そして4月末からの連休であの作品を上映予定、だなんて。
昔、名古屋シネマスコーレで観たときは、よくわからなかったからなあ。
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ここが舞台だったんだよなあ。
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2017年3月 6日 (月)

山歩き:鳥川縦走でくたばる、鳥川の里山歩きその3

山歩き:鳥川縦走でくたばる、鳥川の里山歩きその3

「鳥川ホタルの里の山歩き」も1月の2回に続いて3回目になる。
今回はモデルプランを見ていて誰もが思う2つの疑問を解決すること。
1つは前の2回で歩いた鳥川の里山を全部つないで周回コースにすること。
そのために2つ目は額堂山から古坂峠の間の未整備尾根を歩くこと。
国土地理院の地形図やガイドマップなどを参照するといいかも。
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【山行日】2017年3月4日(土)    
【山 域】西三河:岡崎市鳥川、水晶山・額堂山・音羽富士
【天 候】晴れ時々曇り
【形 態】周回 単族 軽装  
【コース】鳥川ホタルの里I.C.駐車地起点 時計回り
P9:41--9:53蛍橋--小安堂峠--10:42水晶山--10:52高野御前山--
11:00ふっこし峠--11:14co450--11:31延命水--11:49額堂山--13:30車道--
--13:46古坂峠--14:00音羽富士14:23--14:48ホド田山--15:30七曲峠--
--15:42七曲峠登山口--車道--16:04P

今年1月に初めて訪れて気に入った「鳥川ホタルの里の山歩き」。
当地では山歩きコースのモデルプランが4つ示されている。
①里山めぐりコース、距離は約4.5キロで山は喜桜山(354m)
②愛宕山・京ケ峯コース、距離6.5キロで京ケ峯(442m)など西側の山
③水晶山コース、距離8.4キロで水晶山(467m)など北と東の山
④ホド田山・音羽富士コース、距離7.8mでホド田山(390m)など南の山
所要時間や難度の目安も示され、④が一番高くて約210分。

自分が最初に行ったのは②と④を合体した鳥川をぐるりと周回するコース。
山渓分県ガイドにもあり、距離8.5キロ、所要時間は4時間で紹介されている。
2回目は①と③を合体し、そこに額堂山(421m)を加えた周回コース。
この2つの合体コースはかなり一般的と思われ、それなりに歩かれているようだ。
距離も高度差もモデルプランよりは増えるが所要時間は約3~5時間に納まる。

これでは物足りないと感じるむきもあって、次に考えるのが全部の合体版。
鳥川を取り巻く、よく整備された里山をぐるりと周回する発展系プラン。
これを整備されたコースで行うのは容易だが車道歩きが多くなるのが不満。

そこで目が行くのが額堂山と古坂峠を結ぶ未整備らしい稜線部分になる。
ここが未整備なのは新東名と、額堂山南側の土砂掘削工事だろうか。
予定としては岡崎市と豊川市の市境ラインがそのままよい稜線コースになる。

加えて、ふっこし峠から額堂山の間にある名前のないco450の山。
これをコースに入れて越えれば、この周回コースは全て山歩きになる。

ということを思った人がやはりいて、彼はそれをこの2月25日に実行していた。
下見歩きを2回行ったのちに本計画を実行しているから慎重な人だ。
彼によれば、距離は約16キロだそうで、要した時間は約6時間、健脚だ。

2番煎じ、またはもっと多い何十番煎じかもしれないが自分もやってみよう。
距離からいえばこれは充分に辛い長さで時間もかかり難易度も高そうだ。
最近はいつも容易で短い日だまりハイクばかりだったので刺激も必要、と。

ふう、長い前ふりだった、もう疲れてしまった。

雑誌「山と渓谷」にも取り上げられて人気の鳥川の里山。
駐車地としては蛍橋付近の愛宕山北登り口が一番効率がよさそうだが・・・。
他人に迷惑をかけず安心なのは鳥川ホタルの里インフォメーションセンター、と。
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出発、まずは水晶山登山口を目指して北へ車道を歩いていく。
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うまくいけば、最後は左側の尾根を下りてきて、繋がるわけだ。

歩く車道の先には蛍橋、そして水晶山登山口の柵ゲートを通る。
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ふつうの山道を上がっていくと小安堂峠で、ここで尾根に乗る。
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すぐに見晴ケ丘で南に鳥川の里の一部が広がり、周回コースに胸がおどる。
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道はなだらかな尾根道で、時に上がりと変化をつける。
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別のふもとから上がる神明宮からの道が合流する分岐点が離れてふたつ。

それぞれ合目表示の基準が違うので気になってもこだわらないこと。
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山頂に近づくと水晶岩の表示があるが、今日は先を急ぐのでパス。

前方が明るくなってくると水晶山(467m)。
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展望が南に開け、山頂にふさわしい感じのいいところだ。
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三河湾まで見渡せるが、気になるのは眼前の額堂山の双耳峰。
標高がここより高い三角点(477m)と展望の中電鉄塔はパス。

急坂を降りて、再び上がっていくと高野御前山(477m)。

ここから南東のふっこし峠へは大代さくら尾根を下りる。
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明るい尾根で、大きな桜の木が随所にある。

ふっこし峠手前でいったん林道に出て、コースは右折して古道だが、直進する。

目指すco450は名前のない山だが、しいて名づければ額堂山奥峰か。
植林のあまり明るくないゆるやかな斜面をどんどん上がっていく。
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どこでも歩けて間違えようがないが、逆の下りだと方向を失いやすい。

途中からゆっくり左にまがっていくと、山頂らしい高みのところに着く。
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展望がほとんどないこともあってあまりぱっとしない。

東の少し離れたところにもうひとつの高みがある一応双耳峰だが、すぐ退散。

ここからは少し慎重にならなければならない。
先ほど目星をつけておいた西への緩やかな尾根を下りていく。
なるほど、ピンクリボンや踏み跡が随所にあって、それなりに人が入っている。

途中から南西の尾根に向かわなければならないのだが・・・。
と思っている間に、その南西の尾根とは離れてしまっていた。
出たところは、少し前から下に車道が見えていたので、嫌な予感。

コンクリ法面の上部、とても下りられない。
ここら辺は道路沿いで法面が多いからそれを避けられる所でとにかく下りる。
引き返すのが面倒、というか車道に出るのは癪だがその方が簡単だ。
下りる先は見覚えのある場所の延命水で、車が2台停まっていた。

車道からくだんのコンクリ法面を見上げる、とても降りられない。
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下る尾根を外しはしたが失敗ではない、額堂山登山口へと急ぐ。

見覚えのある場所から山頂までは、一気に上がっていく。

予定としてはここまでを2時間、次の古坂峠までも2時間で、残りを2時間。
先の下り尾根の読み間違えもあり、少し遅れているがなんとかなる。

額堂山の山頂は休憩場でもないのですぐに通過。
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ここの下りは急なので気をつけながら西へ下りていく。

問題は、巻き道分岐点やその先の地蔵峠まで下りると行きすぎになる。
といって、南西にそれらしい尾根が見つけられるかどうか、ということ。
と考える間もなくそれらしい細いがまっすぐの尾根があったので乗る。
かなり急なので本当にこれでよかったか不安になる。

ぐんと下った感じは気のせいで、しばらくして右手下に道があらわれる。
結構しっかりした道なので、これは地蔵峠からの道だとすると・・・。
自分が乗った尾根は一本西のもので、東隣の尾根が市境尾根だった。

やばいな、これは。
とにかく目指す市境尾根は見つかった、ずっとこれに乗って行けばいい。

最初こそ未整備らしいのだが、少し進むとなんとも立派な道があらわれた。
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これなら間違えようがない。
テープなどマーキングもある。

ただ市境尾根が地形図通りかというと微妙な感じ。
もっと進んでいくと左側(東側)が切れた状態で予想した光景があらわれる。
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なるほど、新東名高速道路か。

そして、額堂山南側の土砂掘削工事現場。
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いつかというか早晩、ここの山はなくなりそうだ。

現在地も進む方向もなんとかなってはいるが、かなりぼんやり。
そのままその先で切通しというか、一旦尾根が切られる。
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地形図上で現在地がはっきりと分かりやすい場所だ。

それにしても高速道路関連の造形物って多い。
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反対側のこの広場はなんの工事をしているのか。
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山の裏側というか里山の奥の、人の目につかないところで何なんだ?!

とりあえず手前の尾根に上がっていくが、新東名はトンネルで地面下。
地形図ではトンネルがはっきりしていても見えないものは目印にならない。

こんな感じで描いていくとキリがないのでここら辺でカット。

踏み跡があり、目印リボンやテープもあるにはあるが、統一されてはいない。
一番頼りになるのがこの頭赤下部黒の杭、途中から頭白もあらわれる。
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それも途中からなくなり、プラスティックのいろんな杭もあらわれる。
周囲より高い部分の尾根を選んで進めばいいのだがそれが簡単ではない。
進む方位というか方向もコンパスと地形図でずっと確認するのだがわかり辛い。
倒木に行手を阻まれたり、枝尾根に入り込んで不安になってから戻ったり。
方向が自分の意図するのとずれることが増え、ずっと現在地を見失っている。
樹林帯の中、視界がないと目印になるものが何もない不安。
こんな時、GPSで現在地を確認できれば安心だが持っていないものは仕方がない。
自分の山の中での行動やヤブコギって、ずっと運に助けられてきたんだなあ。

でも前方にうっすらと三角形の山影があらわれ、音羽富士らしいと分かる。
足元の枝尾根が示す流れを度外視して、一気に下りる。
下りというのは間違えるとまずいが、ここは豊川・鳥川の車道に必ず出る。

いざ車道に出て、うーんここか。
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峠からは少し離れて下の方だが、そんなに外してはいない。

地形図をよく見れば、その先の林道に入ると古坂峠へはかえって近い。
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ということで斜面をがむしゃら上がると、あらまあ古い道跡が出てきた幸運。
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頭上からはチリンチリンとハイカーの鈴の音も聞こえてくる。
このまま上がっていくと古坂峠よりも少し上の部分に出られそうだ。

そんなわけで無事ヤブコギは終了、後はよく整備された道を歩くだけ。
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音羽富士では少し南に行ったところに眺めの良い場所があった。
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この日だまりで、靴を脱いでしっかり休憩。
少し暑いぐらい。
さてと時間は押してきている、今後は歩けるだけ行って、そこで考えよう。

それにしても音羽富士の下りはきつい。
そんな時は、振り返って音羽富士を見る、かっこいい。
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長坂峠から沢山、ホド田山への上りもじわじわと足にくる。
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昔山は巻き道でカット、と誘惑されそうになるが、正気にもどる。

元気山ってこの前も明るかったが今日も同じ、まだ先へ行けそう。
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動物山・豊山の上り下りはきつくて、こんなはずではなかったと後悔。
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簡単な山だとなめてかかっていたので、その後も辛い。

結局、京ケ峯への上りをやるとかくんかくんになりそうなので七曲峠で中途下山。
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少しぐらい余裕を残さないと後で大変になる、と大人の対応というか判断。

この時季、この距離をこの時間だとまだまだ自分には無理がある。
というか、体力はどんどん落ちているからこんなもんだろうな。

今回の反省

ヤブコギはふだんから意識して行わないと難しいものがある。
コンパスの活用と地形図の読図は大事なことだが経験を積むしかない。
体力には限界はあるが、それなりのコース取りを考えることは大事にしたい。

この「鳥川全縦走コース」は読図や体力トレーニングにはとても面白いと思う。
低山で里山だからこそ慎重に、自己責任のもと是非歩いてみてくだされ。
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