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2017年5月21日 (日)

山歩き:黒法師岳と丸盆岳

山歩き:黒法師岳と丸盆岳

隣の県なのに近そうで遠い、奥深い山域へふたたび足を踏み入れる。
黒法師三兄弟の長男こと黒法師岳と隣の丸盆岳の豪華組み合わせ。
ガイドブックでは初心者の山だが、登山道も林道歩きもかなり辛い。
黒法師・丸盆間の笹原の稜線歩きは展望がよく、この山域のよさがいっぱい。
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【山行日】2017年5月20日(土)    
【山 域】遠州南ア深南部:黒法師岳(2067m)、丸盆岳(2066m)
【天 候】晴れの夏日
【形 態】往復 単族 軽装
【コース】戸中山林道ゲートから少し離れた駐車地、起点
P5:52--6:11林道ゲート--戸中山林道--7:36登山口--等高尾根--8:35ヤレヤレ平--
--9:43分岐--10:23黒法師岳10:53--11:23分岐--12:18丸盆岳12:36--13:16分岐--
--14:09ヤレヤレ平--14:52登山口--林道--16:17ゲート--16:42P

赤石山脈は光岳の南方で枝分かれし、その先に黒法師の名のつく山が3つある。
黒法師岳(2067m)、前黒法師岳(1943m)、前黒法師山(1782m)である。
前回は麻布山から前黒法師山、バラ谷ノ頭を往復する入門者コースで秋を味わう。
今回は主峰の黒法師岳から、左右の太刀持ちの山とバラ谷ノ頭をながめたい。

ヤマケイから出ている新・分県登山ガイド「静岡県の山」によれば、
黒法師岳は初心者向きの山で、登山口からの往復は5時間もあれば充分、と。
ならばついでに、稜線を歩いてお隣の丸盆岳やカモシカ平も訪れてみよう。

深南部は2回目だが、未舗装や通行止の林道の状態など不安な点が多い。
約150kmの道のりは、一部高速有料を使用しても3時間ほどかかる。
初夏の朝の早い時期で、先のわからない曲がりくねった細い道も少しは安心。
鹿など動物が道路にでているのも織り込み済み、工事で迂回するのも覚えていた。

水窪地区に入り、最初に目指す水窪ダムは表示もあり分かりやすい。
林道はその先で未舗装になり、慎重な運転の必要から低速になり時間がかかる。
30分ほど進むと何台もの車が駐車していて、そこが停車地点とわかる。
さすが皆さん、朝が早いのか、これこそ山ヤのふつうの姿なのか。
今日のコースは長くて時間もかかるので早ければ早いほどいいが、程度がある。

すぐに準備して出発。
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それでなくても長い林道歩きに、通行止でさらに歩く距離が伸びた、もくもく進む。

しばらく行くと、通行止の原因の崩落箇所らしい。
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大雨が降ったり、天変地異にかかわらず、いろんな箇所でどんどん山が崩れている。
林業のために道を通したり、植林その他もあるが、ここら辺は元々地盤がもろい。

ガイドブックその他でよく見る「戸中山林道ゲート」にようやく着く。

ここまで2キロ近く、時間にして20分ほどがふだんより余分な上乗せ。
ここから黒法師岳登山口までは約6キロの林道で、標高をゆっくり400mほど上げる。

ゲートを過ぎるとところどころ林道が舗装されていたり、幅も広くなる。
あくまで林業用に施工された道路であり、補修・維持もそのためにされている。
こちらは迷惑をかけない範囲で借用、利用させてもらっているのだから文句はない。
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単調な歩きだが必死に進むしかない、少し早足の散歩のようだから楽といえばそう。

遠くの山や新緑をめでたり、勢いよく流れ落ちる滝を見たり。
0.5kmごとに表示板があり、誰用なのか休憩小屋もあり、緊急避難場所にはなる。
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シブロク歩道は、バラ谷ノ頭から黒法師を周回するバリルートの尾根の取り付き。
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赤テープや踏み後も見受けられるが、楽そうな上りではない。

見た目に新しそうな休憩小屋をすぎて少しで、ようやく黒法師岳登山口に着く。
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2時間近くの長い林道歩きで気分は下降線、安堵感も感激もない。

等高尾根という急登で有名な登山道に踏み込んでいく。
落葉でクッションのある道は固かった林道とちがってぐんぐん高度を上げていく。
辛い上りなのに気分が変って行けるだけ行こうとなるからふしぎなものだ。
無駄がない、というか遊びのない登山道なので、やがて息切れする。
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枝尾根から支尾根に乗り、樹林も変り、巨木が現れるのは楽しい。

ようやく傾斜が緩やかになるとそこが「ヤレヤレ平」。
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なるほど分かりやすい、ちょっとしたコバというかダイラのような地形。

ほんの少しだけ油断させてコブを越えるところが「市川戻り」だって、意味不明。

そこから登山道は傾斜をさらに高め、根っこや枝をつかむガシガシ上りになる。
時折、遠望がきくのと、コバイケイソウやイワザクラが少しだけ見られるのが慰め。
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バラ谷ノ頭は早くから見えていたので、あとどのぐらいと高度の目安になっていた。
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それにしても足が重い、徐々に疲労がたまって上げられない。

下のほうからずっと聞こえていた鈴の音の主がすーっと抜いていく。
有名な「弁当ころがし」は立ち木に隠れ(下を向いていたので)見落とし通過。

空が広がってきてやっとこさで稜線にあがり、黒法師岳と丸盆岳の分岐に着く。

笹原の稜線は開放的で、正面には前黒法師岳が燦然とあり。
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右を向けば、これから目指す主峰アイドル黒法師岳、まだかなり遠いし高い。
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左には、笹原のずっとむこうに行けたら行きたい丸盆岳、同じ高さだから容易かも。
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整理運動の屈伸をして疲労蓄積の筋肉に刺激を与える自らのルーティーン。

笹原を分けるようにくねくねと進む道はザレ場の縁も通っていく。
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崩壊が進んでいる山腹は高度感があり、慎重さが求められる。
こうなるとヒルやダニがいるかもしれない笹原のほうが安心できる。

相変わらず足が上がらず重いのと眺めがいいので何度も立ち止まってデジカメる。
P1090713

今日はずっと見ているバラ谷ノ頭。
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黒法師岳との鞍部にある、テント泊の聖地こと「黒バラ平」。

そこからここへ上がる、なんとも急勾配の斜面。

なんとか、ようやく山頂に近づく。

展望のない山頂と分かっているので気落ちはないし、樹間が疎で明るいのがいい。
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三角点マニアに有名な×印三角点を探してとにかく記録撮影。
Dsc02696

手頃な石を集めて座をつくり、靴を脱いで昼食休憩。
いかん、疲れすぎていて飲み物で流し込まないと入らない。

周囲を回れば樹間から展望はある、デジカメ時間。
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左の一部分は鎌崩ノ頭、奥に不動岳、右に丸盆岳で手前がカモシカ平。
遠くの雪山は左が赤石・聖岳、右は上河内。

重い腰を上げて、次へ進もう。

下り始めるが、これが大変。
ザレ場ではずるずるすべり、崩落の元になりそうで気が気でない。
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つかめるものは何でもつかみ、後ろ向きになったり。
笹原に入るとほっとする、隠れた倒木にだけは注意。

分岐に戻ると丸盆岳方面から、先にそちらに向かった彼がやってくる。
さすがに速い、若いし余裕ありで、黒法師のあとはバラ谷ノ頭へとも。

そんな彼を見送って、歩きやすい笹原の稜線を漫歩する。

あれっ、約束がちがうぜ。
P1090789

なんと、ぐんと下がる最低鞍部があるではないか。

稼いだ高度がもったいないし、行きもだが帰りの上り返しも辛そう。
一気にブルーになるが、大枚はたいてここまで来たのだからやめるのもシャクだ。
急なので笹をつかみつつたらたらと鞍部に下りていく。

上がっていく途中、ずっと足元を見ていたら、一輪だけのイワザクラ。
P1090747

ずるずる進むと尾根が広がり、枯れ木が芸術的な笹原になる。
P1090753

「カモシカ平」と言われるところで、一部のテント泊の連中に人気があるらしい。

被写体としては文句なしだし、どこでも歩けるというのもいい。
P1090776

登りもそんなに急ではないのでなんとか進んでいける。

平らなところや段になったところ、線状凹地のような地形もある。

丸盆岳の山頂は、黒法師とちがって開けていて展望もよさそうだ。
窪地のようなところに入ってから回り込んで山頂へ。
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これはいい。

何よりも歩いてきた稜線と黒法師岳、バラ谷ノ頭がきちんと納まる。
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手前の笹原がカモシカ平、正面は黒法師岳、その右奥がバラ谷ノ頭。

周囲の山もあまり山座同定はできないが、雪山の赤石岳や聖、上河内は分かる。

丸盆からすぐ近く北の鎌崩ノ頭方面をのぞいてみると、これはひどい。
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重症というか、崩落の一途で、草木もなし。
登山道はあるが、危険で立ち入らないのが賢明だ。

付け足しの山が期待以上によいところだったので十分に満足して戻ろう。

そこへ重装備の若者が来る。
今日はカモシカ平でテント泊だそうで、こんな早い時間からまったり。
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そうか、うらやましいなあ(でも自分はそんなに重い荷物は担げないし)。
よいテント泊を(若いうちからそんな贅沢を覚えてしまって大丈夫か)。

分岐への帰りは、登り返しもそこそこに、最後の稜線漫歩を楽しむ。
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さて下り、等高尾根に入る。

一気の下りだが、ずるっといきそうで足元のふんばりが大変。
勢いなんかつけたら止まれなくなるので、危なくて仕方がない。
枝や根っこをつかみ、足元を確かめつつ後ろ向きになるのも厭わず、だ。
ここまでの歩きで足の筋肉はずいぶん疲れているから緊張のきついこと。

そこへびっしょり汗をかきながらもゆっくりと息を整えながら上がってくる人あり。
こちらは黒バラ平でテント泊だそうで、水場が決め手なんだそうな。
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みんないい時間を送っているなあ。

その後、元気に上がってくる山ボーイにも会うが、この地には合ってないような。
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それにしてもきつくて大変な下り。

「市川戻り」や「ヤレヤレ平」で少しだけほっとする。
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なんとか登山口へ。

丸盆岳へ行ったのは余分だが、黒法師岳だけなら5時間で充分、は如何。
行きはよいよい、ではなく、行きも帰りもとても辛い上り下りなんだから。

ただ登山口へ降り立てばあとは林道歩きなので、気分的にはとても楽。
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登り返しもないし、危険な箇所で技術的に追い詰められたりすることもない。
距離はとても長いが、疲れた足でも普通に歩いて行けばいい。
ゆっくりあたりの景色や滝を見ながら、カエルの合唱も聞く。
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がらがらゴツン、カンコチン。
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通行止の崩落箇所に来ると、今まさに土煙をあげて土砂崩れ真っ最中。
ヤレヤレ危ないところだった、最後まで気が抜けないぞ。

なんとか駐車地に戻る。
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予定時間より1時間以上余分にかかったが、なんとか歩けたことでよしと。
この日、山で会ったのは数人だが、某ヤマレコにはすぐにレポが3本あがっていた。

今日の反省や教訓

 新・分県登山ガイド「静岡県の山」(山と渓谷社)のコースタイムや記述は、
著者がカモシカ山行をする猛者なので、襟を正して読み込む必要がある、
と感じたのは、正しかった。これぞ読み方注意だ。
 ずっとよい天気の日が続き、実行日の選択としてはヒルやダニ対策にはよかった。
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コメント

こんにちは。

 どこに行かれたのかと思えば、「黒法師岳」と「丸盆山」でしたか。 「黒法師岳」までは行った事ありますが、(時間の)安全を見て丸盆山へは行ってません。 丸盆山目指し同行者を連れて、また行くことがあるかもですね。(その場合、矢張り等高尾根経由ですかねぇ)

 実は、以前からすぐ北にある「奈良代山」から「黒沢山」へ行きたいと思ってます。 ダニが多くなる前の今の時期がベストなのですが、矢張り登山口までの車移動が問題ですね・・・。 6月の初旬に行けたらと思っていますが、そろそろ梅雨の時期ですからどうなることやら。(笑)

おど

投稿: おど | 2017年5月25日 (木) 12時37分

遅くなって失礼しました、おどさん こんにちは。
深南部も、というか、こここそおどさんのテリトリーですね。
黒沢をねらっているのも自信があるから、ですね。
時期だけは悩みますね、そして道路状況など。
十分に気をつけて行ってください。

投稿: 本人 | 2017年6月 1日 (木) 22時56分

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