映画:2017年 今年の七本
映画:2017年 今年の七本
今年のトップセブン(順不同)。
惰性で綴る、単なる好きなものだけ、という自分の覚書。
分母は350以上と数だけはとても多い、でも今年の封切はほとんど見ていない。
その少ない封切作品から選んだので「今年の~」という書き方は本当に心苦しい。
《欧米映画》
『マンチェスターバイザシー』 生きていればイヤというほど感じる世間の不条理、でもね
『オンザミルキーロード』 結局戦火からは逃れられず、ならば共に歩む愛の世界
『ドリーム』 成功話、英雄譚にはかならず裏があるものなのってか
《アジア映画》
『お嬢さん』 あやしげでつたない日本語に興奮しますがな
『牯嶺街少年殺人事件』 数十年ぶりの再見、細かく造りこまれていた瑞々しさ
『台北ストーリー』 牯嶺街~から数十年、色んなことがあったからそうなるのも仕方ない
『グレイトウォール』 東と西では生き方も考え方も死に方も違う、でもね
映像も音楽も記録媒体の進化と再生機械や方法の変化はめまぐるしい。
毎日おびただしい情報が世間を飛び交い、頭の上を静かに通り過ぎていく。
ラジオ、テレビ、新聞・雑誌は、インターネットに追いついてきたのか、相手にしないのか。
スマホもタブレットも持たず、SNS、Lineともつながらない我が生活。
でも、世の中は便利になったような気がする。
映画は映画館でみること、を本分としてきた自分だが、今やまったくの降参。
名古屋の映画館(スコーレ・名演・伏見ミリオン)は遠いし、時間も金もかかる。
TOHO東浦、MOVIX三好、安城コロナも同じく、刈谷日劇さんでさえ遠く感じる。
ケーブルテレビキャッチの放映などビデオやHDに記録するほどのものはまるでない。
違法でがさつなYouTubeの映像は、たまさか貴重なものがあるので離れられず。
今年はどっぷりNETFLIX生活に浸る。
新作は相変わらず少ないが、作品数だけはどんどん増えている。
見たい作品をマイリストに溜めておくのだが、60本以上にはらんでしまって。
でも、面倒な手間がなく観たいときに即、その世界にひたれる便利さは手放せない。
ということで、Netflixで見てよかったものを。
『ゴッドファーザー3部作』映画ノアールの王道というか、すべてがここにはある
『バウンスkoGALS』’97年作品が微妙なバランスで今なお新鮮という
『うつしみ』園子音’00年作品。まったく息を切らさずに走る女優さんの意気の良さに感動
『ひそひそ星』も園子音’15年の作品で傑作。彼の作品はとにかく数を見ないと
『その日の雰囲気』韓国’16年作品。女優さんの男への対応演技が韓流の基礎見本のようで
『フォトグラファーズインNY』’13年作品だけどずっと以前のこれぞ写真家が活躍していた世界
『ビッグリボウスキ』『バッファロー’66』『パルプフィクション』『プランマン』などもよかった。
キム・ギドクも一部ならなんとかなるし。
音楽モノのドキュメンタリーでは『コルトレーンを追いかけて』がためになった。
一方、思わせぶりのタイトル作品はたいがいその場限りのものが多い。
そんな時は、かつて見てよかった好きな作品を再び見ては感慨にふけっている。
この時間を持てるのが「小確幸」かな。
最近では『LoveLetter』や『ストロベリーショートケイクス』。
岩井俊二は言うまでもないし、『ストロベリー~』は生態観察なんだから。
以上、最近のぐうたらなまとめ。
毎日1本、できれば2本、映画を観ては妄想に浸ろう。
でも昨晩刈谷日劇でみた『すばらしき映画音楽たち』はあらたな発見があった。
というかそれは、アイドル音楽に対するマキタスポーツの著、
「すべてのJ・POPはパクリである。」
の論に通じるものがある。
映画音楽の世界でも個別の独立系など天分や才能で評されるものもあるが、
巨大資本が注ぎ込まれた世界でのそれは
たくさんの蓄積され磨き上げられてきた集合体の結実なので
有無を言わせぬすばらしさがあって当然、というもの。
御意。
で、結論。
よい大人は映画館できちんと入場料を払って映画を鑑賞しよう。
クストリツァやホドロフスキー、エドワード・ヤンやウェイ・ダーションなら当然。
城定秀夫も加えたいけどそれは無理でしょ。
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