« 2019年11月 | トップページ | 2020年1月 »

2019年12月

2019年12月13日 (金)

山歩き:川原峠から養老山

山歩き:川原峠から養老山

この時季の山歩きはどこへ行っても黄紅葉が中心になる。

養老は晩秋の紅葉を愛でる山歩きには最適で、電車利用で縦走気分も味わえる。

急登、稜線漫歩、園地で休憩、急な上下動歩き、ゆったり散歩にどっぷり観光地、文句なし。

Dsc06304_20191213000301

【山行日】2019年11月30日(土)    
【山 域】養老山地:川原峠、養老山
【天 候】晴れ
【形 態】周回(一部電車利用) 単族 軽装
【コース】養老鉄道養老駅駐車場、起点
養老駅7:38--養老線--7:45美濃津屋駅--東海自然歩道--9:16川原峠--9:55避難小屋--

--10:45養老山--11:02小倉山11:40--12:21あせび平--13:16滝P--養老駅

紅葉祭りもほぼ終わりに近づいている人気の観光地、養老と養老ノ滝。
背後の養老山には山頂登山道が整備され年間を通してよく歩かれている。
滝上から三方山経由、小倉山・養老山であせび平から林道を下るのが一般的。
ごく一部の人が笙ケ岳をからめ、表山・裏山を踏む人はうんと少ない。
ふもとの養老鉄道養老線を利用して山上を縦走するトレランさんや健脚さんもいる。

晩秋の紅葉を愛でる歩きに養老は最適で、お気楽縦走できればさらによい。
ローカル感満載の養老鉄道養老線はそんな縦走登山のつよい味方である。
養老駅がわずか数台とはいえ許可駐車場を設けているのもありがたい。

電車の発車時刻を気にしつつ、養老鉄道養老駅に着く。
これは自分の都合を考えただけのことで、事情がわかれば計画は慎重にしたい。
駐車を許可書で届け出てから場所の指定がされるので、時間には余裕が必要だ。
ひとりの駅員さんが上下線の電車の改札仕事の片手間に行っていることだから。

電車利用の後先は、今日のコースの養老山地を北上するか南下するかで決まる。
尾根歩きをする時は太陽を背に受けるほうが視界が開けるから自分は北上が好きだ。
南下して、山歩きの最後にゆったり電車にゆられてもどるのも捨てがたいものではある。

休日の朝の電車内は予想に反して人が多く、若い高校生が大半。

Dsc06288
となりの駅に向かうだけの乗車時間が以外に長いので山を歩く距離も長そうだ。

美濃津屋駅で降りて、標識をさがし、山のほうへ向かって歩いていく。
静かなところだが、ふと人に会うと自然にあいさつするのが田舎らしくていい。
東海道自然歩道はほぼ一直線の舗装路。

Dsc06292
広い車道を横断すると未舗装になって少し不安になるが、道なりに左へ曲がって行く。
石がごろごろと少し荒れてくるが、そのまま進んでいく。
途中で自然歩道は二手に分かれるが、右手ではなくまっすぐに上がっていく方へ。
川原峠を目指す道ははじめこそ素直な山道だが途中からどんどん急な階段になる。

Dsc06294  
自然歩道特有の足の上げ幅が大きいので、あわてると息が上がる。
マムシやヒルに注意の看板もあまり気分のいいものではない。
このままなら楽勝と油断しかけたころ、試練は突然にやってくる。

Dsc06296
崩壊しかけたトラバ道と急な階段が交互にあらわれて、それは峠の手前まで続く。

Dsc06297

Dsc06299
川原峠に着くとほっと一息だが、反対側の下に林道が見えるのでがっかりもする。
向かうは養老山方面で、右手に進む。
ちょっと上がれば東屋のある広場があらわれ展望もよくて休憩する。

Dsc06301
ここからしばらくは樹木トンネルで黄葉の名残りがうれしい。

Dsc06304
道は尾根縦走のようなトラバ道のような、右手に視界があるので明るくていい。

Dsc06302
左手は粗い植林帯で、少し離れたところを見え隠れして林道が走っている。
苦しい山登りではないがルンルン稜線歩きでもない、健康的な山歩き。
しばらく行くと津屋避難小屋。

Dsc06306
ここを上手に利用すれば楽しい山旅ができそうと何度も思った、が未遂。

Dsc06307
そこで山の上では今日はじめて人に会う。
少しの起伏を何度も繰り返して山上の散歩道は続く。

Dsc06310

Dsc06311
アセビとコケとは鈴鹿の山のようだ。

Dsc06309
ずっと高度はあまり感じなかったが、そろそろ高いところでは?
人の声が聞こえ、左手に上がっていくと養老山山頂。

Dsc06314

Dsc06313
ここからはすれ違う人が一気に増える。
いろんな人のいろんな登山スタイルを見るのは楽しい。

Dsc06318
最近はファッショナブルで機能性も高いし個性があるのもいい。
養老山から独標を経て小倉山の間というのは山に変化があっていい。
すぐ左手を林道が走っているのにだれもそちらを歩かないのも面白い。
わずかな区間にたくさんの人をやりすごし、小倉山園地で休憩する。

Dsc06324
日当たりはよいが吹き抜ける風が冷たいのはまさに晩秋というか初冬だ。

笙ケ岳と南のダイラを見ながらだれも寄らないあそここそ紅葉の盛りではないか。

Dsc06325
そう思っても、あそこまで行く気力はもうわいてこない。

テーブルやベンチ、東屋が随所にあっても人がどんどん寄せてくる。
退散する。

小倉山からの下りではさらにたくさんの人に会い、この山の人気は本物だ。

Dsc06329

Dsc06331
笹原峠までくると、ほとんどの人が三方山方面に下りていく。

ここからアセビ平やもみじ峠までの稜線歩きこそ養老山歩きの華なのになあ。

Dsc06335
疲れた体に急なアップダウンはきついが、優れた道だと思う、あるね。
もみじ峠まで行って古道で林道に入るのが普通だが今日はアセビ平まで。
そこからは古道を下りるよりもかなり遠回りになるが単調な林道に入る。

目的は晩秋の名残の紅葉。
山道とはちがって気をつかう必要のない広い道をだらだらと下りて行く快感。

ほら、たしかに残ってた光と紅葉。

Dsc06348

Dsc06352
歩き疲れたからだにはそれなりにクールダウンにはなったとさ。

Dsc06351
いわゆる一般登山口の滝駐車場にくると観光客がどっと増える。

Dsc06355
ここからは喧騒の世界。

静かな山とは異なる世界を見るのも大切なこと、これまたいいじゃないの。

Dsc06360
子どものころから何度も来ているけど、飽きることはない。

養老駅にはさらにぐんと下っていくのだった。

Dsc06365

電車を使った周回縦走山歩き、変化に富んでいて満足感は高い。
季節を変えて、といっても春しかないが、もう一工夫して再訪したい。

その後にこのところ週に何度も来ているここへ寄る(本当はこちらが中心)。

Dsc06194
家に戻ってからの夜、呼び出される。
覚悟はしていたけど。

 

| | コメント (0)

2019年12月10日 (火)

日記:二度目の東京で紅葉を

日記:二度目の東京で紅葉を

2泊三日の東京観光、美術館・博物館めぐりに紅葉庭園歩きを入れる。
ふだん新聞やテレビで見聞きする地名が少しだけ実感を伴ってきた感じ。
首都は文化や芸術が集まり交通も便利で実に恵まれたところだと思う。

Dsc06443

【訪問期間】2019年12月5日(木)~12月7日(土)
【地 域】東京:都立庭園と駒込、竹橋、汐留など
【天 候】晴れ時々曇り、最終日は雨、気温は下がっていく

貯まったマイレージの期限が迫り、それを名古屋~羽田の航空券にする。
当初の予定は4泊五日、ただ諸般の複雑な事情で日程は半分になる。
前半の無理で急なキャンセルがなんとかなって後半の再設定、滑り込みセーフ。
紅葉の高尾山縦走はあきらめ、美術館・博物館を中心に庭園歩きを加える。

名古屋から羽田は35分だそうで飛び立つと間をおかず富士山がくっきりと見える。
見事な富士山に感動、これなら東京も晴れそうなので紅葉めぐりを優先する。
羽田からモノレールと地下鉄を乗り継ぎ青山一丁目で地上に出る。

イチョウ並木祭りは先週までだが、これがうわさ「外苑通り」。

Dsc06376
スマホやカメラを構える人が多いのはよくわかる。

Dsc06379
よく見れば、ほとんど海外からの人だった。

そのまま進んでいくと左手に、最近完成したという建造物があらわれる。

Dsc06381
木材と植栽を取り入れて自然をなんとかなので、どこか古びた印象を受ける。
自撮りスマホで実況中継している輩も、あらまあ東京だわ。

この先の庭園はどこから入れるのだろう。

Dsc06382
ガイドブックやスマホを持っていないのでそこが不安、情報弱者の困惑。
狭い通路を通り抜けてなんとか正門ではない入り口へ。

Dsc06383

「新宿御苑」、見事な広さにあんぐり。
まずはあそこではなく、右手の立派な温室へ入る。
たわわに実った青いバナナがお出迎え、以下、珍しいものがいっぱいですばらしい。

Dsc06389

Dsc06390

紅葉といえばすぐ目に入ってきたのが大木のイチョウの黄葉。

Dsc06392

となりの落葉した大木には説明板があって「新宿御苑の桜」のことが。

Dsc06397

イチョウとイチヨウってちがうよな。
あの男の説明と同じでわからん、まさかウソやごまかしはないだろう。
およそ1万8千人の見たサクラの今の姿。

Dsc06395

入園料は一般500円、65歳以上は半額の250円。
年間パスポート(2000円)でいつもふらりの散歩生活、うらやましい。

Dsc06405

昼時を過ぎたので遅い昼食を浅草スカイツリータウンへ。

Dsc06407
ケーキバイキングでスィーツをたらふく食べたら腹がばんばんに張ってしまった。
動くのがつらい、反省。

初日の〆は上野へ。

Dsc06411
国立西洋美術館の展示は入れ替えもあって落ち着く。

Dsc06412

2日目の天気、午前中は晴れ午後曇り、まずは予定の「小石川後楽園」へ。

宿泊地の蔵前から、都営地下鉄大江戸線の乗る。
降車駅は飯田橋、案内に従い最寄の出口を目指していく。
エレベーターやエスカレーターは不要、常に階段で上がるのが俺のルーティンなのだ。
ここでは失敗、やられた、途中で息があがった。

「小石川後楽園」は水戸黄門ゆかりの名園で特別史跡・特別名勝だそうな。

Dsc06416
なるほどこういうのが大名が手をかけ金をかけ文化と教養を注いだ庭、なのか。

Dsc06428
中心の大きな池を周囲のいろんなところから鑑賞する。

Dsc06431
周囲に盛って築かれた高みからは外界を眺める。

Dsc06445
土地の高低差を利用して深山幽谷に川や滝があり地名がつけられる。
木曽川、寝覚め滝、竹生島、龍田川、蓬莱島、清水観音、なんとまあ。

名所というのはただ単に有名なだけでなくしっかり中身が詰まっている。
そこで「都立庭園紅葉めぐりスタンプラリー」の存在を知り、参加することにする。
ならば近い駒込の「旧古河庭園」と「六義園」を縁結びチケットで訪問。

和と洋が調和する大正の庭「旧古河庭園」はバラ園と洋館がお出迎え。

Dsc06455
高低差の大きな庭はこじんまりとまとまり、いろんな種類の大きな灯篭が特徴。

Dsc06459
えっ、ここでカワセミ、かの鳥がじっとしているのも納得。

Dsc06461

一方、和歌の心息づく雅な大名庭園「六義園」は訪問客がとても多い。

Dsc06467
カメラを構える一団、ぞろぞろ歩く団体さん、庭はとにかく広くて手に余る。

Dsc06477

名園をいくつか急ぎ見ただけだが、約束事が少しわかって得した気分。

Dsc06482
あとは当初の目的の美術館へ。

Dsc06506
曇ってきたし、歩き疲れたので竹橋の東京国立近代美術館へ。
下見気分で、さーっとまわる。

最終日、天気は雨、気温もぐっと下がり横浜では雪が降る。
美術館めぐりの一日。
新橋のパナソニック汐留美術館へ「ラウル・デュフィ展」。

Dsc06488

少年時代の思い出で、ユトリロといっしょに記憶に残っていた名前の画家。
絵画とテキスタイル・デザインと言われても、絵画の一部だけしか知らない。
ただ、ふつうの人ともマニアックな人ともがぞろぞろ来ているのが驚き。
明るくて軽いタッチに今にも小躍りしそう、は記憶どおり。
音楽が大好きというのも自分と同じでよかった。

それなりの満足感から余裕をもって、再び竹橋の東京国立近代美術館へ。

まずは工芸館「竹工芸名品展」。

Dsc06501
ニューヨーク、メトロポリタン美術館所蔵のアビー・コレクションの里帰り。
地味な印象にほとんど期待はなし、ええ、この高度に精緻な完成度は。

Dsc06489

Dsc06495

Dsc06499

バンブーメモリーにバンブービギンとかっての名馬を思い出してしまった。

一方、美術館では、窓をめぐるアートと建築の旅「窓展」。
あるテーマに基づく企画展というのは、時間と余裕がとても大切。
じっくり見て、味わわないともったいない。

Dsc06511
ワルシャワの窓から眺め撮る作品と、「タンゴ」という輪廻映像に感心する。

いつまでも芸術表現が自由に楽しめる社会を、それがあってこその人生だ。

Dsc06516

Dsc06504

 

| | コメント (2)

« 2019年11月 | トップページ | 2020年1月 »