日記:二度目の東京で紅葉を
日記:二度目の東京で紅葉を
2泊三日の東京観光、美術館・博物館めぐりに紅葉庭園歩きを入れる。
ふだん新聞やテレビで見聞きする地名が少しだけ実感を伴ってきた感じ。
首都は文化や芸術が集まり交通も便利で実に恵まれたところだと思う。
【訪問期間】2019年12月5日(木)~12月7日(土)
【地 域】東京:都立庭園と駒込、竹橋、汐留など
【天 候】晴れ時々曇り、最終日は雨、気温は下がっていく
貯まったマイレージの期限が迫り、それを名古屋~羽田の航空券にする。
当初の予定は4泊五日、ただ諸般の複雑な事情で日程は半分になる。
前半の無理で急なキャンセルがなんとかなって後半の再設定、滑り込みセーフ。
紅葉の高尾山縦走はあきらめ、美術館・博物館を中心に庭園歩きを加える。
名古屋から羽田は35分だそうで飛び立つと間をおかず富士山がくっきりと見える。
見事な富士山に感動、これなら東京も晴れそうなので紅葉めぐりを優先する。
羽田からモノレールと地下鉄を乗り継ぎ青山一丁目で地上に出る。
イチョウ並木祭りは先週までだが、これがうわさ「外苑通り」。
そのまま進んでいくと左手に、最近完成したという建造物があらわれる。
木材と植栽を取り入れて自然をなんとかなので、どこか古びた印象を受ける。
自撮りスマホで実況中継している輩も、あらまあ東京だわ。
この先の庭園はどこから入れるのだろう。
ガイドブックやスマホを持っていないのでそこが不安、情報弱者の困惑。
狭い通路を通り抜けてなんとか正門ではない入り口へ。
「新宿御苑」、見事な広さにあんぐり。
まずはあそこではなく、右手の立派な温室へ入る。
たわわに実った青いバナナがお出迎え、以下、珍しいものがいっぱいですばらしい。
紅葉といえばすぐ目に入ってきたのが大木のイチョウの黄葉。
となりの落葉した大木には説明板があって「新宿御苑の桜」のことが。
イチョウとイチヨウってちがうよな。
あの男の説明と同じでわからん、まさかウソやごまかしはないだろう。
およそ1万8千人の見たサクラの今の姿。
入園料は一般500円、65歳以上は半額の250円。
年間パスポート(2000円)でいつもふらりの散歩生活、うらやましい。
昼時を過ぎたので遅い昼食を浅草スカイツリータウンへ。
ケーキバイキングでスィーツをたらふく食べたら腹がばんばんに張ってしまった。
動くのがつらい、反省。
初日の〆は上野へ。
2日目の天気、午前中は晴れ午後曇り、まずは予定の「小石川後楽園」へ。
宿泊地の蔵前から、都営地下鉄大江戸線の乗る。
降車駅は飯田橋、案内に従い最寄の出口を目指していく。
エレベーターやエスカレーターは不要、常に階段で上がるのが俺のルーティンなのだ。
ここでは失敗、やられた、途中で息があがった。
「小石川後楽園」は水戸黄門ゆかりの名園で特別史跡・特別名勝だそうな。
なるほどこういうのが大名が手をかけ金をかけ文化と教養を注いだ庭、なのか。
土地の高低差を利用して深山幽谷に川や滝があり地名がつけられる。
木曽川、寝覚め滝、竹生島、龍田川、蓬莱島、清水観音、なんとまあ。
名所というのはただ単に有名なだけでなくしっかり中身が詰まっている。
そこで「都立庭園紅葉めぐりスタンプラリー」の存在を知り、参加することにする。
ならば近い駒込の「旧古河庭園」と「六義園」を縁結びチケットで訪問。
和と洋が調和する大正の庭「旧古河庭園」はバラ園と洋館がお出迎え。
高低差の大きな庭はこじんまりとまとまり、いろんな種類の大きな灯篭が特徴。
一方、和歌の心息づく雅な大名庭園「六義園」は訪問客がとても多い。
カメラを構える一団、ぞろぞろ歩く団体さん、庭はとにかく広くて手に余る。
名園をいくつか急ぎ見ただけだが、約束事が少しわかって得した気分。
曇ってきたし、歩き疲れたので竹橋の東京国立近代美術館へ。
下見気分で、さーっとまわる。
最終日、天気は雨、気温もぐっと下がり横浜では雪が降る。
美術館めぐりの一日。
新橋のパナソニック汐留美術館へ「ラウル・デュフィ展」。
少年時代の思い出で、ユトリロといっしょに記憶に残っていた名前の画家。
絵画とテキスタイル・デザインと言われても、絵画の一部だけしか知らない。
ただ、ふつうの人ともマニアックな人ともがぞろぞろ来ているのが驚き。
明るくて軽いタッチに今にも小躍りしそう、は記憶どおり。
音楽が大好きというのも自分と同じでよかった。
それなりの満足感から余裕をもって、再び竹橋の東京国立近代美術館へ。
まずは工芸館「竹工芸名品展」。
ニューヨーク、メトロポリタン美術館所蔵のアビー・コレクションの里帰り。
地味な印象にほとんど期待はなし、ええ、この高度に精緻な完成度は。
バンブーメモリーにバンブービギンとかっての名馬を思い出してしまった。
一方、美術館では、窓をめぐるアートと建築の旅「窓展」。
あるテーマに基づく企画展というのは、時間と余裕がとても大切。
じっくり見て、味わわないともったいない。
ワルシャワの窓から眺め撮る作品と、「タンゴ」という輪廻映像に感心する。
いつまでも芸術表現が自由に楽しめる社会を、それがあってこその人生だ。
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コメント
たいへんお久しぶりです たそがれさん 幡豆のいかれ者です
便利なんです あそこは
可能と不可能が混在して魅惑の都市 浦の苫屋で見る紅葉 違うな
ただあの混雑 息苦しさ 堪らなかったです
投稿: k | 2019年12月11日 (水) 20時09分
kさん こちらこそご無沙汰しております ご機嫌いかがですか
>便利なんです あそこは
>可能と不可能が混在して魅惑の都市 浦の苫屋で見る紅葉 違うな
うっと、こんなうまいこと、とても思いつかないし言えないなあ。
>ただあの混雑 息苦しさ 堪らなかったです
たしかにそうですね、でもふだん人と交わらない自分には驚きと新鮮でもあります。
どこへ行っても、どこに居ても変わらないのですわ。
投稿: たそがれ高洋 | 2019年12月13日 (金) 00時18分