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2021年11月

2021年11月24日 (水)

山歩き:県民の森から宇連山、岩尾根と紅葉

山歩き:県民の森から宇連山、岩尾根と紅葉

秋を愛でる月間は三河へ、凛々しい岩尾根を歩き紅葉庭園を楽しむ。
前回までの鈴鹿も養老も記憶と現実の相違は大きく、ここでもそれを確認する。
長い山歩きの途中と最後に、約束された休息場と眼福のあるのがうれしい。

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【山行日】2021年11月20日(土)    
【山 域】地元愛知:県民の森、宇連山
【天 候一部周回 単族 軽装
【コース】県民の森駐車場起点
P7:57--南尾根・西尾根--10:02西北分岐10:08--10:39宇連山11:01--
--11:27西北分岐--北尾根--12:12北展望台12:22--戻って林道--13:34P

県民の森駐車場には朝早くからたくさんの車で誘導員さんも忙しい。

キャンプ場から入ってジグザグの道、ウラジロの中、岩尾根に進む。

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急な上りとはいえ、歩き始めなのでほかの皆さんも元気がいい。
最近、大人の歩きを身に着けた自分も、調子に乗らないように行く。
最初の休息場、南尾根展望台に来る。

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県民の森の、東西南北の尾根道に設置されたこれが俺は好きなのだ。
特にこの南尾根のは、それこそ360度の視界がある。
それでもって今や白骨化した材で、吹けば飛ぶようなのがいい。

その後、露岩・岩尾根は恐竜の背のように上下左右にうねっていく。
よく整備されたその道を越えていくのは、快感そのものである。
ただアップダウンは何度もあり、残念ながら高度を稼がない。
背後からはお日様がうらめしいまでに照り付け、じわじわと汗が出る。
そして延々と続く上りになると足がずんずん重くなり、止まるようになる。

いかん、ここってこんなにきついんだ。
やっぱり筋力も体力も弱っているというか、年相応なんだ。
トレラン兄さんや若いのがリズムよく進んでいくのとは大違い。
すると、初老のスリムな人が軽やかに追い抜いていく。
付いていく気も起きないのが情けない。

西尾根と北尾根、宇連山との分岐点に来る。
ホッとするとともに、ぐたっと休憩。
ここまでこればあとは大したことはない。

歩き始めると記憶と違い、ずっと急登らしきが続く。
えっ、えっと自分の勘違いを悔やみながら、何度も足を止める。
もうそろそろ平坦になるから、という淡い期待はずっと裏切られた。
一体、人間の記憶というやつはなんと自分の都合だけで作られているのか。

そんな中、下りてくる連中が多いし、みんな速足に見える。
トレランさんも多く、ランナーズハイの快感に浸っている。
「ここは1万円払ってもいいぐらい価値のあるコースだ」

なんとか宇連山山頂へ。
特等席にひとりだけ。

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日の当たるところで、ひっそりと休憩。
この後のコースについて考える。
素直に下山が一番だが、少しだけ寄り道することに。

先ほどまで山頂に人はいなかったのに、すれちがう人が多い。
グループが多いので、にぎやかになるんだろうな。

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西・北尾根分岐からは左折して、北尾根を下りる。
ここは県民の森の周回尾根で一番の急坂。
上りだとそれだけ辛いところだが、ここでも結構な人とすれ違う。
トレーニング好きというか、M気質の方の群れる山域。

上から目線でがしがし下りていく。
前方に鮮やかな黄紅葉。

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空が青いなあ。
思わぬところでこうやってあらわれるのが、いい。

分岐を2つやり過ごし、あと少し、と上っていく。

あった。
久しぶりの北尾根展望台。
ロケーションはいいのだが、デジカメるには決まらない。
深山幽谷、中華風文人の東屋にならないではないか。

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これまた記憶の錯綜というやつ。
あきらめもついた、というか、それなりに安堵してユン・ゲサン。
林道までは地味な道、ただ周囲には巨岩が点在していた。

大津谷林道に出て、平坦な道をちんたら歩いていく。
ここですれ違う人々はもうほとんどが観光客で、紅葉狩りのち滝見。
自分も人々にすんなりと溶け込んでいく。

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いいじゃないか。
これで何の不満があると。
眼福に包まれる幸せ、ただ足にはきついコースだった。

 

 

 

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2021年11月20日 (土)

山歩き:川原峠から養老山、三度目は?

山歩き:川原峠から養老山、三度目は?

紅葉を愛でる山歩き、経験と情報からねらいをつけて懇意の養老へ来る。
昨年は10日遅かったという反省から今年は一週早めたがそのもくろみや如何に?
三度目の正直なのか、人生は至る所運のみ、それとも新たな教訓はありや。

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【山行日】2021年11月13日(土)    
【山 域】養老山地:川原峠、養老山
【天 候】晴れ
【形 態】周回(一部電車利用) 単族 軽装
【コース】美濃津屋、農村公園駐車場、起点
P7:08--東海自然歩道--8:35川原峠--9:14避難小屋--10:05養老山--
--10:22小倉山10:51--10:58笹原峠--アセビ平--12:30滝P--13:12養老駅13:31--
--養老鉄道(¥260)--13:35美濃津屋駅--13:48P

今年の紅葉は遅れていたのに、ここにきて徐々に早まっている。
いにしえの歌人が心惑わされたように、今時の山歩き人も伝統を受け継ぐ。

今日のコースの一番の目的地は、川原峠から北に上がった坂の黄金ロード。
ある連中が養老から南下してきてそこで恩恵にあずかった、という過去レポ。
それを深く望みつつも、外してもほかの各所に見どころはある。

それに自分の心境の変化として、焦らずゆったりと味わいたい。
養老という人気の観光地と自然歩道という一見楽そうな縦走コースである。
でも距離は二十数キロにおよび、アップダウンも結構なものなのである。

稜線漫歩という都合のいい記憶は抑え、そこに至る苦しみを胸に刻む。

昨年も利用した駐車地に来る。
そこのトイレはバス停を兼ねていて、「農村公園前」の表示。
なるほど少し趣があるとは感じていたが、気が付かなくて申し訳ない。

出発。

ここから、美濃津屋駅方面から来る東海自然歩道に合流するのは少し難儀。
単純に向かえばいいのだが、ともすると短縮路がありそうに見えてしまうので要注意。
ショートカットするとどこかで鉄条網に引っかかるか、ヤブコギになる。

自然歩道は何度も枝分かれするが、きちんと表示がある。
林道のような歩道なのでペースを上げそうになるが、それは如何なものか。
辛い上りの記憶はどうしても忘れやすくなり、一気に次へ飛んでしまう。
単純な道だから速度を上げすぎてしまい、それが結構足にくるのである。
その負担が後半にじわじわと悪い方に効いてきて息の上がるもとになる。

それがようやく分かるようになり、自分も大人になったものだと思う。
気が付いた時にはもうすっかり高齢者、老人である。

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石がごろごろしていて急で歩きづらいこともあり息が上がる。
でも焦らずじっくり、体力の浪費を抑え、呼吸を整えつつ進んでいく。

崩落の進んだ斜面にネットで補修がされたところに来る。
とてもありがたいのだが、この補修は崩落の激しさに追いついていない。
そしてここから川原峠までずっとこの崩落状態が続くのである。
とにかく深い谷に落ち込む急斜面なので崩れが止むことはない。
自然歩道だからと変な期待はしないで、相応の覚悟をして臨むこと。

峠に近づくとあたりは開けてくるが、たぶんなかなかたどり着けない。
峠に上がりさえすればなんとかなる。
右手、養老方面へはさらに斜面を上がっていく。

道が急に広がり、東屋が見えてくる。
とてもいいところなので、ここで休憩する。

さて、うわさの黄金ロードや如何に。

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うーん、だったか。
期待しすぎた自分がアレだったな。
うまく予測したつもりだったが、そこが自分の甘ちゃんたるところ。

そこで教訓として、逆を考えてみる。
何も期待せずにここへ来ればよかったんだ。
だったら冷静に対処できるし・・・。

ルンルン山歩きも、記憶と違いかなりの高低差がある。
楽そうだなどと期待しないで覚悟が大事、ということ。

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避難小屋に来る。
この周辺はちょっとした公園風で、視界が一気に開けるところである。
ロケーションとしては申し分なし。

期待改め覚悟の、静かな歩きを続けていく。
と急に、前方に人の姿を認める。
きれいな尾根遺産のようだ。
今日はじめて会う人で、あわてていてマスクも出来ず。

養老方面からの人で、多度まで向かう、という。
エスケイプルートとしては石津とか。
強いなあ。
それなりに荷物も背負い、すぐに淡々と駆けて行った。

アップダウンはあるものの静かな山歩きは養老山まで続く。
そこからは一気に人気の山、観光地となる。
小倉山までの区間は独標も含めてそれなりに味は濃い。
展望もいいし、鞍部の灌木のその向こうに期待をもたせる。

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遠く、霊仙が凛々しい。

小倉山でぐったり休憩。
広場だが、ベンチの数が少なくてほとんどが埋まっている。
場所取りそのものが運だけのような気がする。

笙が岳や裏山、これから歩く独標と表山が見える(写真は割愛)。
遠くを見れば、もうかつての山体はない赤坂こと金生山。

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笹原峠まで下り、アセビ平までの痩せ尾根歩き。

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上下動がきついけど、左右に視界が開けるのが良き。

こちら側から登ってくる人が結構多いのはなぜ。

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アセビ平からは大回りの林道で下っていく。
もちろん、紅葉鑑賞のため。
ということは、すれちがったたくさんの人もそれなのか。

とそこへ各人が少しずつ離れて上がってくる一団。
疲れた様子で、そして聞かれる。
「山頂まではあとどのぐらい?」
「あと1時間はかかります」
「ええっ」

驚いて、しかも自分に怒りをぶつけられても困る。
汗がたらたらで重い足取りから、本当はもっとかかりそうだけど。
あとでわかったことは、養老町の『養老山頂登山道』の記述が紛らわしい。
入山口にこちらを勧め、所要時間の合計が分かりにくい、ことなど。
彼らは林道だから簡単と見くびり、ペース配分が分からずに怒った、てか。

さて紅葉の定点観測の、昨年おじさんたちが盛り上がっていた場所は?

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うーん、だよね。
自分のよみはすべてにおいてこうなんだ。

期待すれば当然外すことになる。
期待していなければ、逆に、偶然の幸運に巡り合える。
マイナス志向って捨てたもんじゃない。
そこからもう少し下っていくと、最初の場面に出会った。

そんな長い周回縦走コースも滝口の登山口・下山口で終了。
年間百万人が訪れるという観光地「養老の滝」園地に至る。
もちろんこちらの紅葉はまだ、でも観光客はいっぱい。
外国の人のグループ参加の多いのがある意味、特徴か。

養老鉄道の駅まではなお距離があり、下りで急いだので足の裏が痛い。
電車は40分間隔。
それなりの時刻で救われた。

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次回は北上ではなく南下で考えるのか、別のコースか。
なんとか歩けたことこそ、もうけものって感じでもある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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2021年11月11日 (木)

山歩き:タイジョウからイブネ・銚子

山歩き:タイジョウからイブネ・銚子

鈴鹿の秋を愛でる山歩きは本命の千種街道、藤切谷を歩く。
「タイジョウはここから」分岐で、そのまま西コルに上がらず、南尾根を経由する。
タイジョウ尾根は紅葉の盛りで、千種街道・藤切谷も期待通りの華やかさ。
かつて鈴鹿の奥座敷といわれたイブネはここ数年でピクニック広場に転じた。

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【山行日】2021年11月6日(土)    
【山 域】近江鈴鹿:千種街道、タイジョウ・イブネ・銚子
【天 候】晴れのち曇り
【形 態】一部往復の周回 単族 軽装
【コース】鳴野橋付近の駐車地、起点
P7:25--8:03分岐--南尾根--9:26タイジョウ--アゲンギョ--10:28イブネ・銚子11:41--
--12:13杉峠--12:37向山鉱山跡12:51--13:07塩津橋--13:58P

長い夏のような気候のあとで、秋がどんどん圧縮されていく。
遅れているといわれた今年の紅葉は、ここにきて一気に進んだ様子。
となると鈴鹿の秋の紅葉の、自分としての本命場所に行かねばならぬ。

千種街道・藤切谷は帰りとして、行きは久しぶりにタイジョウ尾根とする。
数回来ているタイジョウだが変化をつけて南尾根から迫ってみよう。
イブネも久しぶりなので最近の人気ぶりなんかをしっかり観察したい。

近江鈴鹿はとにかく遠い、その分、朝が早くなるので身に応える。
トンネルぬけて道の駅で休憩、永源寺はまだ閑散としていて助かる。
鳴野橋周辺の駐車地には予想通りたくさんの車がすでに来ていた。

本日は距離も長いのですぐに出発。
最初の林道歩きが長いのは仕方がないが、朝早くの光線の具合はいい。
前にも後ろにもグループがいて、にぎやかな雰囲気。

鉄板橋をわたり、「タイジョウはここから」表示で左折する。
他にもタイジョウ尾根に上がる方法はあるが、手っ取り早く安全に。
朴の落ち葉の、それとなくかつての段々畑のようなところを進んでいく。
地形図を見つつ、記憶をたどる。

そうだ、ここは通った気がする。
ここら辺からは谷沿いで、斜面にとりつくのはどこだったか。
そんなことを思いつつ、しっかりついているピンクテープの行き先を見る。
途中から、記憶があいまいになり、ピンクに流されるようになる。
これって、とてもまずいパターン。
いわゆる一般ルートではなさそうだが、目的の南尾根へは向かっている。
だったら、いいじゃないか。

枝尾根はだんだんと急になり、息が上がる。
コンパスで方角を確かめると北でも東でもなくずっと南東が続く。
この木製のコンパスの精度にはあまり自信がない。
以前、寒い日の稜線上では明らかに止まっていた。
これって子どものころ水筒のふたについていたコンパスと同じやん。
タイジョウへ向かうなら、そろそろ北方面を示してもらいたい。

枝尾根から支尾根に、いわゆるタイジョウ南尾根に乗ったらしい。
ずっと静かだったのに、左の谷底からキャッキャと女人の声が聞こえる。
こんなマイナールートでおかしい、空耳それとも幻聴。

尾根はアップダウンがあり、それは地形図通りなのでちょっと安心。
ようやくタイジョウにまともに向かい始めた。
紅葉も樹木の枯れ具合も光もよく、この尾根にじんわり満足感。

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前方にうっすらだがタイジョウが見え始めた。
上下動は依然としてあり、なかなか近づけない。
山頂への最後の鞍部には、よく見ると池らしきものがある。
噂のタイジョウ池?
外れにはヌタ場、落葉がしっかり積もっていて、ミラーは期待できず。
反対側に回ってみると、位置的に山上の池としては出色だ。

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そこから山頂へは急登。
でも、タイジョウ尾根をカクレグラなど西から来るよりはなだらかだ。

以前、タイジョウ山頂からこの池を求めて南へ下りようとしたことがある。
地形図とコンパスを使って探ったけど、この南尾根がわからなかった。
東南に踏み跡と尾根らしきがあったけど、すぐに消えてがっくり。
その時は、アゲンギョ・杉峠方面への尾根筋を見つけるのにも苦労した。
少し尖った感じの山頂から下りる時、方角を定めるのは常にむずかしい課題だ。
次回があるなら、樹間の向こうの綿向山を目指せば確かだろうな。

尖ったようで多少は広いタイジョウの雰囲気のよい山頂から先へ進む。

東尾根はまずは北へ向かいつつ右へカーブして下っていく。
痩せ尾根なのでほとんど一本道。
途中、汗をしっかりとかいた若者に会いびっくり。
こんな時間にこんなところへ杉峠あたりから来る人ってどこへ行く人。
朝明から来てタイジョウまで足を伸ばし、帰りにイブネ・クラシへ寄っていく、と。
最近、運動不足なのでとにかく歩きたい、だそうな。
いやはや、鬼足というか健脚というか、発想にびっくり。

佐目子谷側が大きく崩落しているガレを恐る恐る通過。
えぐれが激しく、巻き道もあるが、いつかはやばそう。

「あつまれシャクナゲの森」の繁茂はさらに進み、ふちを通っていく。
もしビバークの場合、この茂みに入ればなんかはしのげそう、知らんけど。

そんなたわいもないことを考えつつ、疎林の広がりに入っていく。
アゲンギョはいつもわれわれとともにある。

杉峠からイブネに向かう分岐に来る。
朝、登山口で見かけた3人組ともここで再会する。
藤切谷から杉峠で来ているからむこうのが早く来れそう。

前にも後ろにも人の姿があり、にぎやかになる。
やっぱり、イブネの人気は確からしい。
テント泊組がこんな時間にもう来ている。

佐目峠のおケツ割れ石を過ぎると、向かうイブネの最後の上り。

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空が青いなあ。
道のえぐれが大きいが、こんなに苔があったかなあ。

一段あがり、もう一段あがる。
イブネ広場が眼前に開ける。
ここも苔が多いけど、なんか植生が変わった感じ。

あちらこちらにくつろいでいる人がいるのでメインロードをとにかく進む。
西側のアセビ森が広がり、道は1本、観客は東側に片寄って腰を下ろしている。
少し進んで左側の樹林が切れたところで西、銚子・タイジョウ尾根・琵琶湖を臨む。

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北端へ進む。

クラシ方面や北方を見る。

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なんかこちらもやたらと人が多いけど、クラシってそんなに人気なの。
それとも、銚子との分岐あたりがそうなの。
みなさんに釣られて軽足で向かう。
ここはクラシではなく、銚子だな。
遠くから見てもだれもいなかったからね。

土のむき出しが多くなった銚子で休憩。

イブネ劇場。

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ヤブコギネットでよく使われた表現。
もちろん、銚子劇場もあった。
再びイブネに戻っていく。

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これはもう都会のオアシス、というかピクニック広場。

今宵は何張りのテントが埋めるのか。

昔はあんなにも遠くて時間のかかったイブネ。
情報伝播だけでこんなにも人を惹きつけられるものなの。
流行のふしぎ、そんなことをもやりながら帰途に就く。

杉峠から千種街道・藤切谷道を紅葉を愛でながら下る。

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まるで裏切られることのない安定の道。

もちろんいつもの向山鉱山跡では道草。

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たそがれ写真を撮り続けてうん十年、よくやるよ。

 

 

 

 

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2021年11月 7日 (日)

山歩き:鎌尾根から鎌が岳・白ハゲの秋

山歩き:鎌尾根から鎌が岳・白ハゲの秋

県外登山解禁し、徐々に身体を慣らすため、秋を求めて鈴鹿に来る。
遅れているとはいえ、聞かれ見える情報は気持ちを急き立てるものが多い。
ここは中央突破、見てよし登ってよし感じてよしの鎌が岳へ向かう。

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【山行日】2021年10月30日(土)    
【山 域】鈴鹿:宮妻峡、水沢・鎌が岳・雲母峰
【天 候】晴れのち曇り
【形 態】周回 単族 軽装
【コース】宮妻峡駐車場、起点
P7:09--林道--7:44水沢登山口--8:27水沢峠--8:47水沢岳--10:04岳峠--
--10:14鎌が岳10:40--10:48岳峠--白ハゲ--11:58雲母峰西独標--12:53P

宮妻峡駐車場を起点にする周回山歩きは毎年の恒例のようなもの。
入道・水沢・鎌・雲母の山頂やイワクラ尾根・鎌尾根・雲母尾根。
上り下りの登山道もいくつもあり、変化に富んでいて楽しい。

問題は個人的なもので、体力と気力と安全に留意して今回は挑む。
大好きな宮妻新道とイワクラ尾根を略すと時間と体力も温存できる、と。
後ろ向きの計画はすぐに欠陥を暴露し悩むも、変更はうまくいった感じ。

今回も普段より早くの到着を目指す。
しかしここでも先週の御池同様、たくさんの車がすでに駐車している。
しかも静か、ということはみなさん、もう出発している、てか。

山歩きが人気急上昇中なのか、鈴鹿が流行の真ん中にいるのか。

出発。
はじめは長い林道歩きなので気分的には楽。
ここを歩いたのは何年も前のことなので、記憶は乏しくて新鮮。
それなりに高度を上げていくので足に負担は感じる。

水沢登山口からは普通の登山道になる。
これが地味というか単調で、山歩きはこうしたもので成り立っているのはわかる。
元気のあるうちはこういうのをわすれるぐらいのペースで行けるのだ。

枯れ沢を横切り、巻いて、峠への最後の上りになる。
そういえば昔、この沢をそのまま登ってしまったことを思い出す。
前にいた子連れの連中が行くので無意識に続いたのだった。
途中で切り立った岩場に身動きが取れなくなり困り果てる一同。

水沢峠手前から紅葉が目立ち始める。
景色はいいが自分の足は疲れをおぼえ、汗もしっかりかいている。
入道を省略してもあまりショートカットになっていないことにがっくり。

すぐに水沢岳への急な上りにかかるのだが、アレを思い出す。
秋の紅葉見物なら、この水沢岳南斜面こそ眼福のひとつだった。
だったら奥ノ沢道からイワクラ尾根に上がるコースの方がよかった。

今日は前にも後ろにも人が多い。
水沢岳周辺で休憩する人はともかく、すれ違う人ってどこから?
キノコ岩の下り、巻き道の広がりと荒れ様に今さらながらびっくり。

そこからはいつものルンルン稜線歩きになる、はず。

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山頂や稜線上に訪れた秋を、太陽を背に受けて味わっていく。
主峰を遠くに見ながらどんどん接近していくこの尾根歩き。
昔も今も変わらずにある、鎌尾根の醍醐味。

衝立岩は、岩峰と岩肌になんと紅葉が映えること。

いつも同じところで同じような写真を撮る。
花の写真もそうだけど、撮ることで感情を確かめているのか。
撮る行為そのものがそのままがめつく取り込む欲望のあらわれ。

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何度も下り、そのたびにおっちらへっつら上がり、じわじわくる疲れ。
先を急ぐ自分とはちがって、きゃっきゃと仲間内でさわぐ人々。
衣装装束は洗練されてはいるが新しいので初めての人もかなり。

鎌尾根では岩峰やコブからの展望がいいので方々で歓声があがる。
何よりも大事なのは、そこにいる自分らしい。
でも山歩きをこんなにも楽しんでいる人々っていいものだ。
感情表現って大切だなあ。

鎌尾根を眼前眼下に見られる鎌が岳の南の山頂。

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鎌尾根を歩いてきた人が自分の足跡を味わう場所だと以前は思っていた。
よく見ていると、武平峠から来た人がとても多い。
危ない岩の外れに陣取ってくつろぎつつ、時折、スマホ自撮りに余念がない。

鎌が岳山頂周辺は紅葉の被写体として本当にいい。
季節を問わずここだけはとにかく画になるところ。

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人が多いのは確かだけど、人そのものが絵に動きをつけてくれる。

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下りはかずら谷道で下りるには早すぎる。

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今年は遅いと思っていた紅葉が、額縁の絵のように味わえた。
雲母峰でも黄色い紅葉が、しかも静かに見られると期待する。

かずら谷道に入ると一気にひとけがなくなる。
雲母峰方面に道を進むとさらに静かな世界になる。

まずは白ハゲ。

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ここも墨絵というか山水画の世界なのだが。

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光線の具合が難しい。

馬の背尾根への道と分かれて雲母尾根方面へ。
道はぐんぐん下るが踏み跡は以前と比べて随分明瞭でよく歩かれている。
そのはずなのだが、ここで人と会ったことはほとんどない。

白砂青松に来る。

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馬の背尾根にも同じ高度にこれと同様の場所がある。
太古の時代、同時期の造山活動で地質が同じというのだろう。
いい雰囲気だと思うが、足元はざれて滑りやすいので要注意。

稲森谷道分岐をすぎて・791の上りに入る。
おお、道が整備されている。
上がった先には以前と違う表示板がある。
へえ、「雲母峰西独標」ねえ。
西峰だと、有名な1峰、2峰の次に離れた西にそれはあった。
今後はこの名前で利用しよう。

先へ進む。
ところが色が悪い。
まるで紅葉感がない。
残念だけどこちらはまだ早すぎた、ということで西独標へ引き返す。

そこからは下りが急だけど、駐車場へは便利なちょっとバリルートを利用。
最初はそれなり。
途中、植林帯と自然林の境を下る場所はつかめる樹木が少なくて苦労する。
その後もピンクテープ表示がそれなりにあるのでなんとか安心。
そろそろ駐車場が見えてきても、なのにそうならない。
道は以前とは少しそれていく感じ、でも上手に作られている。
なんとまあ、かずら谷道にソフトランディング、合流した。
そこから登山口、駐車場へは少しの歩き。

鎌が岳と鎌尾根の秋はそれなりに楽しめた。
それらを楽しむ人々を見ると、自分が忘れていた感情に気づく。
今の自分が歩くには、それなりにきついコースになったが、よしや。

 

 

 

 

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