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2021年11月11日 (木)

山歩き:タイジョウからイブネ・銚子

山歩き:タイジョウからイブネ・銚子

鈴鹿の秋を愛でる山歩きは本命の千種街道、藤切谷を歩く。
「タイジョウはここから」分岐で、そのまま西コルに上がらず、南尾根を経由する。
タイジョウ尾根は紅葉の盛りで、千種街道・藤切谷も期待通りの華やかさ。
かつて鈴鹿の奥座敷といわれたイブネはここ数年でピクニック広場に転じた。

Dsc08330

【山行日】2021年11月6日(土)    
【山 域】近江鈴鹿:千種街道、タイジョウ・イブネ・銚子
【天 候】晴れのち曇り
【形 態】一部往復の周回 単族 軽装
【コース】鳴野橋付近の駐車地、起点
P7:25--8:03分岐--南尾根--9:26タイジョウ--アゲンギョ--10:28イブネ・銚子11:41--
--12:13杉峠--12:37向山鉱山跡12:51--13:07塩津橋--13:58P

長い夏のような気候のあとで、秋がどんどん圧縮されていく。
遅れているといわれた今年の紅葉は、ここにきて一気に進んだ様子。
となると鈴鹿の秋の紅葉の、自分としての本命場所に行かねばならぬ。

千種街道・藤切谷は帰りとして、行きは久しぶりにタイジョウ尾根とする。
数回来ているタイジョウだが変化をつけて南尾根から迫ってみよう。
イブネも久しぶりなので最近の人気ぶりなんかをしっかり観察したい。

近江鈴鹿はとにかく遠い、その分、朝が早くなるので身に応える。
トンネルぬけて道の駅で休憩、永源寺はまだ閑散としていて助かる。
鳴野橋周辺の駐車地には予想通りたくさんの車がすでに来ていた。

本日は距離も長いのですぐに出発。
最初の林道歩きが長いのは仕方がないが、朝早くの光線の具合はいい。
前にも後ろにもグループがいて、にぎやかな雰囲気。

鉄板橋をわたり、「タイジョウはここから」表示で左折する。
他にもタイジョウ尾根に上がる方法はあるが、手っ取り早く安全に。
朴の落ち葉の、それとなくかつての段々畑のようなところを進んでいく。
地形図を見つつ、記憶をたどる。

そうだ、ここは通った気がする。
ここら辺からは谷沿いで、斜面にとりつくのはどこだったか。
そんなことを思いつつ、しっかりついているピンクテープの行き先を見る。
途中から、記憶があいまいになり、ピンクに流されるようになる。
これって、とてもまずいパターン。
いわゆる一般ルートではなさそうだが、目的の南尾根へは向かっている。
だったら、いいじゃないか。

枝尾根はだんだんと急になり、息が上がる。
コンパスで方角を確かめると北でも東でもなくずっと南東が続く。
この木製のコンパスの精度にはあまり自信がない。
以前、寒い日の稜線上では明らかに止まっていた。
これって子どものころ水筒のふたについていたコンパスと同じやん。
タイジョウへ向かうなら、そろそろ北方面を示してもらいたい。

枝尾根から支尾根に、いわゆるタイジョウ南尾根に乗ったらしい。
ずっと静かだったのに、左の谷底からキャッキャと女人の声が聞こえる。
こんなマイナールートでおかしい、空耳それとも幻聴。

尾根はアップダウンがあり、それは地形図通りなのでちょっと安心。
ようやくタイジョウにまともに向かい始めた。
紅葉も樹木の枯れ具合も光もよく、この尾根にじんわり満足感。

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前方にうっすらだがタイジョウが見え始めた。
上下動は依然としてあり、なかなか近づけない。
山頂への最後の鞍部には、よく見ると池らしきものがある。
噂のタイジョウ池?
外れにはヌタ場、落葉がしっかり積もっていて、ミラーは期待できず。
反対側に回ってみると、位置的に山上の池としては出色だ。

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そこから山頂へは急登。
でも、タイジョウ尾根をカクレグラなど西から来るよりはなだらかだ。

以前、タイジョウ山頂からこの池を求めて南へ下りようとしたことがある。
地形図とコンパスを使って探ったけど、この南尾根がわからなかった。
東南に踏み跡と尾根らしきがあったけど、すぐに消えてがっくり。
その時は、アゲンギョ・杉峠方面への尾根筋を見つけるのにも苦労した。
少し尖った感じの山頂から下りる時、方角を定めるのは常にむずかしい課題だ。
次回があるなら、樹間の向こうの綿向山を目指せば確かだろうな。

尖ったようで多少は広いタイジョウの雰囲気のよい山頂から先へ進む。

東尾根はまずは北へ向かいつつ右へカーブして下っていく。
痩せ尾根なのでほとんど一本道。
途中、汗をしっかりとかいた若者に会いびっくり。
こんな時間にこんなところへ杉峠あたりから来る人ってどこへ行く人。
朝明から来てタイジョウまで足を伸ばし、帰りにイブネ・クラシへ寄っていく、と。
最近、運動不足なのでとにかく歩きたい、だそうな。
いやはや、鬼足というか健脚というか、発想にびっくり。

佐目子谷側が大きく崩落しているガレを恐る恐る通過。
えぐれが激しく、巻き道もあるが、いつかはやばそう。

「あつまれシャクナゲの森」の繁茂はさらに進み、ふちを通っていく。
もしビバークの場合、この茂みに入ればなんかはしのげそう、知らんけど。

そんなたわいもないことを考えつつ、疎林の広がりに入っていく。
アゲンギョはいつもわれわれとともにある。

杉峠からイブネに向かう分岐に来る。
朝、登山口で見かけた3人組ともここで再会する。
藤切谷から杉峠で来ているからむこうのが早く来れそう。

前にも後ろにも人の姿があり、にぎやかになる。
やっぱり、イブネの人気は確からしい。
テント泊組がこんな時間にもう来ている。

佐目峠のおケツ割れ石を過ぎると、向かうイブネの最後の上り。

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空が青いなあ。
道のえぐれが大きいが、こんなに苔があったかなあ。

一段あがり、もう一段あがる。
イブネ広場が眼前に開ける。
ここも苔が多いけど、なんか植生が変わった感じ。

あちらこちらにくつろいでいる人がいるのでメインロードをとにかく進む。
西側のアセビ森が広がり、道は1本、観客は東側に片寄って腰を下ろしている。
少し進んで左側の樹林が切れたところで西、銚子・タイジョウ尾根・琵琶湖を臨む。

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北端へ進む。

クラシ方面や北方を見る。

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なんかこちらもやたらと人が多いけど、クラシってそんなに人気なの。
それとも、銚子との分岐あたりがそうなの。
みなさんに釣られて軽足で向かう。
ここはクラシではなく、銚子だな。
遠くから見てもだれもいなかったからね。

土のむき出しが多くなった銚子で休憩。

イブネ劇場。

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ヤブコギネットでよく使われた表現。
もちろん、銚子劇場もあった。
再びイブネに戻っていく。

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これはもう都会のオアシス、というかピクニック広場。

今宵は何張りのテントが埋めるのか。

昔はあんなにも遠くて時間のかかったイブネ。
情報伝播だけでこんなにも人を惹きつけられるものなの。
流行のふしぎ、そんなことをもやりながら帰途に就く。

杉峠から千種街道・藤切谷道を紅葉を愛でながら下る。

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まるで裏切られることのない安定の道。

もちろんいつもの向山鉱山跡では道草。

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たそがれ写真を撮り続けてうん十年、よくやるよ。

 

 

 

 

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