海外その他

2019年4月12日 (金)

欧州:パリの憂鬱

  欧州:パリの憂鬱

世界中からたくさんの人が集まるこの街は世界の文化の中心、それは歴史の賜物。
いろんな人がそれぞれの都合や事情があってこの街に集い、必死に生きている。
そんなパリへふたたび、ミュゼ(美術館)で美を学び・・・。

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【訪問日】2019年3月中下旬    
【地 域】欧州:フランス・パリ、ベルギー・ブリュッセル
【天 候】 ほぼずっと晴れ、朝晩は冷えた

6年前、ロンドンからパリへユーロスターで来て1週間過ごした。
パリのノルド駅に着き、スーツケースを運ぼうとすると、盗まれていてなかった。
必死に探したがどこにもなく、駅の事務所や警察に言っても相手にされなかった。
とにかく宿へと地下鉄に行くと、切符売り場で親切な紳士に金を騙し取られた。
そんな散々な入都だったが、再びロンドンへ戻るときには垢が少し落ちたようだった。

今回はドゴール空港からRER(高速郊外鉄道)で入る。
ミュージアムパス6日やフォルフェ・パリ・ヴィジットは空港で購入する。
トラベラーズ・チェックも手数料などを聞いて市街地で現金化することに決める。

ここまでは順調だった。
だと思う、たぶん。
市内へ入り、モンマントルの宿へは地下鉄で行き、すぐに見つける。
夕食の買い物でも、近くにスーパーを見つけ、入る。
そこで、最初の洗礼を受ける。

買い物かごを持って数段の階段を下りていくと、後ろからどんと押される。
どうも階段で躓いたようで、つんのめって自分に当たったようだ。
すると、入口の警備の人がこちらを見て何か言ってる。
こちらを見て怖い顔をしているので、何かいけないことをしたのか、と。
警備の人に近づいていくと、彼は自分のカバンを指差した。
そうか、カバンを持って入ったのがだめとか・・・。
カバンを見ると、なんとしっかりチャックがあけられていた。

犯人がどうのこうのというよりも、そういうカバンを持っているのがまずい、と。
確かに背負うかたちのリュックやザックは開けて取られやすい。
自分の、旅では常に愛用の一本掛けのカバンが格好の標的になっている。

ということで、その後はしっかり保持しつつ注意を怠らないようにする。
それでも気がついただけで3回ぐらい、危ない目に会う。

エッフェル塔の近くの地下鉄では前回も被害にあいかけたのでしっかり注意し用心する。

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それでも4人組の少女たちが普通に近くに来ていて、地図を見ようとカバンを見ると。
えっ、開けられている。
すぐ目の前には、伏目がちに笑みをうかべる先の少女のひとりが平然としている。
騒げば仲間もいてさらに面倒になる、だからふつうを装って地図を見てチャックを閉める。
次の駅で降りて、別の車輌に急ぎ乗ると、いつのまにか彼女たちが近くに来ている。
だから次の駅でもう一度、フェイントを掛けつつ、走って逃げる。

そうなのだ、このパリの街では自分なんか、絶好のカモなのだ。
金目なものはほとんど持っていないが、搾り取ればなんとかなるカモ、というやつ。
体力的にもすがた格好でも、赤子の手をひねるぐらい簡単な標的。

寒さ対策で厚手の服を着るよりも、機能を重視した薄手のを重ねるほうが旅にはいい。
山でもどこでも今まではそう思って、それでなんとかできていた。
この街では、鎧のような厚みのある丈夫な服でしっかりと護るのが大切らしい。

ということで、この旅はずっと憂鬱が先行し、どんよりとしたまま。

せめて覚書。

ユトリロがよく描いていたモンマントルの丘、サクレ・クール寺院へ朝早く行く。
丘へ上がる石段は長いが、振り返ると静かな街並みに朝日がまぶしい。

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寺院も横顔も輝いている。

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正面にまわってパリの街を見る。
すぐ目の前、というか眼下におかしなものがある。

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このオブジェ、ちょっとやりすぎ。

もちろんオブジェではなくて、この朝の一時だけだったようだ。

ふだんは人がいっぱいらしい周囲の観光名所を散歩する。

銅像、みんな触るのはもちろんそこだけ。

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ルノアールのムーラン・ド・ギャレットはここ。

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こちらはムーラン・ルージュ、ムーラン(風車)つながり。

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日が上がり、寒かった花壇に花が咲く。

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数日後には、ストの人の花が立派に咲いていた、これはテレビ画面。

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オルセー美術館のレストランから見えるはずだけど、写真が下手。

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イエロージャケットのストといえばノートルダムで会う。

ここではオレンジジャケットが多かった。

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別の日にもあり、その所為で地下鉄の駅や美術館が閉鎖されパスが使えなかった。

ルーブル、オルセー、オランジュリーへは2回ずつ行く。

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あまりに作品が多いので、見る場所を限ったが、集中力がすぐに切れて残念。

マルモッタン・モネやロダン、ピカソ、マイヨール美術館は今回が初めて。

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ロダンのデッサン、ドガや他の人のも含めてあることに気が付く。

彼らが追い求めたものはつまりそういうことか、と納得。

それにしてもピカソ、彼の美術館。

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彼が死ぬまで売らずに手元においていた定評の作品群。

1本の針金で簡単(?)に創ったこれ(写真は平面、実物は立体)にはびっくり。

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マイヨール美術館では、印象派の作品を集めた特別展が開催中。

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で、さりげなく飾られていたのは。

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昨年、名古屋市美術館ではセンターと扱われた作品、イレーヌ嬢がさらりとあった。

郊外ではパリ公園にイタリア、ローマの松を見て、ヴァンセンヌ城。

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反対側に行けば、現在・未来のパリことラ・デファンス。

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この道の先をたどっていき、しっかりと望遠すると

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あっと驚く建築物は、やっぱり印象が強い。

街中の壁画もしゃれてる。

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もちろん、1日だけ訪れたベルギー、ブリュッセルの王立美術館もすごい。

ブリューゲルやボス、マグリットと線が濃い。

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でも極め付きには地下8階でやっとご対面。

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なんともはや。

どこもかしこも街並みはきれいだった。

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ただ今日も、かつての石畳はコツコツと張り替えられていく。

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そして忘れていたこと、古い情報は自らの首をしっかり絞めてくれる。

空港や「地球の歩き方」で確認したトラベラーズチェック、どの銀行や郵便局でも使用できなかった。

美術館めぐりの教科書としては次の2冊がとても参考になった。
706ハ・布施英利『パリの美術館で美を学ぶ、ルーブルから南仏まで』光文社新書
723ヒ・伊集院静『美の巨人、フランスへ』小学館

布施さんのは薄い本なので要点中心だが、短い文でしっかりまとめている。
マルセイユの場面は親近感が半端ではなかった。

伊集院さんのは2000年頃週刊ポストに連載されていたもの。
週刊誌での人生相談を以前読んで、あまりよい印象を覚えなかった。
絵が好きという一点でしっかり作品を見ていて、他の評論家より分かりやすい。
それは65歳から美術に目覚めた大橋巨泉にも通じるものがある。

 

 

 

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2018年5月25日 (金)

日記:デンハーグ、ロッテルダムとか雑感

日記:デンハーグ、ロッテルダムとか雑感 オランダ旅その4まとめ

アムステルダムはアムステル川の河口に建設した大きなダムの内側にできた都市。
町の形はまるで長崎平戸の出島をぐんと大きくしたような、扇形に広がっている。
出島はどうしてそんな形なのかと昔、社会(歴史)の教科書を見て思ったが、今回で納得。
世界は神様が創ったかもしれないが、オランダはオランダの民衆が造った、と。
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【訪問期間】2018年4月17・18日(火・水)
【地 域】オランダ:デン・ハーグ、ロッテルダム、アムステルダム
【天 候】晴れ時々曇り

京都や札幌のような碁盤の目のような町というのは位置が座標軸上にあるので分かりやすい。
ニューヨークのマンハッタンも垂直にストリートとアヴィニューが交わり、場所が分かりやすかった。
近・現代にできた世界の都市のだいたいがそうだろうなんて思っていたのが大きな誤解。
歴史の重みを鑑みればそれは全く逆で、町の味や深みはそんなところにある方が多い。

フェルメールの有名な絵画があるのがデン・ハーグ。
彼の生誕地デルフトの隣の、かつての都で、政治的に中心的な都市。
マウリッツハウス美術館を主目的に市立美術館やプレディウス美術館へ行く。
降りるのはデン・ハーグセントラル駅。

オランダではどんな都市でもその町の中心にある駅はすべてセントラル駅で統一されている。
これは、よそ者の旅行者には分かりやすくて便利だ。
日本における卑近な例で恐縮だが、刈谷駅と刈谷市駅なんてだれが区別できるか、と。

デン・ハーグは人口も少なく、小さい町なので歩きやすいと思っていたら失敗した。
駅と中心街の位置、バスなど交通網の発着地点が離れ難しくて迷ってしまう。
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フェルメールの代表的な作品だけはしっかりと鑑賞する。
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3点あるのだが、2点は素晴らしくてずっと見ていたいもの。

あと1点は、いくら初期の作品とはいえとてもフェルメールの作品とは思えない。
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ここは日本人の団体さんが必ず訪れる場所で、混乱を避けて時間帯などが優遇されている由。


地球の歩き方の読者投稿で紹介されていたブレディウス美術館もパスで入れる、うれしい。

投稿して推薦している方の言われるとおりこじんまりとした雰囲気のある個人美術館。
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欧米の個人美術館というのは国立や公営を凌ぐところが多いのでさもありなんだが・・・。
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名前のブレディウスというのは、かつてのあの事件と関係があるのだろうか。

その後すぐ近くにある、あの錯視画で有名なエッシャーの美術館へ行く。
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ただ残念ながら、ミュージアムパスは使えない、という。

次の市立美術館へも行きたかったし、時間もおしていたので、パスする。

アムステルダム市立美術館もハーグ市立美術館も市立は近・現代に門戸を開いている。

今現代を育てていかないと未来はないわけだから文句はないが、有名作品は少ない。
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単にこちらの感性の問題なのだが、ニューヨークのMOMAとは比べられない。

ロッテルダムへは鉄道移動の方が早いが、最近できた地下鉄で行く。
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ボイマンス・ヴァン・ベーニンゲン美術館が地下鉄の駅から近い、というのが理由。

ここでの目的はもちろんピーテル・ブリューゲル1世の「バベルの塔」。
昨年だか日本にも来ていたのに、と残念人間は嘆きつつ観る。
それは、ボイマンス美術館も同様なのか、めっちゃ東京展のことを売りにしていた。
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ここは(も)作品数が多くてしっかりと生気を吸い取られる。
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この作品を展示しているのが素晴らしい、ブラボー。
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いい加減疲れ果てて館外へ、そして中央駅へ移動する。
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するとガイドブックの挿絵写真を飾っていた建物がいっぱい並んでいる。
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ロッテルダムって観光ではあまり(?)紹介されてないが、とんでもなく建築未来都市だった。

未来都市といえば中国の上海が有名で、幾何学的で素っ頓狂な塔や建築物が多い。

でも上海はどこかちぐはぐな感じなのに対して、ここはじっくり生活に溶け込んでる。
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生活そのものの市場のすぐ近くで、飛んでる未来が今日もとことん実験している。
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あの17世紀に、世界を席巻したこの国のマグマは今なおふつふつと燃え滾ってる、てか。

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2018年5月 8日 (火)

日記:クレラー・ミュラー美術館

日記:クレラー・ミュラー美術館とユトレヒト オランダ旅その3

ファンゴッホ作品についてはファンゴッホ美術館に次いで多いクレラー・ミュラー美術館。
アムステルダムからかなり離れた地方の国立公園内にあり、行き方が少し厄介。
広々とした敷地には野外展示作品もあり、サイクリングも楽しめる。
帰り、せっかくだから旧都のユトレヒトにも寄り、そこで雨に降られる。
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【訪問期間】2018年4月15日(日)
【地 域】オランダ:オッテルロー(デ・ホーヘ・フェルウェ国立公園)とユトレヒト
【天 候】曇りのち雨

オランダ・トラベルチケット1日券を使って地方へちょっとした電車旅行。
ガイドブックには3つの都市から1時間に1本しかないバスで途中、乗り換えるとのこと。
少し心配したが、鉄道インターシティは快適で、乗り換えバスもきちんと連絡していた。
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バスの中で国立公園入園料を購入し、目的の美術館へ歩いていく。
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ミュージアムパスで入館、ガラス張りの明るくて落ち着いた美術館である。
個人の財力と審美眼でもって貴重な作品が護られ後世に伝えられた、と。
不便な場所にもかかわらずたくさんの鑑賞者がひきもきらず訪れている。
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ファンゴッホ作品がその中心を飾る。

「糸杉」は高校の英語の教科書の挿絵で、「ゴッホの寝室」とともに初めて見た。

特徴のあるタッチでとても勢いを感じる樹木だから印象に残っている。
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cypressの複数形が題名で、先生が「なぜ複数形か?」と質問した。
あの時見た「糸杉」はここの作品ではなかった。
ファンゴッホには同一テーマで描かれた作品が多く、レプリカも多いので迷う。
「見たことがある」と思っても別の作品であることが多い。

例の「ひまわり」にしても有名どころが4点から6・7点あり、真贋論争まである。
元になる作品があってレプリカがあっても、ファンゴッホの手を経れば全てがオリジナルになる。
スタンダードナンバーをその時の到達点や気分で演奏するジャズメンみたいに。
自分の記憶にあった「糸杉」はメトロポリタン美術館のものであり、「寝室」はオルセーか。

ぐるっと周り、空いたところでもう一度見直し、野外に出る。
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展示作品を見るというより、きちんと手の入った庭園を散歩する。
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数日過ごしたオランダは平坦な土地ばかりだったので、少しでも起伏のある土地が珍しい。
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この立体ボックスというか一坪ハウス、いいんじゃない。

散歩の後は、国立公園内にある自転車専用道路を無料の貸し自転車で回る。
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自転車置き場にずらっと並んだ白い自転車はどれに乗ってもいいそうだ。
ただオランダの自転車の9割以上がハンドブレーキではなくペダルを逆回転するタイプ。
サドルが高くて(直せばいいのだが)大柄なオランダ人向きなので選ぶのも大変。

久しぶりにサイクリングする郊外公園はどことなくタスマニアの荒野に似ていた。
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老いも若きも男女関係無く、だれもが自転車に乗って楽しそう。
そして、田舎でも都会でも、自転車はオランダでは一番優遇されている乗り物なのだ。

雨が少しぱらついてきたので、残念ながら早めに切り上げて、公園を後にする。
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鉄道インターシティでアムステルダムへの帰り、時間もあるので、途中下車する。

古い都で町並みが美しいユトレヒトへ。

降り立った駅はとても大きな屋根で覆われ、ショッピングセンターが直結している。
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あまりに近代的というかモダンな様相に戸惑ってしまう。

しばらく歩いて、建物の外に出てようやく一息つける感じ。

古い町並みに歩く人がたくさん。
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遠くからでも目立つ由緒ある教会へ行く。
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こういうヨーロッパ的な庭園というのはあまり心は動かされない。
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これは、いい。
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ユトレヒトの街も他と同じく町の中心を運河が流れ(運河に沿って町が作られ)ている。
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道路より一段低い運河の水面と、その位置に住まいがあるから地階になるのか。
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水の都は今も昔も移動手段は渾然としている。
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カヌーやボートだって普通なのだ。
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そうだった、この街はディック・ブルーナの町でもあった。

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この壁画はいったい何。

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2018年5月 4日 (金)

日記:キューケンホフ公園

日記:キューケンホフ公園で花畑を見る、オランダ旅その2

チューリップ花畑といえばキューケンホフ公園、と言われる観光名所。
よく目にするのは風車を背景に一面、花の色で縞模様のとても広いもの。
そこに見学者は写っていないが、あんなに広い面積をどうやって観光するのか。

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【訪問期間】2018年4月16日(月)
【地 域】オランダ:キューケンホフ公園
【天 候】晴れ、日中は暑いが朝晩は涼しい

花畑といえば日本ではどんな地域にも有名なところがあり、どこもとてもにぎわっている。
自分の近くでは、浜松フラワーパーク・ガーデンパーク、なばなの里、木曽三川公園とか。
有料・無料を問わず、花畑を見て気を悪くする人はあまりいないので、どこも絶好の観光地だ。
選り好みしないで最寄の適地があれば、人生はそれだけで楽しくなり満足できる。

さてオランダを代表する世界的に有名なキューケンホフ公園とはいったいどんな所か。
そこは一年のうち3月中旬から5月中旬までの8週間だけ(!?)開催される、という。
もちろん有料だが、スキポール空港から往復バス運賃と入園料がセットで25€のお値打ち。
世界中から訪れる観光客をどんどんさばいていくシステムもしっかりとしている。
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空港でバスに乗り、公園までは20分ぐらい。
着くと、たくさんの人を目にしてびっくりする。

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広い園内をどのように周るとよいのかという心配も、分かりやすい地図パンフや標識がある。

基本的には、日本の大きな有名公園と違いがあるわけではない。

たくさんの見物客がいても園内が広いので上手に拡散されていく、許容範囲が大きい。
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雨天や暑さしのぎ用に、室内施設がいくつかあり、中はとても充実している。
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ランの館があれば、王道チューリップがどっさりの中央屋内も。
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休憩どころやレストランなども適所にありぬかりがない。
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公園から出て、チューリップ畑の元を、遊覧船で運河をめぐるツァーもある。
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畑とほとんど同じ低い視線で見ると、その広いこと、遠いこと。
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あれはどこかで目にしたことがある?
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ディック・ブルーナーの世界、なるほど出店だ。
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これも、そうか。
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とにかく、広くて大きいし、珍しそうなチューリップや花が多い。
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公園のもとになっている部分が素晴らしい、樹木の大きさと貫禄がすごい。
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ほぼ1日いたけど、飽きることはない、とても落ち着くところだった。
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2018年4月29日 (日)

日記:オランダへ行く

日記:オランダへ行く

ファンゴッホとフェルメールの絵画、そしてチューリップ花畑を見にオランダへ行く。
直行便ではなく香港経由で待ちが数時間あるヒマな人用の計画。
現地で6泊する9日間旅だが、実際に活動できるのは5日と半分。
主要な美術館めぐりを中心に、月曜の休館日はキューケンホフ公園とする。
オランダって文化も交通(鉄道やトラム・バス)網もとても合理的で感心する。
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【訪問期間】2018年4月12日~20日
【地 域】オランダ、アムステルダムの同じホテルにずっと滞在
【天 候】日本よりも一ヶ月遅れの涼しさ、でもすぐに日中は夏という感じ

ファンゴッホとフェルメールの絵画に興味・関心が高まり、それらを求めての旅。
世界中に作品が散らばったとはいえ彼らの生地なのでやはり聖地なのだ。
目的の美術館はアムステルダム国立美術館とファンゴッホ美術館がアムステルダム市。
マウリッツハイス美術館がデンハーグ市、クレラー・ミュラー美術館がオッテルロー。
拝観料は当然高いが、オランダ国内の主なミュージアム対象のパス(高価だがお値打ち)を利用。
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アムステルダム国立美術館、真ん中を自転車の通路が走っている。

キャセイ航空の飛行機は、オランダの玄関であるスキポール国際空港に入る。
このスキポール空港が何かとびっくり、驚くことが多い。
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規模が大きいのは国際的なハブ空港として当然だが、とにかく人が多くてにぎわっている。
空港出口から出るといろんなものがいっぱいある感じでなんかぐしゃぐしゃ。
バスやタクシーなどの案内はどこでも同じだが、すぐ地下には鉄道がある。
これってどこでも同じようだが、滞在中、その鉄道の便利さには感心した。
空の中心であるだけでなく、鉄道駅としてもオランダ国内の中心的存在なのだ。
また空港内にはたくさんの店舗があるが、なんと大きなスーパーが入っている。
レストランやみやげ物屋とは別に、生活必需品がなんでもそろうスーパーがある!

つまり、スキポール空港を拠点にすればオランダ各地への観光などはいつでも簡単にできる。
逆に、どんな交通手段を使うにしろ、オランダ各地から空港を目指すなら最短で戻れる。
日本でもそうだが、空港への案内表示はわかりやすく丁寧で、道などもよく整備されている。
買い物や食事で困っても、24時間営業しているのが国際空港。
わざわざアムステルダムやほかの大都市に頼ることはない。
ホテルだって、アムステルダム市内や他と比べても3割ぐらい安い。
そんなことを旅の途中ぐらいで気がついて少し後悔した、ということ。

ところでファンゴッホやフェルメール、それにレンブラントの作品。
一番中心にはレンブラントの「夜警」のある国立美術館。
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集団肖像画の系譜はエルミタージュ美術館のオランダ分館で目にする。
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そこではこんな解剖実習画もあって、これが杉田玄白の「解体新書」や腑分けに繋がった。
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数時間かけてゆったり、でも他の画家のすてきな作品もたくさんあるから必死に鑑賞。

世界中からそれらを目当てに来ている同好の士の多いのにもあらためてびっくり。
国立美術館とファンゴッホ美術館の側にはとても広い公園広場がある。
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2枚目は夜の7時半ごろでこのにぎわい、サマータイムを楽しんでいる。

17世紀に栄華を誇ったオランダは、その時にできた財産をしっかり保持している。
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アムステルダム市内の道はトラムが優先。
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アムステルダム中央駅にはこんなのもあった。
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つづく

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2017年10月 5日 (木)

日記:ニューヨークへ行く

すっかり御無沙汰で申し訳あります。ネタなし、なもんで。

日記:ニューヨークへ行く

世界の中心的存在の大都市、ニューヨークへ行く。
現地で6泊する8日間旅だが、実際に活動できるのは5日間。
美術館めぐりを主目的に摩天楼のすきま、人種のるつぼにせわしく浸る。
言語や物価、治安など不安がいっぱいで覚悟はしていたが、なんとか生還。
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【訪問期間】2017年9月21日~28日
【地 域】アメリカ合州国、ニューヨーク
【天 候】日本よりも暑く、まだ夏という感じ。ずっと晴れ

世界一周はとても無理だが名だたる大都市を少しだけ見るのならなんとかなりそう。
これまで香港、台北、南京、シドニー、ロンドン、パリ、ローマ、北京など。
そこへ、ニューヨークへビジネスクラスで行く、贅沢だがお値打ちな旅行プランが。
時差が13時間あり、体調維持も大変だからこれはありがたい。
ホテルはウェスティンNYタイムズスクエアに連泊で、行動・移動にはとても便利。

ニューヨークは世界の政治や文化の中心であり、また観光地でもある。
何を見てどこを訪れるかはあまりに漠としていて迷ってしまう。
主目的をいくつかの有名な美術館めぐりとし、できれば都会の雰囲気を味わう、とする。
5日間の内、一日だけは遠征してフィラデルフィアの美術館へ行く。

パリのように便利でお値打ちなミュージアムパスがあれば言うことはないのだが、ない。
ただそれに似た、観光客向けの便利でお得なNYシティパスがあり、それを購入。
いろんな名所や美術館・博物館9箇所から6箇所を選ぶというもの。

移動は徒歩と地下鉄とバス、メトロ7日間フリー32ドルというのを購入。
NYメトロは一回乗車が2.5ドルだが、何よりもフリーという便利さを優先する。
ということでいつの間にか、まさしく
ニューヨークおのぼりさん向け豪華(せわしい)メニューになって(して)しまった。

結果、次のようなところへ行く。

ニューヨークシティパスを利用して
①メトロポリタン美術館、②グッゲンハイム美術館、③イントレピッド博物館、
④自然史博物館、⑤サークルライン観光クルーズ、⑥エンパイアステートビル展望台。

①②④は最初から希望で、①④は1日だけではとても回りきれない、もっと時間を。
⑤⑥はシティパスにあったから利用したが、だからこそ満足できた。
選択しなかった他のパスは、
⑦トップオブザロック展望台、⑧自由の女神、⑨9・11メモリアル博物館。
⑦は⑥との比較で、⑧は⑤で見られる、⑨は③との選択で遠かったので外した。

予約したり直接出向いたのは
フリック・コレクション、近代美術館、フィラデルフィア美術館、バーンズ財団などの美術館。
ほかにセントラルパーク、ハイライン、ブルックリンブリッジなど。

さわりだけ少しずつ、付け足していくつもり。続けばいいけど・・・。

①メトロポリタン美術館
とにかく広くて、作品も多すぎて、1日あてたが2階の一部だけ
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レンブラント
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そしてゴッホ
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お目当てはルノワールのこれ
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②グッゲンハイム美術館
次回特別企画があり、展示の入れ替えで一部分だけ公開と残念
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これが胸に響く
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③イントレピッド博物館
航空・海洋・宇宙・軍事など豪華、ここも広大すぎて、でも
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コブラもあるけど、こんなのがみんな好きなようで
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④自然史博物館
映画ナイトミュージアムはどこだったか、今は主流の展示方法がお見事
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⑤サークルライン観光クルーズ
ハドソン川からイーストリバーへ、水上からマンハッタンの摩天楼をながめる。
いくつかの橋を下から見上げるのも美しい。
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人がたくさん歩いているのが見える、これは行って歩かねば。


⑥エンパイアステートビル展望台
観光入場者がすごい数、それをさばくスタッフもなれたもので。
展望台では、自撮りもいっぱい。
英語以外のことばしか聞こえないのがうれしい。
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つづく

ということで、2017-10-16追記

NY滞在中の中日、たまたまの日曜日、フィラデルフィアに遠征する。
前日、バスターミナル(ホテルからすぐ近くという幸運)へ下見も兼ねて切符を買いに行く。
当日朝、発車40分前に行くともうすでにたくさんの人が並んで待っている。
発券番号が50番台だからそれなりに覚悟はしていたが無事乗車できるのか。

発車時刻10分前ごろ係員が来て準備、整列番号の確認をして、声をあげる。
「シニア?」
相方がシニアだが、あわせて自分もシニア扱いになっていたので手をあげる。
係員は我々を呼び、当然のように、最前列に並ぶように指示する。
なんか申し訳ないような気分になっているのは自分たちだけで、だれもが平然としている。

かつて学生時代あこがれた、長距離大陸間移動バスのグレイハウンド。
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NYからフィラデルフィアへ、高速に乗るとほとんどまっすぐの道をバスはひた走る。
眺めの良い最前列の優先席だったが、景色は単調、文句は言えない。
町になり、高速を出て中心部に近づくにつれ高層ビルが見えてくる。

平屋のだだっ広い、普通に地方にあるようなターミナルに着く。
情報が何もないので、美術館への行き方とシティマップをもらう。
フィラデルフィアは大都市という印象があるが周囲に人は少なく、車も同じく。
地図をしっかり見て、町の中心からまっすぐ離れたところにあるそこを目指す。

高層ビル群をすぎて角を斜めに曲がっていくと公園のようなとても広い通りになる。
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この通りをずんと進んだ突き当たりがフィラデルフィア美術館になる。
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なんか、美術館のためにこの広くて立派な道路が造られているようで、すごい。
ところで町の雰囲気が今日はどうも変、祭りかパレードがある特別な日のようだ。

そんな晴れがましい中、緊張するパレード出場者を見ながら歩いていく。
途中、ロダン美術館があり、もうひとつの目的地、バーンズ財団美術館を確認していく。
パレードの先頭はマニアなら垂涎もののバイクが並んでいる。
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祭りの前の準備中、立派な噴水があり、立派な建造物が美術館。

建物の前の石階段が長くて立派、真夏の日差しのもと、こりゃ大変そう。
でも周囲には、先ほどからその階段を元気に駆け上がっていく若者が多い。
とても美術館に来ている、とは思えない。
最上段に上がると、みんな申し合わせたように両手を挙げて跳びはねている。
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なんかどこかで見たような光景。

まるであの映画の一シーンのようだ。

フィラデルフィア美術館は内部もとても大きな教会のような感じだった。
チケットを購入すると2日間有効とのこと、それはNYでこそやってほしかった。
ここも印象派の作品をたくさん持っていて、落ち着いた雰囲気でとても満足。
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有名どころはともかく、印象派の外縁というか、つまはじきされたニッティスもあった。
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彼の作品は、ローマの近代美術館でとても印象的だったので、少しほっとする。

次は、バーンズ財団美術館へ。

とその前に、先ほどの映画の一シーンはしっかり銅像になっていてファンがいっぱい。
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バーンズ財団はルノワール181点、セザンヌが69点とその方面では圧倒的な存在。
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展示方法が個人(故人)の意思(遺志)なんだから。

壁面を埋める絵画に呆然、目がまわる。(内部は撮影禁止、財団ホームページより借用)
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1点、1点きちんと見たり、全体に圧され、椅子に座って浸ったり。
どうしても大きくて目立つ作品が気になる。
その各部屋の主というかセンターになる作品を引き立てるように他が配置されていたり。
主は当然のようにルノワールが多いが、モジリアーニの存在感も際立っていた。
セザンヌは最近はどこの美術館へ行っても人気がない、見ている人がいない。
でもここでは、その目立たなさがとても貴重な役割をはたしている。
一時期、日本ではとても人気のあったユトリロもここでは引き立て役として立派な存在。

今回の、おのぼりさんニューヨークの美術館を歩く、では一番印象的な美術館になった。

フィラデルフィア美術館から町を見る。
あれから40年、とても「ごみだめ」のような町ではなくなっている。
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つづく、かな?


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2017年6月28日 (水)

日記:故宮博物院を歩く

日記:故宮博物院を歩く

ツァー旅行で行った中国で、世界遺産「故宮博物院」を歩く。
かつての明・清王朝を物語る紫禁城と呼ばれた映画でもおなじみの場所。
そこを訪れる前には必然的に、あの天安門広場も歩くことになる。

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【訪問期間】2017年6月中下旬
【地 域】中国北京市内:故宮博物院(紫禁城)
【天 候】30度を越えて暑い、霞がかった空

全食事付きとはいえ、ツァー旅行特有の観光と営業が混在した計画。
移動はすべて貸切バス、ガイドの掲げる旗の下、団体行動をとる。
目玉の世界遺産はいくつもの観光訪問先のひとつで、移動も行動も忙しい。

中国三千年の歴史を物語る映画やドラマで見ているとはいえ、そこはどんなん。
『王宮の紋章』『ラストエンペラー』などの舞台ロケ地だけど実際に見てみないと。
だだっ広いばかりの城は、土台も壁も石造で、うるおいってものがまるでない。
あんなところで政治が行われたらしいけど、裏というか生活の場はどこや。

朝早くから、それこそ中国全土から来た訪問客がガイドの下に動いている。
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整列し点呼、並んでぞろぞろ歩くのはどこでも見かける光景。

大国中国の首都のその中心部、警備は厳しく、警察や軍部も控えている。
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少しでも変な行動を取ればそれこそすぐに連行されるのか、と思える感じ。

今歩いているのは、あまりに広すぎてそれを感じなくなってしまう天安門広場。

だだっ広い広場は方向感覚も何もあったものではない、ただ着いていくだけ。
人民広場の象徴のひとつだったような。
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そして、観光客でもあるたくさんの中国人民の取る行動はみんな同じ。
もちろん外国から来ているわれわれも同じ。

スマホやカメラを構えて、ある者は衣装を調えて、ポーズを取って写真撮影。
他人は全く目に入らず、いろんな自撮り棒で、真剣に自分に向かい合う。
これをSNSで拡散するのは、最高の自己存在証明なんだろうか。

被写体の中心はもちろん毛沢東、その肖像画。
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何を想う、チベット仏教徒の方。

その前には広い道路があり、いったん地下にもぐってから近づく。
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ようやく「故宮博物院」。
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ここまでが長かった、とにかくだだっ広い平地をずっと歩いているだけ。
アスファルトかコンクリートか、または石造の固い道ばかり。

これって、ヨーロッパの街でも感じたこと。
パリもロンドンもローマもナポリも、ポンペイ遺跡でもそうだった。

人の列がふたたび集まり、並び、進む。

立ちはだかるのは大きな城壁門で、通路は5つ。
真ん中が大きくて、左右がその次で、その外は狭くなる。
真ん中の大きいのは皇帝だけが通れる道、左右は側近で、一般はその外。
狭いといっても充分な広さと高さで、中の特別な3つと比べるから馬鹿らしい。
真ん中、側、外の通路で、通行料金に差をつければ面白いし、稼げるかも。

門壁トンネルをぬけるとそこはふたたび前方に門壁がある広場だった。
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というのが続く。
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暑いから飲料水が売れる、城内の移動はこれだぜ。
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神社の初詣というか、スマホ教というか。
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人の大きな流れから外れると。
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緑というか、潤いがある。

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映画ではここに兵士が控えていて、一斉に弓矢や槍を射撃する(見えないけど)。

大きな門をくぐってようやく外へ。
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でかいを越える巨大建造物で、広いといえば道は長かった。

遺産といえばそうだけど、大味だわ。

堀も大きい。
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巨大魚か古代魚がいたらGJ。

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2017年6月25日 (日)

日記:長城を少し歩く

日記:長城を少し歩く

ツァー旅行で行った中国で、世界遺産「万里の長城」の一部分を少しだけ歩く。
旅程は3泊4日、観光訪問先は盛りだくさん、移動は団体バス。
大きな国の広い道路は車がいっぱい、観光地も人があふれている。
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【訪問期間】2017年6月中下旬
【地 域】中国北京郊外:長城、八達嶺
【天 候】30度を越えて暑い、霞がかった空

全食事付きとはいえ、ツァー旅行特有の観光と営業が混在した計画。
ガイド付きの団体行動で、移動もすべて貸切バス。
目玉の世界遺産とはいえ、いくつもの観光先のひとつで移動も行動も忙しい。

テレビや雑誌・教科書で、幼い頃から見て知っている有名な「万里の長城」。
秦の始皇帝からずっと、時の皇帝のよって増改築され続けてきた。
百聞は一見に如かず、何事も体験し、五感で味あわないと分からない性質で。

広々中国、広々北京から離れ、少しずつ山域に入っていく。
バスや、横を走る大型車が、ずっと苦しそうに登坂車線を上がっていく。
それまで、山というものがどこにもなく、見えなかったので、変にびっくり。

山はそんなに高くはないが、岩ゴロゴロの険しい山並みである。
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どこが目立つでもないが、どこも登山対象として充分といえる。
斜面は急なので登るのは大変そう、どこにも人はいないし登山道も見えない。

おっと、なんだなんだ、見えちゃいました。
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ええっ、こんなところにジグザグも切らず石で城壁を築いた!
なんかとんでもない世界に来た感じ。

そこは通り過ぎて、長城の観光地として一番有名な「八達嶺」という場所に行く。
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歩き方はといえば、長城は途轍もなく長いのでゴールや頂上はない。
ガイドが言うには、長城に取り付いて、左が「男坂」で右が「女坂」というそうな。
歩きやすくて人気があるのは「女坂」だそうで、4つ目のポイントぐらいまで、と。

説明や記念写真とかなんとかで、滞在活動予定時間はどんどん少なくなっていく。
ここら辺が団体ツァー旅行の欠点というか難しいところ。
50分でどれぐらい歩けるか、動き回れるか。

まずは急なので人気の無いという「男坂」へ。
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案内板には左「南城」だそうで、これが男坂らしい。

なるほど人はほとんどいない。
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坂はそれなりに急で、長城歩きの感覚は分かった。

長城の上は、どこからも視界が開けるので眺めはいい(そのために造られた城壁)。

それなりに高いところへ行き、振り返って「女坂」方面を見る。
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どっしりうねうねと続く長城の雰囲気はよくわかるし、あちらの方がずっと人が多い。

これ以上登ると時間的にきついので引き返し、今度は「女坂」を目指す。
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下るときに分かったのは、この長城の石の道、階段は下りが大変、ということ。
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石段の登りで緊張した筋肉が、下りになってブルブルしていると踏ん張れず危ない。
調子に乗って上がったはいいけど、締まらない筋肉で下りると、くたんとなる。

それ以降は、ペースと自分の年齢を考え、息を整えて歩いていく。
とはいえ、折角の機会なのでと無理をするのは貧乏性なもんで。
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それにしても、急なところは本当に急。
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よくこんな急な石段を造ったものだ。

なるほど、ヒマラヤ、ネパールで聞いた話は本当だった。
高所登山は大変だが待っていれば、チョモランマの頂まで中国人なら石段を造る、って。

ほぼ目的のところまで来たので引き返す。

この先は、一段と高くて距離があるのと、別世界になりそう。
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というのは、あの高いところへはロープウェイが来ている!!
そして、苦労する下りはといえば、なんと「スライダー」!!!ができている。
金を払ってそれを使えば、1分もかからずに下りるという。

「万里の長城」は、その大きさや距離、出来具合から異次元の世界だが、
現在のその観光地化は、別の次元の活かし方でもあるらしい。

下りこそ気をつけて、たらたらと。
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トイレに寄ると、ニセ壁の写真がいい。
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映画『グレイトウォール』の長城、城壁はそれはまた別世界。
漢人にとって北からの侵略者は、得体の知れないエイリアンで恐怖そのもの。
これだけの城壁を造っても防げなかったのだから、さもありなん。

長城ロングトレイル6000キロだと、どうみてもきついし、水は食料の補給はどうするのか。

駐車場までの道も、遊園地の帰りのよう。
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ほう、あれがロープウェイか。
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2017年2月 5日 (日)

日記:イタリア旅行で「ローマの松」を知る

日記:イタリア旅行で「ローマの松」を知る

ツァー旅行でローマと南イタリアに行く。
何十年ぶりかのツァー旅行は最近流行のビジネスクラス体験というやつ。
少し豪華な食事や欲張りな旅行計画に腹いっぱいでずっと身体は慣れず。
せめてもの救いは「ローマの松」が分かったこと。
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【訪問期間】2017年1月中旬から下旬
【地 域】ローマ、南イタリア
【天 候】日本と同じで寒い、雨に降られることも

飛行機はエコノミークラスしか知らず、ビジネスクラスは縁のないものだった。
料金が4倍、5倍だったらその分、旅行の回数を増やすというのが自分の性。
そこへ多少はお得の3倍という釣りえさ体験プラン、清水の舞台から落ちる。
飛行機だけがビジネスで他はふつうの計画、なので盛りだくさん余裕なし。
予習で「地球の歩き方」を少し見るがその情報量の多さにすぐに降参。
添乗員の旗の下、ついて行けばなんとかなる、と開き直りの情けなさ。

はじめてのイタリア、ローマ、少しぐらい知っていることや疑問はある。
地理の知識、イタリア映画は何本もみている、そして音楽もある・・・。

きっかけはレスピーギのローマ三部作のひとつ「ローマの松」だ。
オーケストラの盛り上がりがなかなか派手な作品で変った題が記憶に残る。
いったいローマの松って何だ、松が楽曲の題になるほどのものなのか・・・。

もうひとつは、夏目漱石の「坊ちゃん」、教科書で読んだのだ。
【以下「坊ちゃん」より引用】
赤シャツ:あの(島の)松を見給え、幹が真っ直ぐで、
   上が傘のように開いてターナーの絵にありそうだね。
野だ:全くターナーですね。あの曲がり具合ったらありませんね。ターナーそっくりですよ。
   (中略)どうです教頭、これからあの島をターナー島と名付けようじゃありませんか。
赤シャツ:そいつは面白い。我々はこれからそう言おう。

その島は観光案内では松山の四十島らしいが、なるほど盆栽の松のようだ。
松といえば枝ぶりに特徴があり、日本では黒松とか赤松、落葉松やハイマツだ。
一方、ターナーの絵が好きでロンドンへ2度も行きしっかりと観たのは最近の事。
ターナーの松のことも気になったが美術館のどこにもそんな盆栽の松の絵などなかった。

ただ最近、”ターナーの松”を知識として知ってしまったのだ。
それは「金枝」や「チャイルド・ハロルドの巡礼」という作品で見られるもので、
幹がすっくと伸びててっぺんの方だけに枝葉が集まっている。
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まるで日本で見ている松ではない、美術館で見つけられないはずだ。
でもそれこそターナーがイタリア旅行した時に描いた作品の中にある松なのだ。

ということで、つまらんことにこだわるおじさんの頭の中で両者が繋がった。
「ローマの松」と「ターナーの松」は同じらしい。
そしてイタリアはローマの地を踏むとそれはすぐにむこうからやってきた。
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なんやこれ、並木になってどこにもいっぱいあるやん。

このローマの松はイタリアカサマツ(笠松)で、もちろん松の一種。

高いのは25mぐらいになるらしく、それは見事なもの。
ボルゲーゼ公園で見た。
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幹肌を見て、粋なイタリア男と同じようにパリッと刈り上げされている、と見た。

帰ってきてから調べると、老木になるに従い自分から下枝を落としていくらしい。

その実(松ぼっくり)は食用になり、古代ローマ時代から重宝されている、とも。
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ところで「ローマの松」は分かったけど「ターナーの松」に疑問が残った。
当時はまだ田舎のイギリスから文化の中心地イタリアへターナーが物見遊山に行く。
そこで見て聞いて知ったものはすべてが文明の香りのするものだったはずだ。
そのひとつが「ローマの松」だったかも。

それを孫引き引用した赤シャツと野だの言動、というか夏目漱石。
当時の日本は東洋の僻地で、世界の中心はイギリスに移っていた。

そこから、盆栽の松をよくぞターナーに見立てたものだ、えらい。

そう書いてもだれも問題にしないし、最終的にはローマに飛ぶんだから、お見事。
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四国、松山の四十島(ターナー島)


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2013年8月16日 (金)

日記:パリにいる自分?その3

日記:パリにいる自分? その3

もう一か月以上前のことなのに、ぐだぐだで。

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パリでの一週間は、ふだんのように自由気ままには無理。
見知らぬ外国にいるのだから多少の緊張感をもって
博物館や美術館、名所旧跡をすたこら歩き回る。
下調べや、ガイドブックがあればよかった。
今ならその場で、スマホですべてわかるのだろうか。
そんな便利なものがあるのに、化石人間は手を出さない。
で、例のミュージアム・パス4日券の最終日の日曜日。
この日は主だった美術館はすべて入場料フリー。
混むんだろうな。
どうせ混雑するなら、あえて人気のあるところへ。

ルーブルでもオルセーでもなく
ベルサイユ宮殿。

パリから少し離れた郊外にある。
メトロはなく、郊外線の電車で行く。
ほとんどの乗客が目的は同じでベルサイユ詣。
でも専用路線ではなく、電車は各駅停車。
駅に降りてからも大きな人並みが同じ方向へ流れて進む。

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ピクニック日和の暖かい、否、とても暑い日。
ぞろぞろと人並みが続く。

宮殿は見えたがその前の広場に行列が蛇行している。

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結局、入場まで1時間半以上待たされた。
いやはや、みんな我慢強い。

ここはこの日も入場券が必要で購入するのも相当時間が。
最初から一緒に並んでいた連中は、分担して友人が購入とか。
その結果、入場の時までに購入できず途方に暮れていた。

宮殿建物の中は一部だけが公開されている。
これが目当てならすごいかもしれないが、印象は弱い。
とにもかくにもベルサイユ宮殿は庭園と噴水なのだ。
ここで別料金発生、仕方ないなあ。

さて、ベルサイユ宮殿の庭園。
幾何学模様というか、定規で線を引いたような。

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がらんとして、味気ないこと。

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ならば28箇所以上あるという噴水。

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その当時にこんな仕掛けを作ったのだからすごい、だけど。

今の目で見ると、よかったのはここだけだった。

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7番噴水。

ここはなんと、音楽に連動して水が飛び跳ね踊る。

フィナーレを飾る28番噴水には期待してたくさんの人。

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音楽も過剰で期待したが、普通の噴水だった。

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パスの切れた次の日は別の郊外へ。

ここもメトロはなく、郊外線電車に乗る。

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ここでも乗客のほとんどが同じ目的なのに、専用列車ではない。
増発や連結もなく、プラットフォームにたくさんの人が残された。
パリだから、アメリカ的なものは敬遠されている?
そんな感じを受けるが、でも、スノブな客はどこでも多い。

入場料金を見たらびっくりの高額(1万円近い)。
思わず帰ろうかと思ったら、パスポート割引があるんだそうで、
3割以上値引きになる、だったら喜んで入ろう。

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スタジオとパーク。

なんと今年は記念の20周年にあたる幸運。

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恥ずかしながらファンでもマニアでもないのに。
40年ほど前のカルフォルニア、アナハイムが最初だった。
30年ほど前に千葉、浦安へ数回、これは仕事がらみ。
そして数年前、香港でほやほやのに入った。
いつでもそうだけど、乗り物には乗れない。

長島スパーランドのほうがずっといいが、目的が違うか。

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で、そんなパリで確かめたかったこと。

たいしたことではないが、自分の目で見たかった。

ひとつはセーヌ川に浮かぶ?シテ島。

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この観光名所はいったいどんな風になっているのか。

調べるとシテというのは城砦の意で、納得。
ノートルダム寺院やコンシェルジェとか、もうひとつの島とか。

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この軍艦島の舳先は公園になっている。

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セーヌ河畔を歩いていくが、天気がよすぎて暑かった。

こんな木陰はめったにない。

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映画では恋人達の待ち合わせ場所、ポン・ヌフの橋にははたして・・・。

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もうひとつは、絵画のむこうに広がる世界のこと。

印象派のマネやスーラが当たり前のように描いている。

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パリの人々はこんな風に休日を過ごしているのだろうか。

別の日、そんな公園というか森へ出かける。
パリといえばフォンテーヌの森だが遠くて広すぎるので、
近場のヴァンセンヌの森へ行く。
しかしここもとても広くて、野草が道を覆うように繁茂していた。
ドーメニル湖という池があり、中に島がふたつある。
池の周囲を走ったり歩いたりしている人が多い。

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ぢょうど昼ごろなのでどんどん人が増えてくる。

あらあらまあまあ、絵画の世界は当然のように今もあった。

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なんともまあ、そんなことでお粗末の結論だが 

パリ、ジュテーム。

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