山歩き:釈迦・三池岳稜線のシロヤシオ
山歩き:釈迦・三池岳稜線のシロヤシオ
釈迦が岳から八風峠・三池岳を結ぶ稜線の山歩きは楽しい。
鈴鹿では一番シロヤシオの多いここで、満開の花見を味わう。
今年は当たり年のシャクナゲやピンクのシロヤシオはどうか。
岩が峰から上がり、三池岳から下る周回のフルコース。
【山行日】2023年5月11日(木)
【山 域】鈴鹿北部:釈迦が岳、仙香山、八風峠、三池岳
【天 候】晴れ
【形 態】一部往復の周回、単族 軽装
【コース】堅木橋付近の駐車地、起点
登山口7:05--7:58北山--8:30岩が峰--8:54稜線合流--
--9:03釈迦が岳9:20--10:39北仙香山11:03--11:21八風峠--
--11:33三池岳--三池岳東尾根--12:35登山口
昨年の鈴鹿、釈迦が岳の各尾根歩きに浸り、満足していた。
今春の花見でもアカヤシオの御在所に続いて再びお世話になる。
シロヤシオといえば竜が岳だが、樹木の数は釈迦がずっと多い。
竜の子羊の便りも少ないので、雨天の休日をさけて平日に来る。
宵っ張りの朝寝坊には辛いが、朝は5時前に起きて出動。
はたらく車の多い国道23号線を申し訳なくも小さくなって通る。
岩が峰登山の駐車地にはそれでもすでに4台駐車していた。
神戸ナンバーもあり、愛好者の意欲はとどまることがない。
久しぶりの岩が峰だが、本日のコースの上りではここしかない。
堰堤をいくつか通り越してから渡渉する、忘れていなかった。
すっかり人気コースになっているので踏み跡はしっかりしている。
記憶を確かめながら、きつい上りをこなしていく。
時折、シャクナゲやシロヤシオが見られ、新緑がまぶしい。
北山に来ると、アセビが多く、さながら馬酔木庭園。
きつい上りは続くが、遠くに見える尾根の記憶が救いになる。
鏡岩を右下に見て、岩のへつりを進むのも以前と変わらず。
喘ぎながら上がった先にさらに広い庭園を認める。
そんな馬酔木庭園に見事なシャクナゲが加わるのが岩が峰。
池はほぼ干上がっていたが、かつての道跡らしきは健在。
稜線に向けてさらにやせ尾根を上り、最後に少しロープを頼る。
せっかくなので釈迦が岳に寄る。
かつてはつまらない山頂と言われたが、笹が弱ってからの印象は違う。
山頂付近はシロヤシオの天下だったのだ。
このところ釈迦の山頂付近に親しみを覚えているので散策する。
東側に開ける展望は見事だし、樹木にも品がある。
今日はここへ来て、本当によかった。
そして目的の稜線漫歩に入る。
右手、眼下に青い新緑の岩が峰尾根を見る。
左手には、赤坂谷源流の広い針葉樹林帯。
往く先々に今や盛りのシロヤシオの並木。
ほんの十数年前、笹が繁茂するヤブで、右手に展望はなかった。
笹が弱り出しとともに、一気に視界が開け明るくなった。
今を生きていると忘れそうになるが、この変化は大きい。
大平尾根に近づくと明らかにピンクとわかるシロヤシオが。
花びらにピンクの筋が入っている、言わば矮性のもの。
こんなに簡単に見つけられるとは、今日の楽しみが増える。
そこを過ぎるとこの稜線の白眉とも思える仙香山の連山。
紅葉も良かったが新緑の今日も。
色彩で言えば、シロヤシオはアカヤシオほどの派手さはない。
はっきり言って白は、白飛びするし地味だ。
でも竜が岳の子羊しかり、仙香山の斑白だってそれなりに。
この界隈のシロヤシオの密度の深いこと白いこと。
その真っ白の中、南峠付近で頭抜けたピンクを発見。
木の下に行って見上げると、ピンクの筋がさらに濃かった。
中峠辺りでも薄いのを見る。
ここら辺、アセビの新芽とシロヤシオと花崗岩の庭園だわ。
ちょうど段木尾根から上がってきた婦人たちも歓声をあげる。
彼女たちも花見に興じ、明日は竜が岳へ赴くとも。
頃合いもよし、このところ贔屓の北仙香山で休憩とする。
すっかり寛いでいると、スタイルの麗しい尾根遺産が来る。
石榑峠から釈迦を往復するトレランさん。
鈴鹿三百山も目指しているそうで、お疲れ様です。
ここは三百に入っていないと答えると、先を急がれた。
休憩後も、シロヤシオトンネルをくぐっていく。
通りすがりの道すがら、数本の薄いピンク木を見る。
その気で見ると、いくらでもある。
この北仙香山の中腹あたりで見られた。
それにしても不思議なものだ。
ピンクは白の中のごく一部に過ぎない。
多様性の時代とはいえ、ごく一部といえば、希少で異端。
ふつうの多数派の人間はいつも彼らを偏見で差別してきたのでは。
希少や貴重でなくてもいい、ふつうに平静にと。
八風峠に来る(最初の写真)。
ここもシロヤシオ天国。
どこから見ても、朱色の鳥居を引き立てる。
なんか今日は元気だ、調子がいい。
いつもは八風峠から峠道で下りるのだがまだ行けそう。
三池岳まで足を延ばす。
そしてここで、今日一番のピンクシロヤシオに出会う。
山頂のすぐ西側にそれはあった。
遠くから見てもすぐに分かった(この小さな写真ではどうか)。
近くだと当然の如く濃い。
そして左の木もそのとなりもピンク、薄いけど。
ここは、ピンクシロヤシオの名所になりそう。
ということで、満足して三池庭園を味わいつつ、急下降した。
三池岳東尾根は、その急すぎる登山道で避けていた。
常緑樹の落葉は厚くて滑りやすいことこの上ない。
だけど登山道の整備がしっかり行われていて歩きやすい。
本当にありがたいこと。
登山口に戻ってくると、駐車地はほぼ満車。
平日なんだけどな。
車中泊しながららしい、ゆっくり車を走らせている年配も多い。
面白いというか、人生は楽しんでなんぼ、やな。
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