山歩き:岩巣山、笑う山を見る
山歩き: 岩巣山、笑う山を見る
多治見に所要の帰り、瀬戸の岩巣山に寄る。
桜吹雪の舞う季節、山ではタムシバ、椿、山桜がそろい踏み。
枯葉が積もった寒色の景色が急に色彩を帯びて笑い出す。
【山行日】2023年4月2日(日)
【山 域】地元愛知:瀬戸市、岩巣山
【天 候】曇り
【形 態】周回 単族 軽装
【コース】岩屋堂公園駐車場、起点
P11:49--南西尾根--12:43岩巣山13:18--13:28元岩巣--
--展望台--岩屋堂--14:24P
「山羊と煙とある種類の人間?にだけしか用事のない」
「白い砂地に緑の松」の山、岩巣山。
かつて、岳洋社『愛知県の山』でそう紹介されていた。
『愛知の100山』でも東海自然歩道が通る道の近くにある山、と。
以前登りに来た時、どこが山頂で何が見どころかが判然としなかった。
岩巣山と元岩巣、この二つの山頂の位置づけが分からなかった。
そんなどうでもいいことでずっとこの山はピークハンターを悩ませてきたはず。
標高も最高地点もいまだにはっきりしていないのではないか。
岩屋堂そのものは瀬戸市の里山にある昔からの観光地。
ハイキングブームの今、この山も人気の山でよく歩かれている。
一般道に加え、南西尾根道で立派な周回路ができている。
30年ぶりに来て、そんなもやもやを解決すべく駐車地から入山。
地形図を見ると南西尾根道はとても理にかなった位置にある。
入山してすぐはとんでもない急な上り、ただそれは・・・。
中電の鉄塔巡視路なのできちんとプラ階段が付けられている。
それを利用して尾根に取り付き、その後は尾根に沿って進んでいく。
多少の起伏があったり、笹が覆いかぶさってくるのを分け入っていく。
踏み跡としては十分だが、季節によっては自然に負けるかもしれない。
嫌になるほど赤テープが付けられているのもそれを見越しているのか。
・422の手前は急な上りだが、次の巡視路に合流するとよい道になる。
ほどなくして右にちょっとした展望地があり、元岩巣を見る。
鉄塔が・499でその右の土の見える所が元岩巣。
背後は三国山と猿投山を結ぶ稜線。
これを見て地形図と比べても標高や最高地点は判然としない。
もう少し歩くと、岩巣山山頂に出る。
展望も何もない所だったのに、今は休憩地が出現!
少しだが視界も開けて、十分に落ち着ける。
たまたま同じころに来た二人組と遠慮がちに話す。
みんな同じようなところを歩いているのだと納得。
休憩後は、東海自然歩道と元岩巣へ向かう。
・499の鉄塔はそれなりで何もなく、元岩巣へ移動。
こちらはこの山の人気スポットで先客も各所にいて、眺望もよい。
そしてこの山一番の観光地の展望台へ。
眺めは元岩巣と似ている。
なるほど、山、笑う。
その後は、大岩の巣の間を縫うように下る。
これがこの山の言われであり、特徴。
岩の崩落防止のため、昨年「治山事業」が行われた。
太いワイヤーと止金具が縦横に張り巡らされるが果たして。
最後は岩屋堂に着く。
大岩の下の岩室に、人が十数人は入れるのだが。
こんな写真の撮り方ではみすぼらしくて、悪い見本。
この山に先立つ3月の下旬。
猿投山で、ヤマザクラコースを歩く。
ご近所山でもあって、雰囲気も似ている。
今年も無事これが見られて、一安心。
ところでこの日の主目的は多治見の現代陶芸美術館。
『超絶技巧、未来へ!明治工芸とそのDNA』
一本の木から彫り出された木彫りの精密さや精巧さに驚く。
スルメや蝶や鳥や花を、どこまで追求してもそれは偽物なのだ。
そのどこまでも精巧な偽物を作るために血道をあげる作者たち。
細密部品を接着すればいいのに、頑として同一木にこだわる。
そんなこと誰も分からないのに、自分をだますから嫌なのだそうな。
誰のための作品で、それを使う人ってどんな人なのか。
いやはや、見て驚き、考えるだにわからなくなるこの不思議。
そして、多治見から瀬戸への途上。
選挙ポスターや選挙用のノボリを見る。
例のあの話題の人、確かにアイドルだわ。
世の中、要は話題になったもん勝ちってことなのかな。
知らんけど。
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