山歩き:南沢山・横川(湯舟沢)山・富士見台高原
山歩き:南沢山・横川(湯舟沢)山・富士見台高原
南沢山から横川(湯舟沢)山を経て富士見台高原まで縦走し、往復する。
距離は約18km、標高差は約700mほどだが累積すると約1200mほど。
展望の尾根歩きだが朝は天候に恵まれず、雲の切れた時の喜びや良し。
【山行日】2023年5月21日(日)
【山 域】南信州:南沢高原・富士見台高原、阿智村
【天 候】濃霧と強風、曇りのち晴れ
【形 態】往復 単族 軽装
【コース】ふるさと村自然園せいなの森キャンプ場登山者用駐車場、起点
P7:58--8:08登山口--9:37南沢山--10:05横川山--11:18富士見台11:46--
--12:58横川山--13:21南沢山--14:34登山口--14:40P
絶好の展望スポットとして人気の富士見台高原だが、ずっと敬遠していた。
昨秋に初めて訪れ、いくら観光客が多くても避けては勿体ないと知る。
ツツジ祭り(アカヤシオ・シロヤシオなど)の賑わいも過ぎた今日この頃。
初夏、新緑に最適で、とっておきの山域として再訪する。
宵っ張りの朝寝坊爺が早く床についても習慣は急には変えられない。
ほとんど眠れないまま夜明けを迎え、車を走らす。
晴天予報なのに暗い雲り空で時折雨がぱらつく、どうなっとると。
今日の山の登山口駐車場は余裕があるので高速ではなく地道で行く。
するとそこは国道153号線、いつも通り、心労を積み重ねてくれる。
早朝から我が道を行くたらたら車、そして女子ゴルフ大会だった。
方々に「ギャラリー駐車場」の案内がある。
意味が分からなかったが、ギャラリーになる人々の駐車場ということね。
以前、イ・ボミの絶好期はギャラリーが1万人を超えていて大渋滞だった。
天気はずっとさえず、濃霧注意報も出て、前の車はゆっくりさん。
平谷を過ぎ治部坂峠では思わず大川入山に変更しようと思った。
となると、まったく今まで通りの代わり映えのしない生活、それはダメ。
ぐったりうんざり、3時間かけて「ふるさと村自然園キャンプ場」に来る。
登山者専用駐車場があり、第1Pはほぼ満車でぎりぎりセーフ。
準備してすぐ近くの受付で入山届、駐車代金、整備費用を払う。
きれいに整ったキャンプ場の中の道を登山口まで歩いていく。
バンガローや別荘のような建物、そしてトイレがある。
登山口にも広い駐車場があり、これはキャンプ場利用客のもの。
案内と注意書きを読み、入山する。
道は普通以上によく整備されていて下草もない。
このところの雨で湿っぽいが、充分地面に浸透している。
よく考慮された勾配で、歩きやすい優しい道と感じる。
尾根に乗るとなだらかになり、古木倒木の姿形が楽しい。
ガスガスなので視界のないままクマザサに囲まれた広いところ。
南沢山1564mの山頂はそんな感じ。
先客2人が話し込んでいたが、各々進む、帰るの別行動へ。
「阿智7頂上」用に自撮りを試みるも無残、先へ進む。
ゆったり下っていくがすぐに山道らしい急な上りになる。
えっちらおっちらで次の山、横川山(湯舟沢山)1620mに着く。
長野県側では横川山、岐阜県側では湯舟沢山と。
県境に位置する山なので歴史や生活環境を踏まえた呼称。
ここも開けたところらしいのだが、分からないので先へ。
帰りにここから富士見台方面を見たのが最初の写真。
雄大な稜線の向かう先に目的地という感動的構図。
とにかく前方は白い世界で、冷たい横風がビュンビュン。
少し樹林帯に入り右往左往するが、すぐに下りになる。
そしてこの下りは結構なもので、どんどん下る。
で、再び上り返しでちょっとしたピークにこの標示がある。
ここは・1578mで、もちろんこれは誤った山頂標示板。
誤った情報でこれを付けた人は、よかれと思ってやったんだろうな。
横川山(湯舟沢山)の山頂標示下の注意書きは文字が多いから。
ガスだけでなく雨もパラパラ、でも前へ。
沢音がよく聞こえる、鞍部らしいところへ。
左下を見ると苔の緑も鮮やかな沢。
横川川の源流で、流れ着いて天竜川に至る。
その先の湧水を横切るところには大きな苔岩。
これは帰りに思わず撮ったもの。
同じく帰りに、鞍部から来た道を振り返る。
源流部周囲の樹林帯、そしてクマザサ。
ガスの中でも源流部の樹林帯はふつうの世界。
少し洗われたような気分で先へ上がっていく。
道はしっかりざれていたが、仕方ないことだろう。
クマザサの高原を上がっていくと、池塘を発見。
山の上や稜線で池を見ると気分は上がりますね。
当然のように道はぬかるんでいるので、ずぶっに注意。
石がゴロゴロと崩落している箇所もある。
ここに傘を忘れた、もとい突き刺した人に何があったのだろう。
そんなことを思いつつ上がっていくと、空が明るくなってくる。
前方、上の方から声が聞こえる、ってことは富士見台?
開けた山頂に上がると同時にガスが切れる。
どうした自分、俺って持ってるのか。
そんな馬鹿な、偶然にも程がある。
ただそこは別世界。
360度の展望を期待しているたくさんの人がいた。
ずっとここまで数人の人にしか会わなかったのに。
またそこで見る人々は、スタイルが全然違っていた。
衣服はカラフルで折り目が付いているし、ザックも綺麗。
皆さん、アウターを羽織り、少しの風にふるえている。
もちろん靴や裾には泥もついていない。
そうだよな。
ここでもガスガスなら、富士見台高原に来た意味がないかも。
ガスの中で見える景色って、どこで見ても同じだもんな。
そんなことを今日はずっと思いつつ、ようやくここまで来たのだから。
標高差はそれほどではないが、天気は悪く、距離は確かにあった。
風が強くても汗はびっしょりで、膝や腰の蝶番が痛い。
どっしりと腰を下ろして休む。
天気は快方、暑さに注意で、長い道を戻る。
視界の開けた下り道は、身も心も軽い。
往きに見たものが姿を変えて現れる。
ザレ場や池塘を過ぎて、鞍部に下っていく。
この横川山(湯舟沢山)の山体がいい。
一番右が本峰で、よく似た高さの2峰、3峰、4峰と並ぶ。
登山道は横っ腹を巻いていくので救われている。
さらに下っていくと、鞍部の向こうに下界が見える。
源流部の樹林帯と、その向こうの陰が湯舟沢なんだろうか。
後頭部へしっかり暑さを感じながら、横川山(湯舟沢山)への上りはきつかった。
そういえばここまでずっと南沢山は見えず。
横川山(湯舟沢山)へ来てようやく眼下に南沢山を見る。
「南沢山~富士見台高原」縦走コースというが・・・。
不安に思いつつ、南沢山へ着く。
そこから振り返っても見えるのは横川山(湯舟沢山)の壁だけ。
そこから少し移動してようやく富士見台高原が見えた。
ここまでも、ここからも、とてもよく整備された道が続く。
安心の下山道。
疲れた足にはちょっと長くてきつい歩き。
今日も、とても満足度の高い山歩きになった。
これで前半戦の山歩きは終了。
個人的事情でしばらく山へは行けず、次は7月から。
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