山歩き:日本コバの紅葉
山歩き:日本コバの紅葉
紅葉の山歩き第4弾はこの時季こそこの山、という日本コバ。
鈴鹿には何度も足を運んでいるがずっと縁のなかった、西に外れた山。
広大といわれる山頂のイメージが地形図からずっと読み取れなかった。
山頂からは展望もなく、湿地帯がありヒルが多いというのもマイナス印象。
【山行日】2022年11月10日(木)
【山 域】近江鈴鹿:日本コバ
【天 候】晴れ、気温は道の駅で朝3度~昼9度
【形 態】周回、単族 軽装
【コース】道の駅奥永源寺渓流の里、登山者用駐車場起点
P7:55--8:06登山口--藤川谷道--8:50豹の穴--9:50出合--10:19山頂10:30--
--周回道--11:32出合--11:39衣掛山12:11--13:01政所口--13:20P
今年の紅葉真っ盛りはずっと天気に恵まれて長い。
ただ土日祝日だけで行動するとそんなのはあっという間に終わる。
このところの鈴鹿は人気が高く、特に駐車場の争奪戦が激しい。
日本コバなら大丈夫、と思いつつ土日か平日にするかで悩む。
ふだんは避けている平日、働く車で混雑する23号線を走る。
道の駅奥永源寺渓流の里は案の定、同好の士で朝から人が多い。
登山者用駐車場も、どんどん埋まっていくではないか。
用意して、村落の中を登山口目指して歩いていく。
藤川谷登山口は如来堂口で、道路沿いに表示がある。
用水の階段を上がっていくと登山ポストがある。
植林の暗いがしっとりとした中を進んでいく。
すぐに右下に春日社?如来堂?を見る。
苔むしていて古さを感じるが、周囲はブロック積み。
優しい注意書きのある木橋で谷を渡る。
登山道は明確で、斜面をトラバ気味に上がっていく。
谷からかなり高い位置の左岸を進んでいく。
水音を聞きながら、谷向こうに朝の光が清々しい。
途中で藤川谷の右岸に移ると名所が続いて現れる。
かつてのガイドではこの谷の主というカツラの大木があるのだが。
道が谷からかなり離れ、見下ろす形のなってしまい残念だ。
植林と苔むした岩がゴロゴロの中を進んでいく。
そして、「豹の穴、7分」の看板。
斜面を左上の方へ上がっていくらしい。
見どころの一つなので、この寄り道は大切。
普通に登山道を歩いていたら絶対見つけることはできない位置だ。
まずは窯跡らしきが三連であり、近くにもそれらしきがある。
その上方にこじんまりとした洞穴がある。
西尾の茶臼山にたくさんある洞穴ととてもよく似ている。
で、本命はといえばその上の大岩にあった。
下に左右に裂けたような割れ目がある。
穴探検家によれば、中は広くすぐに池があるそうな。
近くを回ると、洞穴がすぐにもう2つあり、もっとありそうだ。
とりあえず今日はここまで。
登山道に戻って進んでいく。
樹林のなか、苔むした岩、それも大きなのがゴロゴロ。
そして、黄葉が行く先々できれい。
いつまでも藤川谷の水量は多く、谷音が跳ねている。
谷を再び渡り、回り込むように高度を上げていく。
植林から二次林の黄紅葉で明るさがますと、勾配がきつくなる。
そして右上方に壁のような大岩が見えてくる。
急登のち岩場の上りとパンフに書かれていた通り。
ロープに頼らなくても岩の手掛かりが多いので上りやすい。
ここで一気に世界が広がる。
谷底から、日本コバの山頂台地の一部に出たようだ。
遠くに鈴鹿の山並みが見え、近くは帰りの政所への尾根か。
この展望の良い大岩の上部にはもう一つの名所がある。
「岩屋」という「奇人の窟」。
登山道には案内がなく、少し離れたところにそれとなく見つける。
先の「豹の穴」と同様、石灰岩質の岩なので鍾乳洞関連とも。
こちらも穴探検家によれば、天井は平らで中は広く数十人のキャパと。
ブログ「鈴鹿樹林の回廊」によれば、人の手が入っていそうだと。
山頂台地の端でとにかくいい所なのは確か。
ゆったりと政所道出合まで進み、左折して山頂へ向かう。
ここからゆったりと、でもどんどん下っていくのもふしぎなこと。
湿地もあるし、こんな高地で再び小川を渡る。
その先でまとまって、どんと藤川谷に落ちていくんでしょうね。
黄紅葉の見事なこと、今日はここへ来てよかった。
そこから山頂へはまだ100m以上上がることになるが緩やか。
一体山頂はどんなところかと思えば、案の定。
ちょっとした広場でがらーん、いわゆる展望はなし。
背伸びをすれば北に遠く、霊仙・伊吹と見えるらしい。
南は、黒松の大木が並んでいて、東海道五十三次か。
先行者も休憩する人も結局、まるでひとりもなし。
登山者駐車場のたくさんの車とこの山はまるで関係なしだった。
ふもとの永源寺からこの山を見上げてもどこがそれとは分からない。
山頂からも、永源寺を見下ろすことはかなわず。
でもこの山頂は、広大な台地を包む外輪山の一角であり静か。
その後、時間はかかるというその外輪山の周回コースに入る。
普通の山だと、隣の山とをつなぐ稜線歩き。
それなりにアップダウンがあり、道は分かりやすい。
左側の外よりも、右の内側に分かれた尾根が沈んでいくのがいい。
そういった何本もの尾根の間に何条もの谷筋がある。
これらすべてが合流し、最後は一本になって藤川谷になる。
その途中で、池になったり、沼地や湿地になっているのだろう。
これは御嶽四の池のような、天上の楽園地形ではないか。
外輪山は外に分岐があるらしいが明確ではない。
日本コバへの距離表示看板も明らかにおかしいのがある。
期待した高みでは、外側が植林でがっかりする。
・897近くのco900は日本コバの反対側ピークとして存在感あり。
衣掛山の表示は2か所あり、政所道出合の先の870mで休憩。
外輪山ではゆったりできるふさわしい場所が見つけ辛かった。
帰路は政所道。
尾根を通らずトラバ道が多い。
うっかり道を踏み外さないとも限らないので慎重に進む。
こちらも紅葉はきれい。
モミの純林というのもなかなか見事。
最後は単調で急な坂道となり、転げ落ちるように下る。
下山口の茶畑に出ると時間は急にゆったり。
集落の道を道の駅に戻っていく。
日本コバ、この山を今まで見逃していてすまぬ。
自分としては、再度訪れたい山になった。
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